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14.時事問題の基礎入門講座(2016.2.13の講座のテキスト) [2016.2.13の講座のテキスト]

*2016.2.13のテキスト*

(a)日本の政治・外交・防衛

・日韓両政府、北朝鮮に対する制裁措置発表(2016.2.10)

日本と韓国両政府は、核実験と長距離弾道ミサイル発射を行った北朝鮮に対して、それぞれ制裁措置を発表しました。これに対して、北朝鮮は、激しく反発しました。

日本政府は、10日NSC=国家安全保障会議の閣僚会合を開き、北朝鮮に対する独自の制裁措置を決めました。
これらの制裁措置は、2014年7月北朝鮮が拉致被害者らの調査を開始した際に解除した制裁措置を復活させたほか、新たな措置を盛り込んでおり、北朝鮮に向けた送金の原則禁止や北朝鮮のすべての船舶の入港禁止、人的往来の規制強化が柱になっています。
具体的には、北朝鮮籍の人の入国の原則禁止、北朝鮮への渡航自粛、朝鮮総連=在日本朝鮮人総連合会の関係者などに加え、在日外国人で核やミサイルに関連する技術者が北朝鮮に渡航した場合、日本への再入国を禁止するなど人の往来をめぐる規制を強化するとしています。
また、日本から北朝鮮に現金を持ち出す際、国に届ける金額を10万円を超える額に引き下げるほか、北朝鮮向けの送金は、人道目的で10万円以下の場合を除いて原則として禁止するとしています。さらに、人道目的の船舶を含むすべての北朝鮮籍の船舶に加え、北朝鮮に寄港した第三国籍の船舶の入港を禁止するほか、資産凍結の対象となる関連団体や個人を拡大するとしています。
日本政府は、国連安全保障理事会の北朝鮮に対する制裁決議採択に先駆けて、韓国と歩調を合わせて、これらの制裁措置を発表したものです。

一方、韓国政府は、10日、韓国と北朝鮮が北朝鮮の南西部で共同運営しているケソン(開城)工業団地の操業を全面的に中断すると発表しました。
ケソン工業団地は、2000年の南北首脳会談の合意に基づいて造成され、2004年に生産を開始し、現在入居している韓国企業は124社で、北朝鮮労働者は5万4700人で、北朝鮮にとって貴重な外貨獲得の手段になっています。
韓国政府の声明は、ケソン工業団地について、北朝鮮は、これまで総額6160億ウオン(約590億円)の現金が入り、その金は、核兵器と長距離弾道ミサイルの高度化に悪用される結果になったとし、これ以上、核・ミサイルの開発に利用されるのを防ぐため、全面中断を決め、北朝鮮に通告したと述べています。

これに対して、北朝鮮は、日本と韓国に対して、激しく反発しました。

朝鮮中央通信が伝えたところによりますと、北朝鮮は、12日、日朝合意に基づいた日本人に関する包括的な調査を同日から全面的に中止し、調査を担当する特別調査委員会を解体すると発表しました。そして日本に対し、「より強力な対応措置が続くことになる」と警告し、「今日の重大な結果を生んだ全責任を生んだ全責任は、安倍政権が負わなければならない」と主張しました。

北朝鮮は、韓国に対して、11日、突然「ケソン工業団地を閉鎖し、軍事統制区域とする」と発表しました。そして、韓国の入居企業124社の全資産を凍結し、事実上没収する考えを示しました。また、北朝鮮は、同団地の韓国人全員の「追放」を宣言するとともに、同団地と韓国を結ぶ通信も打ち切りました。さらに、南北間の軍事通信と境界線上にある板門店の連絡通信網も閉鎖したため、南北の公式な対話チャンネルはすべて途絶えてしまいました。

アメリカ議会の上院は、10日、核実験や事実上の長距離弾道ミサイルの発射を行った北朝鮮に対する制裁措置を強化する法案を全会一致で可決しました。
法案は、北朝鮮の核兵器開発や人権侵害、サイバー攻撃などに関与した個人・団体に対し、資産凍結や渡航制限や金融取引の停止などを科すことになっています。核・ミサイル開発に関係する材料や鉱物資源、ぜいたく品の取引にかかわった第三国の企業も制裁対象とるのが特徴で、これは、最も取引の多い中国企業を念頭に置いたものとみられています。
下院もすでに同様の法案を可決しており、オバマ大統領の署名を経て成立する見通しです。

・ニュースの用語解説

・北朝鮮による日本人拉致問題
1970~80年代北朝鮮による日本人拉致事件が相次ぎ、2002年小泉首相との首脳会談でキム・ジョンイル総書記は日本人13人を拉致したことを認め謝罪、拉致被害者5人と家族は2004年までに帰国しました。
日本政府は、17人を拉致被害者と認定しています。帰国した5人を除く12人について、北朝鮮は、これまで8人は死亡、4人は入国していないと主張してきました。
2014年5月日本と北朝鮮の両政府は、北朝鮮が日本人拉致被害者らの再調査を実施し、日本が北朝鮮への独自制裁の一部を解除することで合意しました。同年7月北朝鮮は調査を開始し、日本は制裁措置の一部を解除しました。北朝鮮は、当初、調査機関を「1年をめど」としていましたが、2015年7月報告の延期を通告してきて以来、進展はありません。北朝鮮は、日本政府との非公式の接触で、「8人は死亡、4人は入国していない」という過去の調査結果をくつがえしていないということです。

・ケソン(開城)工業団地
ケソン(開城)は、北朝鮮の南西部の都市で、ケソン工業団地は、2000年に行われた韓国のキム・デジュン(金大中)大統領と北朝鮮のキム・ジョンイル(金正日)総書記の首脳会談をきっかけに造成され、2004年に生産が始まりました。業種は、繊維が58%、機械金属が19%などで、大半が中小企業だといわれています。2005年から2015年までの生産額は、約30億4000万ドル(約3500億円)とみられています。

(b) 日本の経済・貿易

・世界経済懸念、株安、円高続く(2016.2.12)

中国経済の減速、原油価格の下落など世界経済の先行きに対する懸念から金融市場が動揺している中で、株安と円高が続いています。
12日の東京株式市場は、世界的な景気減速への懸念や急速な円高進行を受けてほぼ全面安となり、日経平均株価(225種)は、およそ1年4か月ぶりに1万5000円を割り込みました。
祝日明けの12日の東京株式市場は、朝方から全面安の展開となり、日経平均株価は、一時、800円以上の急落となりました。
結局、12日の終値は、10日より760円78銭安い、1万4952円61銭となり、おととし10月以来およそ1年4か月ぶりに1万5000円を割り込みました。

12日の東京外国為替市場は、アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会のイエレン議長の議会での証言でアメリカの追加の利上げが遠のいたと受け止められたことで、比較的安全だとされる円が買われ、円相場は、一時111円台後半で取引されました。
午後5時現在で休日前の10日に比べ、2円72銭の円高ドル安の1ドル=112円16銭から18銭でした。
円相場は、昨年末の時点では、1ドル=120円台でしたが、中国経済の減速や原油価格の下落に加え、アメリカ経済の先行きなどに対する懸念が出たため、比較的安全とされる円を買う動きが強まり、円はドルに対して8円以上値上がりしたことになります。

(c) 日本の社会

(d) 国際情勢

・北朝鮮、長距離弾道ミサイル発射、国連安保理、非難声明(2016.2.7)

北朝鮮は、先月の核実験に続いて、7日、人工衛星と称する長距離弾道ミサイルを発射しました。これに対して国際社会は北朝鮮を非難していますが、制裁措置については合意に達していません。
北朝鮮の朝鮮中央テレビは、7日正午(日本時間同日午後0時半)から「特別重大報道」の中で、「地球観測衛星・光明星4号を打ち上げ、軌道に進入させることに完全に成功した」と伝えました。また、キム・ジョンウン(金正恩)第1書記が6日発射の命令を直接下したとして命令書に署名している様子も写真も交えて伝えています。さらに、国際宇宙開発局の発表として、「「光明星4号は、軌道を回っており、地球観測に必要な測定機器と通信機器が搭載されている。発射の成功は、国家の科学技術と経済、国防力を発展させていくうえで画期的な出来事となる」と伝え、人工衛星の打ち上げだと主張する一方で、これを通じて軍事力の強化をはかっていくことを示唆しています。

中国、アメリカ、韓国、日本など各国の政府は、それぞれ、北朝鮮のミサイル発射が国連安全保障理事会の決議に違反しているとして非難する声明を発表しました。

国連安全保障理事会は、7日、アメリカ、韓国、日本の3か国の要請に基づいて、緊急の会合を非公開で開き、この問題を討議し、会合の後、議長国のベネズエラのラミレス国連大使が、報道機関向けの声明を発表しました。
この声明は、「北朝鮮による弾道ミサイルの技術を使った発射は、たとえ人工衛星だと主張しても、核兵器の運搬技術の開発につながるもので、安保理決議に違反し、強く非難する。核実験のあとの安保理の警告を無視して北朝鮮がとった違反行為に対し、安保理は、迅速に決議の採択を目指す」と述べています。
また、アメリカ、韓国、日本の3か国の国連大使は、共同で記者会見し、核実験に続いて弾道ミサイルを発射した北朝鮮に対する新たな制裁決議の必要性を強調しました。
一方、制裁決議に厳しい追加制裁を盛り込むことに慎重な立場をとってきた中国の国連大使は、記者団に対して、「新しい決議に向け、安保理は結束して取り組む必要がある」と述べるにとどまりました。
アメリカ、韓国、日本の3か国は、北朝鮮への制裁強化を目指し、各国への働きかけを強めていますが、制裁強化に慎重な常任理事国の中国の出方が注目されています。
なお、1月6日の北朝鮮による核実験のあと、国連安保理は、今回と同様の議長声明をだしましたが、それから1か月以上たっているにもかかわらず、いまだに決議は採択されていません。

・ニュースの用語解説

弾道ミサイル(Ballistic Missile)というのは、強力なロケット推進によって放物線の弾道を描いて長距離を飛び地上を攻撃する兵器のことで、核兵器や化学・生物兵器の運搬手段となります。
ロケットの推進力でいったん空気抵抗のない大気圏外まで上昇し、その後大気圏に再突入します。大気圏外を通ることで遠くにミサイルを飛ばすことができるのです。
弾道ミサイルは、飛距離を伸ばすため、人工衛星などを打ち上げるロケットと同じ技術を使っていったん宇宙空間にまで運びますが、人工衛星は宇宙にとどまって軌道を周回しますが、弾道ミサイルは、弾頭を大気圏内に再突入させ目標に命中させるため、高度な技術が必要だといわれています。

北朝鮮は、1970年代から旧ソ連製のスカッドミサイルを入手してミサイル開発に着手し、首都ワシントンのあるアメリカの東海岸に到達可能なICBM=大陸間弾道弾の実用化を目指して射程の長距離化をめざして開発を進める一方で、近年は、発射の兆候がつかみにくいSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルの開発なども行っています。すでに、スカッド(射程 300~500km、弾頭重量 770~1000キロ)、ノドン(1300km、700キロ)、ムスダン(3000km以上、650キロ)は実戦配備しており、テポドン1(2500km、500キロ)、テポドン2改良型(1万km、650~1000キロ)は試験発射の段階です。
軍事専門家によりますと、今回のミサイルは、2012年12月に発射したテポドン2号の改良型に類似した弾道ミサイルで、射程が1万2000kmで、アメリカ東海岸まで届く性能をもっているものとみられています。

・米大統領選挙ニューハンプシャー予備選で、サンダース、トランプ勝つ(2016.2.9)

アメリカ大統領選挙のニューハンプシャー州の予備選挙で、民主党は、サンダース上院議員が得票率60.4%で、クリントン前国務長官の38.0%を大きく上回り勝利をおさめ、共和党は、不動産王のトランプ氏が得票率35.3%でトップ、オハイオ州のケーシック知事が15.8%、クルーズ上院議員が11.7%、ブッシュ元フロリダ州知事が11.0%、ルビオ上院議員が10.6%でした。
今回のニューハンプシャー州の予備選挙は、大統領選挙の各党の候補指名争いの2戦目で、1戦目は、アイオワ州の党員集会で、民主党は、クリントン氏が49.8%、サンダース氏が49.6%で、わずか0.2%の差でクリントン氏が勝利をおさめ、共和党は、クルーズ氏が27.6%でトップ。トランプ氏は24.3%で2位でした。
アメリカの大統領選挙は、各州で予備選挙か党員集会を開いて各党の候補者をしぼっていき、7月に開かれる民主党、共和党それぞれの党大会で大統領候補を指名し、11月の大統領選挙まではげしい選挙戦を繰り広げることになっています。

・ニュースの用語解説

・アメリカの大統領選挙の予備選挙と党員集会
アメリカの大統領選挙では、民主党と共和党は、それぞれ全米50州と首都のワシントンで予備選挙や党員集会を開き、どの大統領候補を支持するかを表明している代議員を選びます。過半数の代議員を確保した候補が7月の党大会で大統領候補に指名され、11月の本選挙で、大統領が決まります。州ごとに予備選挙か党員集会のどちらかを開く仕組みになっていて、予備選挙は、有権者が投票所で投票し、党員集会では、投票や話し合いで決めます。
1976年以降、全米で最初の党員集会や予備選挙を実施するのは、アイオワ州、ニューハンプシャー州の2州に定着しています。

・「重力波」初観測

今から100年前アインシュタインが存在を予言し、世界の研究者が観測を目指していた「重力波」つまり宇宙空間にできた「ゆがみ」が波となって伝わる現象について、アメリカを中心とした国際チームが、11日、初めて直接観測に成功したと発表しました。
「重力波」は、アインシュタインが、1916年に「一般相対性理論」の中で提唱した現象で、ブラックホールなどの天体によって生み出された「ゆがみ」が波となって伝わる現象のことです。この観測は、アインシュタインの「最後の宿題」といわれ、物理学の長年の悲願でした。
研究チームによりますと、2つのブラックホールが合体するときに出た重力波を昨年9月から今年1月上旬まで観測し、分析作業を進めていたということで、2つのブラックホールは、質量が太陽の29倍と36倍ときわめて大きく、観測された重力波は、13億年前に出たものだと説明しています。
「重力波」の観測は、ノーベル賞に値する成果だといわれ、日本の専門家も「天文学の飛躍的な発展につながる」と高く評価しており、今後は、世界各国の科学者による観測データの検証がすすめられることになります。









タグ:時事問題
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