SSブログ

19.時事問題の基礎入門講座(2016.7.9の講座のテキスト)(最新版) [2016.7.9の講座のテキスト]

19. 時事問題の基礎入門講座(2016.7.9の講座のテキスト)

(a)日本の政治、外交、防衛

・参議院選挙の投開票(2016.7.10)

7月10日は、第24回参議院選挙の投開票が行われます。
参議院議員は、任期が6年で、3年ごとに定数242人のうち半数の121人が改選されます。今回の選挙は、選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げて行われる初めての国政選挙です。
改選議席数は、選挙区73、比例代表48の合計121で、立候補者は、389人です。
焦点は、与党の自民、公明両党が目標としている改選議席数の過半数の61議席を獲得できるかどうか、さらには、与党など憲法改正を目指す勢力で、改正の発議に必要な参議院全体の3分の2にあたる162議席を獲得するために、今回の改選で78議席を勝ち取ることができるかどうかです。
選挙戦では、安倍政権の経済政策であるアベノミックスの是非、それに憲法改正や安全保障のあり方などをめぐって激しい論戦がかわされています。

・ニュースの用語解説

憲法改正
日本国憲法は、1946年公布、1947年施行されて以来、一度も改正されていません。憲法改正は、衆議院100人以上、参議院50人以上の議員の賛成で原案が発議され、両院それぞれの本会議で総議員の3分の2以上の賛成で可決して、国会が国民に憲法改正を発議し、発議の日から60~180日に国民投票(投票権は18歳以上)を行い、有効投票の過半数の賛成を得て承認されます。
憲法改正をめぐる動きについては、2000年衆参両院に憲法調査会が設立され、国会議員による憲法のあり方をめぐる話し合いが始まっていますし、2007年第1次安倍内閣の時、憲法改正のための国民投票法が成立しています。2012年第2次安倍内閣が成立、憲法改正を目標に掲げています。
安倍首相は、6月21日、日本記者クラブ主催の与野党9党による党首討論会で、憲法改正の国会発議に必要な3分の2の勢力を参議院選挙後の衆参両院の憲法調査会の議論を通じて形成したいという考えを表明しました。これに対して民進党の岡田代表は、安倍政権下で憲法改正の議論を進めることに慎重な考えを示し、共産党の志位委員長も安倍政権による憲法改正に反対を表明しました。

・日米、日米地位協定における米軍属の範囲限定で合意(2016.7.5)

沖縄県におけるアメリカ軍の軍属による日本人女性の暴行殺害事件を受けて、日本とアメリカ両政府は、日米地位協定の対象となる軍属の範囲を明確に定めることで合意しました。
これは、岸田外相と中谷防衛相、それにアメリカのケネディ駐日大使と在日アメリカ軍のドーラン司令官が、5日東京で会談し、その事件をきっかけに沖縄県で高まっている反基地感情を考慮し、共同発表として合意を取りまとめたものです。
軍属は、日米地位協定では、「アメリカ国籍を有する文民で、在日アメリカ軍に雇用され、勤務し、または、随伴するもの」とだけ規定していますが、今回の共同発表では、軍属の範囲を4種類に例示し、①アメリカ政府の予算で雇用された文民②アメリカ軍が運航する船舶および航空機の乗組員③アメリカ軍の公式目的で日本に滞在するアメリカ政府の雇用者④アメリカ軍と契約する民間企業の技術アドバイザーやコンサルタントとしています。特に、技術アドバイザーやコンサルタントについては、高度な技術や知識を持ち、在日アメリカ軍の任務に不可欠な者としています。
この日米合意の詳細については、今後数か月間で協議を完了する予定だということです。
なお、アメリカ軍の軍属が起訴された今回の女性暴行殺害事件は、公務外の犯罪で身柄が日本側にあったために、日米地位協定が沖縄県警の捜査の障害になることはなかったといわれています。

・ ニュースの用語解説

6月9日、沖縄のアメリカ軍の軍属の男が日本人女性の遺体を遺棄したとして逮捕された事件で、沖縄県警は、殺人と強姦致死の疑いで、その男を再逮捕しました。
再逮捕されたのは、アメリカ海兵隊の元隊員で嘉手納基地で働く軍属のシンザト・ケネフ・フランクリン容疑者32歳です。
沖縄県警によりますと、シンザト容疑者は、4月下旬、会社員の女性20歳に対し、頭を棒で殴って叢に連れ込み、刃物で刺すなどして殺害したとして、殺人の疑いに加え、乱暴しようとして死なせた疑いがもたれています。シンザト容疑者は、5月19日、女性の遺体を雑木林に遺棄した疑いで逮捕され、当初は、殺害をほのめかす供述をしていましたが、その後は、黙秘しているということです。

5月25日、安倍首相は、G7=主要7か国首脳会議=伊勢志摩サミットの開幕を前に、オバマ大統領と日米首脳会談を行い、沖縄の女性殺害事件を中心に話し合いが行われました。
両首脳が、会談のあと、共同記者会見で明らかにしたところによりますと、安倍首相は、この事件について、強く抗議し、実効性のある再発防止策を講じるよう求めたのに対し、オバマ大統領は、哀悼と遺憾の意を表し、日本側の捜査に全面的に協力する意向を表明しました。
そして、両首脳は、事件の全容解明と日米地位協定の運用の改善などに協力して取り組み、信頼回復に努めていくことで一致しました。

6月19日、沖縄県では、4月に20歳の日本人女性が殺害され、アメリカ軍の元海兵隊員で軍属の男が逮捕された事件を受け、大規模な抗議集会が那覇市で開かれ、沖縄からのアメリカ海兵隊の撤退などを求める決議を採択しました。
この集会は、沖縄県の翁長知事を支える沖縄県議会の与党会派の社民党、共産党、地域政党の沖縄社会大衆党、それに市民グループなどで作る団体の主催で開かれ、主催者の発表では、6万5000人が参加しました。
翁長知事が挨拶に立ち、「政府は、県民の怒りが限界に達しつつあること、これ以上基地負担に沖縄県民の犠牲は許されないことを理解すべきだ。沖縄県民の先頭に立って、日米地位協定の抜本的な見直しや新辺野古基地建設の阻止などに取り組んでいく不退転の決意を表明する」と述べました。
集会では、最後に、沖縄からのアメリカ海兵隊の撤退や県内移設によらない普天間基地の閉鎖・撤去などを要求する決議を採択しました。
集会には、県議会の会派のうち自民党と公明党は、主張の分かれる政治テーマを掲げるのではなく、追悼や事件への抗議に絞るべきだと主張して、参加しませんでした。

(b)日本の経済、貿易

・長期金利、20年国債初のマイナス、円高株安(2016.7.6)

世界経済の先行き懸念から、6日の東京市場で、比較的安全とされる国債と円に資金が集中し、債券市場では、新発20年物国債利回りが初のマイナスになり、為替市場では、1ドル=100円台をつけ、6月24日以来の円高水準になりました。
6日の東京債券市場では、長期金利の代表的な指標である満期10年の新発国債の流通利回りが一時、前日より0.030%幅低い(価格は上昇)マイナス0.285%をつけ、過去最低を更新しました。満期20年の国債の利回りも一時、マイナス0.005%と初めてマイナスとなりました。
市場関係者は、「イギリスの国民投票が行われて以降、世界経済の不透明感が高まっているとして、日本だけでなく、アメリカやドイツなどでも、国債が買われる動きが強まっている」と話しています。
一方、6日の東京外国為替市場では、円相場が、6月24日イギリスの国民投票でEU=欧州連合からの離脱が明らかになって以来、1ドル=100円台と円高が進みました。6日の東京株式市場では、企業業績への悪化懸念から下げ幅が一時500円を超えました。

・ニュースの用語解説

長期金利は、1年を超える預金・債券などに適用される金利のことで、日本では、新発10年物国債の流通利回りが代表的な指標とされ、他の長期金利に影響を与えます。短期金利が、日銀など中央銀行の金融政策の影響を直接的に受けるのに対し、長金利は、短期金利の影響を受けながら、景気やインフレ動向に関する予測を反映した長期資金の需給によって市場で決定されます。
新発10年国債利回りは、国が期間10年の借金をするときに発行する債券(国債)の流通利回りで、通常、債券市場の需給関係で決まり、国債の買い手が少なくなれば、価格は下落して利回りは上昇する一方で、逆に買い手が増えれば、価格は上昇して、利回りは下落することになります。

(c)日本の社会

・65歳以上の人口の割合、過去最高(2016.6.29)

日本の人口に占める65歳以上の割合が、26.7%と過去最高になりました。
これは、総務省が29日発表した昨年の国勢調査の速報値で明らかになったもので、日本の65歳以上の人口は、3342万2000人で、人口に占める割合は、2010年の前回の調査より3.7%多い26.7%でした。これは、1920年に調査を開始して以来初めて25%を上回り、過去最高になりました。4人に1人が高齢者ということになります。
一方、15歳未満の人口は、1586万4000人で、全体の12.7%で、過去最低でした。調査開始以来すべての都道府県で、初めて65歳以上の割合が、15歳未満を上回り、少子高齢化が一層進んでいることを浮き彫りにしています。

・ニュースの用語解説

65歳以上の割合の26.7%は、イタリアの22.4%、ドイツの21.2%を上回り、主要国の中で最も高い数字です。
都道府県別では、高い順に、秋田33.5%、高知32.9%、島根32.6%で、低い順では、沖縄19.7%、東京22.9%、愛知23.8%となっています。

(d)国際情勢

・バングラデシュでテロ、日本人7人を含む20人死亡(2016.7.1~2)

バングラデシュの首都ダッカで、7月1日、武装したグループが、飲食店を襲い、外国人の客などを人質にとって立てこもった事件で、日本人7人を含む20人が死亡し、日本人1人を含む13人が救出されました。
犠牲者の多くは、外国人で、イタリア人9人、日本人7人、アメリカ人1人、インドにン1人です。日本人の犠牲者は、男性5人、女性2人で、いずれもJICA=国際協力機構のプロジェクトに関わっていました。
事件発生から10時間余りたった2日、治安部隊が店内に突入し、激しい銃撃戦の末、武装グループのうち6人を射殺し、1人を拘束したということです。
一方、過激派組織IS=「イスラム国」のバングラデシュ支部を名乗る組織が、インターネット上で、犯行を認める声明を発表しました。
声明の信ぴょう性は確認されていませんが、捜査当局は、武装グループの背後関係や犯行の動機などについて調べを進めています。
事件現場は、ダッカの中心部で、大使館や外資系企業のオフィスが多く、高級住宅街や商業施設もあるグルシャン地区で、武装グループが立てこもった飲食店は、外交官など外国人も頻繁に利用する人気店でした。

・ニュースの用語解説

バングラデシュは、1947年にイギリスからインド、パキスタンが分離独立した際に、パキスタンの一部(東パキスタン)となり、1971年第3次印パ戦争を経て、バングラデシュとして独立しました。人口は、1億5940万人で、イスラム教徒が9割を占めています。ベンガル人がほとんどで公用語もベンガル語。面積は、日本の約4割にあたる14万7000平方キロ。在留邦人は、985人。日本企業240社が進出し、ODA(政府開発援助)関連事業が多い。
イスラム過激派によるとみられるテロ事件で、2013年から少なくとも計20人が殺害されていて、2015年9月には、今回の事件現場となったグルシャン地区で、イタリア人の援助機関のスタッフが、翌10月には、北西部で日本人男性が殺害され、外国人への攻撃が懸念されるようになっていました。

・イラクでテロ、292人死亡(2016.7.8)

イラクの首都バグダッドで3日爆弾テロがあり、7日までに292人が死亡し、およそ200人がけがをしたということで、過激派組織IS=「イスラム国」が犯行声明をだしています。
この事件は、バグダッドの中心部でイスラム教シーア派が多く住む地区の繁華街で、イスラム教のラマダン=断食月明けの祝祭を控え、買い物客でにぎわっている中で起きました。大量の爆弾を積んだトラックが爆発し、子どもたちを含む292人が死亡し、およそ200人がけがをしているということです。
これについて、過激派組織IS=「イスラム国」が犯行声明を発表し、イスラム教シーアを標的にしたと主張しています。
イラク政府は、6月下旬、2年以上にわたってISが支配していた、バグダッドの西50キロの所にある交通の要衝ファルージャを奪還したのに続き、ISがイラク最大の拠点とするモスルの奪還を早期に成し遂げると強調しています。
しかし、今回の爆弾テロ事件のあと現場を訪れたアバディ首相に対し、集まった人たちからテロを防止できない政府を非難する声が一斉に上がるなど政府への不信感が高まっています。

・ニュースの用語解説

イスラム国は、中東の過激派組織で、シリア北部からイラク中部にかけての領域を占拠し、2014年6月国家の樹立を宣言して「Islamic State(イスラム国)」と自称しています。国際社会は、国家としては承認しておらず、各国政府は、ISIL(=Islamic State of Iraq and the Levant)とか、ISなどと呼んでいます。ISは、イスラム教を厳格に適用しているといわれ、スンニ派によるイスラム国家を武力の行使も辞さずに実現しようとしています。
ISは、6月にイスラム教のラマダン=断食月中のテロ攻撃を世界中の支持者に呼びかけました。ラマダン入りに先立つ6月の声明で、「昼夜を問わず、今いる場所で、十字軍を恐怖に陥れよ」と訴え、テロを先導した」と述べています。

・英国民投票、EU(欧州連合)からの離脱決める、保守党党首選挙でメイ内相リード(2016.7.8)

イギリスの国民投票でEU=欧州連合に残留を主張して敗北し辞意を表明したキャメロン首相の後任を選ぶ与党・保守党の党首選挙に、現職の閣僚ら5人が立候補を届け出ました。
イギリスでは、6月23日国民投票が行われ、EUからの離脱支持が51.9%、残留支持が48.1%で、離脱派が勝利をおさめ、残留を訴えていたキャメロン首相は、24日辞意を表明しました。
キャメロン首相の後任を選ぶ与党・保守党の党首選挙の立候補受け付けは、30日締め切られ、党首選挙がスタートしました。立候補したのは、離脱派のマイケル・ゴーブ司法相、残留派のテリーザ・メイ内相らあわせて5人です。離脱派の運動を主導したボリス・ジョンソン下院議員は、最有力とみられていましたが、30日になって突然立候補を断念すると発表しました。
7日329人の下院議員による2回目の投票が行われ、メイ内相が全体の60%にあたる199票を獲得し、これに続いて、離脱派のアンドレア・レッドサム・エネルギー担当相が84票を獲得しました。
新しい保守党の党首は、議員や党員の投票を経て、9月9日までに決まる見通しで、保守党は下院で過半数の議席を占めており、次の党首が新しい首相に選ばれることになります。そして、エリザベス女王に首相に任命されて就任し、EUに離脱を正式に通知し、EUとの難しい交渉にあたることになります。
一方、イギリスがEUからの離脱を決めた後初めてのEUの首脳会議が、6月28日と29日ベルギーの首都ブリュッセルで開かれ、最終日の29日、イギリスを除く27か国の首脳は、声明を発表し、イギリスに対し、EU域内の移民の受け入れを含む「移動の自由」を受け入れない限り、EU市場への自由な参加は認められないという厳しい姿勢で一致しました。

・ニュースの用語解説

イギリスの保守党党首選挙の日程
6月30日 保守党党首選の立候補締め切り
7月5日 下院議員の予備投票開始(週2回の投票で、最少得票者を1人ずつふるい落とし、2人に絞り込む
7~8月 決選投票の2候補が国内各地を遊説
9月9日 党員による郵便投票で決戦投票、新党首選出
9月16日 イギリス以外のEU27か国首脳会合
10月2~5日 保守党の党大会

EUのリスボン条約50条
1. いかなる加盟国も、その憲法上の要件に従い、EUからの脱退を決定することができる。
2. 脱退を決定した加盟国は、その意思を欧州理事会に通知する。EUは、その国と交渉を行い、その国の脱退に関する取り決めを定める協定を締結する。この協定は、欧州議会の同意を得た後に、理事会により特定多数決によって締結される。(特定多数決は、投票に参加する理事会構成員の少なくとも72%以上で、投票に参加する加盟国の65以上。)
3. 脱退協定が発効した日に、または、それが存在しない場合には、欧州理事会がその加盟国と合意したうえで、この期間の延長を全会一致により決定しない限り、2年後に。その国への適用を終了する。

・北朝鮮のキム・ジョンウン、国務委員長に(2016.6.29)

北朝鮮の最高人民会議は、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が、国家のトップにあたる国務委員長に就任することを決めました。キム・ジョンウン氏は、5月党大会で、党のトップの委員長に就任しており、今回の決定によって、党と国家の最高のポストを掌握し、求心力を高めるねらいがあるものとみられています。
北朝鮮の最高人民会議は、29日、憲法を改正し、これまで国家機関を統括してきた国防委員会を改組して国務委員会を新設し、国防委員会第1委員長を国務委員会委員長にすることを決めました。これによって、国防委員会第1委員長だったキム・ジョンウン氏が、国家のトッであるの国務委員会委員長に就任することになりました。
キム・ジョンウン氏が今回国防委員会を改組し国務委員会を新設したのは、父親のキム・ジョンイル(金正日)の軍を最優先する先軍政治から党や国家の機構を重視する新しい体制の確立の意図を内外にアピールするねらいがあるものとみられています。

・ニュースの用語解説

2016年5月、北朝鮮で36年ぶりに朝鮮労働党大会が開かれ、最高指導者のキム・ジョンウン(金正恩)第1書記が新設のポストの党委員長に就任するなど新しい党指導部が決まりました。このほか、党の中核をなす政治局常務委員には、キム・ジョンウン(金正恩)委員長が再任され、現職のキム・ヨンナム(金永南)最高人民会議常務委員長とファン・ビョンソ(黄炳瑞)軍総政治局長に加えて、新たに経済部門を統括するパク・ポンジュ(朴奉珠)首相と長く青年組織のトップをつとめたチェ・リョンヘ(崔竜海)党書記が選ばれ、3人体制から5人体制になりました。党大会では、核開発と経済再建を同時に進める「並進路線」を盛り込んだ党規約の改正、「核兵器の小型化、多種化を高い水準で実現し、核戦力を質・量的に強化して「東方の核大国」に輝かせていく」と擦る決定書なども採択しました。
キム・ジョンウン(金正恩)氏としては、5月に最高指導機関である朝鮮労働党で新たに設けた最高位のポストの党委員長に就任し、さらに、今回の国務委員長就任によって、党と国家両方の最高のポストを手中に収め、北朝鮮の最高指導者としての地位を強化し、自らの新しい体制のスタートを内外に誇示するねらいがあるものとみられています。

・米韓、ミサイル配備決定、中国、反発(2016.7.8)

韓国国防部と在韓米軍は、8日、在韓米軍へのTHAAD(サード)=高高度迎撃ミサイルシステムの配備を決定したと発表しました。
米韓両政府は、北朝鮮による核実験と弾道ミサイル発射が、アジア太平洋地域の安全保障にとって重大な脅威になっていると指摘し、北朝鮮の脅威に対応するため、米韓同盟のミサイル防御態勢を向上させる措置だとしました。そして、朝鮮半島のTHAADは、いかなる第3国に向けられず、北朝鮮の核・ミサイルの脅威だけに運用されるとし、中国やロシアに向けて運用しない考えを強調しました。
しかし、中国外務省は、8日、声明を発表し、「中国や関係国の明確な反対を顧みずにTHAADの配備を決めた」と非難し、「強烈な不満と断固反対」を表明しました。

・ニュースの用語解説

THAADミサイルは、高高度防衛ミサイル(Terminal High Altitude Area Defense missile)のことで、アメリカ陸軍が開発した弾道弾迎撃ミサイル・システムです。 THAADは、敵の弾道ミサイルが、航程が最後の段階に差し掛かり、大気圏に再突入している段階で、ミサイル防衛で、迎撃・撃破するために開発されたものです。、

・大西さんら3人の宇宙飛行士、ソユーズで国際宇宙ステーションへ(2016.7.7)

大西さんら3人の宇宙飛行士が乗り込んだロシアの宇宙船「ソユーズ」が、7日、中央アジアのカザフスタンから打ち上げられ、地球を回る軌道に入って、打ち上げは成功しました。
ソユーズには、ロシアのアナトーリ・イバニシン船長、アメリカのキャスリーン・ルビンズさん、それに日本の大西卓哉さんの3人の宇宙飛行士が乗り込んでおり、打ち上げのおよそ50時間後、国際宇宙ステーションとドッキングし、国際ステーションに移って、およそ4か月滞在し、さまざまな実験や観測を行うことになっています。
大西さんは、元全日空の旅客機のパイロットで、日本人11人目の宇宙飛行士で、国際宇宙ステーションに長期滞在するのは6人目になります。

・ニュースの用語解説

国際宇宙ステーション(ISS=International Space Station)は、アメリカ、ロシア、日本、カナダ及び欧州宇宙機関(ESA)が協力して運用している宇宙ステーションです。地球及び宇宙の観測、宇宙環境を利用した様々な研究や実験を行うための巨大な有人施設です。地上からおよそ400km上空を秒速およそ7.7kmで飛行し、地球をおよそ90分で1周、1日でおよそ16周しています。
1999年から軌道上での組み立てが開始され、2011年完成しました。当初運用期間は、2016年までの予定でしたが、各国は、少なくとも2024年までは運用を継続する方針を決めています。


・アメリカで警察官銃撃事件、警察官5人死亡(2016.7.9)

アメリカで、黒人男性が相次いで警察に射殺される中、テキサス州ダラスで警察官5人が銃撃され死亡する事件が起き、容疑者の黒人男性は、白人警察官への怒りをあらわにしていたということで、アメリカ社会に残る人種問題が再燃しているとみられています。
アメリカでは、5日から2日連続で黒人の男性が警察官に射殺される事件が起き、7日にはテキサス州ダラスで警察に対する抗議デモがおこなわれましたが、そのさなかに警察官12人が銃で撃たれ、このうち5人が死亡しました。
警察によりますと、容疑者の男は、銃撃戦の中で交渉にあたった警察官に「黒人男性が死亡した一連の事件に怒りを覚え、特に白人の警察官を殺害したかった」と話していたということです。
警察に対する抗議デモは、7日、各地に拡大し、南部アトランタ、中西部シカゴ、東部ニューヨーク、首都ワシントンなどで行われました。

・ニュースの用語解説

今回の一連の事件は、
7月5日―南部ルイジアナ州バトンルージュで、2人の白人警察官が黒人男性を射殺、地面に押さえつけた状態で撃ったことを示す映像がインターネット上で投稿されました。
7月6日―中西部ミネソタ州ファルコンハオツで、警察官が黒人男性を射殺、自動車のライトが壊れているとして停車を求められ、免許証などを取り出そうとした際に発砲。助手席にいた女性が射殺現場の状況を撮影し、ネットで公開。
7月7日―テキサス州ダラスで、黒人射殺事件に抗議するデモの最中、警察官5人が狙撃され死亡
アメリカでは、警察の不当な扱いで黒人が犠牲となるたびに抗議デモが各地で行われ、報復とみられる警察官の射殺事件が起き、人種対立が深まることが懸念されています。












タグ:時事問題
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。