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11.時事問題の基礎入門講座(2015.11.14の講座のテキスト) [2015.11.14の講座のテキスト]

時事問題の基礎入門講座(2015.11.14の講座のテキスト)-今回から内容を変え、直近のニュースを扱うことにしましたー

ニュース速報

1)パリで同時多発テロ(パリ発共同通信電子版)
2)国際陸連、ロシア陸連の国際大会参加禁止(ジュネーブ発日経電子版)

(a) 日本の政治・外交・防衛

・日米首脳会談、19日にマニラで(2015.11.13)

ホワイトハウスの高官が12日明らかにしたところによりますと、オバマ大統領と安倍首相の日米首脳会談が19日フィリピンで開かれることになりました。
両首脳は、APEC=アジア太平洋経済協力会議に出席するため、フィリピンを訪れるもので、南シナ海の問題などについて話し合うことにしています。
オバマ大統領は、南シナ海で中国が主権を主張する人工島の周辺にアメリカ軍のイージス艦を派遣したことを説明し、航行の自由を確保して問題を平和的に解決することの重要性を確認するものとみられます。これに対して、安倍首相は、アメリカの立場を支持するものとみられます。
ホワイトハウスの高官は、また、18日フィリピンでTPP=環太平洋経済連携協定の首脳会合が開かれることを明らかにし、首脳会合は、TPPの発効に向けて各国が手続きを進める方針を確認するという見通しを示しました。

・日中韓首脳会談、日韓首脳会談、ソウルで開催(2015.11.1~2)

日本、中国、韓国の3か国の首脳会談は、1日韓国の首都ソウルで開かれ、首脳会談の定期的開催と来年日本で開催することで一致するとともに、日中韓3か国のFTA=自由貿易協定の締結に向けた交渉を加速していくことでも合意しました。
これは、日本の安倍晋三首相、中国の李克強首相、韓国のパク・クネ大統領による3か国首脳会談が、およそ3年半ぶりに行われた後発表された共同宣言で明らかにされたもので、日中韓3か国の協力に関し、「歴史を直視し、未来に向かって進む精神」で、地域の安全と平和に向けて協力していくことで一致しました。

翌2日、ソウルで、安倍首相とパク大統領は、初めての首脳会談を行い、最大の懸案である旧日本軍による従軍慰安婦の問題について、外交当局間の局長級の協議を加速し、早期解決を目指すことで一致しました。
日韓首脳会談が行われたのは、2012年5月以来、およそ3年半ぶりで、安倍首相、パク大統領にとって、ともに就任以来初めての正式の首脳会談になりました。
両首脳は、また、経済、安全保障の面でも協力を強化する方針も確認しました。

・ニュースの用語解説

日中韓首脳会談は、日本、中国、韓国の3か国が開催する首脳会談で、政治、経済、人的交流などを話し合う場として位置づけられ、出席者は、日本は首相、韓国は大統領、中国は、政策実務を扱うとみて国家主席に次ぐ首相が参加しています。
1999年当時の小渕恵三首相が働きかけ、東南アジア諸国連合と日中韓(ASEAN+3)首脳会議に合わせる形で始まり、2008年からは、ASEANとは別に3か国持ち回りで毎年開催されています。しかし、日中韓首脳会談は、日中、日韓関係が悪化し、2012年5月に北京で開かれて以来、開かれていませんでした。今回は、アメリカからの強い働きかけもあって、およそ3年半ぶりに開かれたものです。
現在日中、日韓関係には、いろいろな懸案があります。
日中関係では、東シナ海の問題があり、その中には、尖閣諸島(中国名で釣魚島)をめぐる領有権争い、中国の公船による領海侵入、自衛隊と中国軍の不測の事態を防ぐための海空連絡メカニズムの構築、東シナ海のガス田の共同開発に関する交渉再開などの問題があります。
日韓関係では、旧日本軍による従軍慰安婦問題が最大の懸案で、このほかに、竹島(韓国名で独島)をめぐる領有権争い、産経新聞前ソウル支局長が、記事でパク大統領の名誉を傷つけたとして韓国検察が懲役1年6か月を求刑した裁判をめぐる問題などがあります。

従軍軍慰安婦というのは、第2次世界大戦中に、日本軍によって、中国、フィリピン、ビルマ、マレーシアなどの占領地域に慰安所が設置され、日本人女性のほかに、朝鮮や台湾、さらに現地の女性が慰安婦として動員され、軍人・軍属の性の相手をさせられた女性たちのことです。
1991年に韓国の元従軍慰安婦の女性が、戦後50年近くにわたる沈黙を破って名乗り出て、補償と謝罪の要求を提起したことで、従軍慰安婦問題が、広く知れ渡るようになりました。
1992年宮澤喜一首相が、日韓首脳会談で公式に謝罪し、1993年に河野洋平内閣官房長官が、慰安婦について、「募集、移送、管理なども、甘言、強圧によるなど、総じて本人たちの意思に反して行われた。お詫びと反省の気持ちを申し上げる」との談話を発表しました。
1995年村山富市政権による「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)が発足し、1997年から元慰安婦61人に日本国民からの募金による「償い金」と政府からの医療福祉支援金が渡され、それに首相のお詫びの手紙が添えられていました。しかし、韓国の支援組織は、日本政府に法的責任の認定と国家賠償を要求し続け、韓国政府も同調したため、この問題はいまだに解決していません。
従軍慰安婦問題については、日本側は、早期の妥結をめざして交渉を加速するとしていますが、韓国側は、今年中にこの問題の妥結を要求しています。また、日本側が、1965年の日韓国交正常化の際の請求権協定で完全かつ最終的に解決済みとしているのに対し、韓国側は、請求権協定の対象外であり、未解決だと主張しています。さらに、日本側が、今後何らかの打開策をまとめる場合、韓国政府は、二度と蒸し返さない確約を求めているのに対して、韓国側は、被害者が受け入れ、韓国国民が納得できる解決策をと要求しています。

・政府・与党、臨時国会見送り決定(2015.11.12)

政府・与党は、12日、野党が内閣改造後開会を求めていた臨時国会の召集を見送ることを決めました。
これは、安倍首相の外交日程がたて込んでいることなどを考慮して決めたもので、10日と11日に開かれた衆参両院の予算委員会での閉会中審査で,TPP=環太平洋経済連携協定交渉など国政に関するさまざまな問題について、野党の質問に十分の答えたと判断したためです。
臨時国会が開かれないのは、2005年以来10年ぶりのことです。
政府・与党は、臨時国会の召集を見送る代わりに、通常国会の開会を速めて1月4日の召集を検討しています。

・ニュースの用語解説

閉会中審査というには、国会の閉会中に行う委員会での質疑のことで、国会で継続審議となった法案審査のほか、それぞれの委員会が担当する分野で、調査や政府の見解をただすことが必要となった場合に開くことが多い。今回は、10月のTPP=環太平洋経済連携協定の大筋合意を受けて、与野党が衆参両院の予算委員会を1日ずつ開くことで合意しました。
TPPに加えて、国政のさまざまな課題がテーマになりました。

(b) 日本の経済・貿易

・国産初のジェット旅客機MRJ、初飛行成功(2011.11.11)・

国産初のジェット旅客機MRJが、11日初飛行に成功しました。
MRJ(ミツビシ・リージョナル・ジェット)は、2008年から三菱重工業の子会社の三菱航空機が開発を進めている国産の小型ジェット旅客機で、国産旅客機の開発は、1962年に初飛行したプロペラ機YS11以来、半世紀ぶりのことです。
飛行試験は、自衛隊機など3機を伴って、1時間半にわたって、名古屋空港と遠州灘を往復し、上昇や下降、左右への旋回といった基本的な性能を確認し、成功だったということです。
今回のデータなどから問題がなければ、本格的な飛行試験に移ることになり、実用化に向けて大きく前進することになります。
今のところ、航空会社への納入は、2017年春に始める計画です。

・ニュースの用語解説

MRJ(ミツビシ・リージョナル・ジェット)は、座席数が約70席と約90席の機種があります。今回飛行したのは、約90席のタイプのMRJ90です。これは、カタログ価格が4730万ドル(約58億円)、巡行速度マッハ0.78、航続距離は最長タイプで3770キロ、全長は35.8メートルでジャンボ機の約半分です。
現在のMRJの受注状況は、全日本空輸を含む日米などの6社から合計400機で、今後は、北米やヨーロッパを中心に売り込んでいく計画です。
現在、3000億円近くに上る開発費用は、一部を政府が負担、開発主体の三菱航空機には、三菱重工業だけでなく、トヨタ自動車や政府系の日本政策投資銀行も出資しています。
官民をあげてMRJに取り組んでいる背景には、航空機づくりを次世代の産業の柱に育てるねらいがあるといわれています。

(c) 日本の社会

(d) 国際情勢

・ミャンマーの総選挙で、野党大勝、政権交代へ(2015.11.13)

ミャンマーの総選挙で、アウン・サン・スー・チー氏率いる野党のNLD=国民民主連盟が議会で過半数を占めたことが明らかになり、軍事政権が半世紀以上続いてきたミャンマーで、民主化を求めてきたNLD中心の政権が誕生する見通しです。
8日に投開票が行われた総選挙では、議会上下両院の定数664議席のうち、選挙によらない25%の軍人枠の166議席を除く、民選枠の498議席が小選挙区制で争われました。
選挙管理委員会の公式発表によりますと、13日までに468議席が確定し、NLDが378議席を獲得し、過半数の333議席を上回りました。軍事政権が作った与党のUSDP=連邦団結発展党は、40議席にとどまっています。テイン・セイン大統領とミン・アウン・フライン国軍総司令官は、すでにNLDの勝利を認めており、選挙結果確定後、アウン・サン・スー・チー氏が呼び掛けた会談に応じる方針を明らかにしています。
アウン・サン・スー・チー氏の率いる新しい政権は、テイン・セイン氏の5年の任期が満了する来年3月末にも発足する見通しです。

・ニュースの用語解説

1948年イギリス連邦から離脱してビルマ連邦として独立しました。しかし、反政府運動も激しく、1962年軍政になり、一時民政となりましたが、1988年から反政府運動が激化、「ビルマ建国の父」といわれているアウン・サンの娘アウン・サン・スー・チーを指導者とする民主化運動が支持を広げました。同年軍部が政権を奪取し、翌年、国名をミャンマーと改称、首都ラングーンをヤンゴンと改めました。スーチー率いるNLD=国民民主連盟は、1990年の総選挙で圧勝しましたが、軍事政権は、政権移譲に応じず、1989年からスー・チーの自宅軟禁を繰り返しました。2005年軍事政権は、首都をネーピードーに移しました。2010年NLDを解党処分にしたまま総選挙を強行したのちスー・チーを自宅軟禁から解放しました。2011年民政に移管し、2012年下院補欠選挙でNLDも参加して大勝、スー・チーも当選して政治活動を再開しました。
テイン・セイン大統領は、この間、2010年軍籍を離脱し、軍翼賛団体のUSDP=連邦団結発展党を結成しました。2011年から政治改革に着手、政治犯の部分的釈放、メディア検閲の緩和などに取り組んだほか、スー・チーとも会談し、国家発展に協力することで合意しました。こうした動きを西側諸国は歓迎し、ミャンマー開放への動きを確定的にしました。2013年には、アメリカをはじめ、西側主要国を訪問、ミャンマーをいっきに外国企業にも注目される国へと変え、経済成長への道筋をつけることになりました。

・初の中台首脳会談、シンガポールで開催(2015.11.7)

中国の習近平国家主席と台湾の馬英九総統が、1949年の中台分断後初めてとなる首脳会談を7日シンガポールで開き、「中国大陸と台湾がともに1つの中国に属する」という考え方のもとに、中台関係の平和的な発展が重要であることを確認しました。
会談の冒頭、習主席は、「中台関係の歴史的な1ページを開いた」と述べて、歴史的意義を強調し、「平和の道を歩み、正しい発展の方向性を確保し、交流を深めて、中華民族の復興を図ることを願っている」と述べました。
これに対して、馬総統は、中台間で経済や人的交流が進んでいることを指摘したうえで、「中台関係は、過去66年間で最も平和的な状態にある。双方は、敵対関係を弱め、平和的な方法で争いを解決していくべきだ」と述べました。
中国政府当局者によりますと、習主席は、この会談で、「中台関係の平和的発展にとって最大の脅威は、台湾独立を訴える勢力が行う分裂活動だ」と述べたということですが、この発言は、来年1月の台湾総統選挙で優勢が伝えられている最大野党の民進党の候補が、「中国大陸と台湾は、ともに1つの中国に属する」という考え方に反対していることなどを念頭に、そうした動きをけん制したものとみられます。
一方、台湾の台北では、7日、中台首脳会談に抗議する集会やデモが行われました。参加者は、「ひとつの台湾、ひとつの中国」と書かれたプラカードや「台湾独立」を目指す横断幕を掲げていました。

・ニュースの用語解説

北京の中華人民共和国政府は、外国と国交を正常化する(外交関係を樹立する)にあたって、「台湾は中国の一部であり、中華人民共和国政府は、中国を代表する唯一の合法政権である」ことを主張し、相手国はこれを認めるか、理解を示して、台湾の中華民国政府と外交関係を断絶してきました。アメリカ、日本など北京の中華人民共和国政府と外交関係を樹立した国は、すべてこのやり方に従ってきました。
また、中国は、香港がイギリスから、マカオがポルトガルから返還されるときは、「1国2制度」といって、1つの国家に社会主義と資本主義の2つの制度が共存する形をとり、香港とマカオは、中国の特別行政区といっています。
一方、台湾では、中国寄りの国民党と台湾独立志向の強い民進党が対立しています。現在の総統(大統領にあたる)は、国民党の馬英九氏で、2008年に就任し、2000年から2008年まで続いた民進党政権の政策を見直し、中台関係は、悪化の状態から改善へ転換していきました。中台対話再開の合意、中台間の「三通」(通信、通商、通航の直接開放)の本格実施、さらに中台のFTA=自由貿易協定にあたる「ECFA=経済協力枠組み協定」の調印など、中台関係は、大幅に改善していきました。2012年馬英九総統は、民進党の蔡英文主席らを下して再選、立法院選挙でも国民党が過半数を制しました。
2013年中台は、人民元建て直接決済システムを始動、「サービス貿易協定」に調印しました。
しかし、2014年中台間ですでに取り決められたECFAに基づいて締結されたサービス貿易協定の批准をめぐって、強行採決を目論む馬英九政権に抗議して、数百人の学生が立法院の本会議場にバリケードを築きました。学生たちは、協定は「台湾に不利」として撤回を求めました。こうした学生の活動を支持し政権を批判する数十万人規模のデモが台北市中心部で行われました。その後、学生たちは、協定の差し戻しと内容の逐条審議などを要求、これらの要求を勝ち取り、立法院長の説得を受け入れ、撤退しました。こうした動きによって、台湾では、中国との一体化を推し進めようとする馬英九政権への警戒心が根強いことが明らかになり、来年1月に予定されている総統選挙が注目されています。

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10.過去1か月の重要なニュースのまとめ(2015.10.10) [10.重要なニュース(2015.10.10)]

注意:2015.10.10の講座は、都合により、休講になります。

過去1か月の重要なニュース(2015.9.12~2015.10.9)

・中断していた米軍普天間飛行場の移設作業が名護市辺野古沿岸で再開(2015.9.12)
・沖縄県の翁長知事、辺野古埋め立て承認取り消し手続き開始と発表(2015.9.14)
・阿蘇山噴火、気象庁、警戒レベルを2から3に引き上げ、初めて噴火速報も発信(2015.9.14)
・今年の訪日外国人旅客数が、10日まで昨年の実績を上回る(2015.9.16)
・ソフトバンク、パシフィック・リーグ連覇、2年連続、17度目の優勝(2015.9.17)
・米FRB(連邦準備制度理事会)、利上げ見送り、中国など世界経済の減速を懸念(2015.9.18)
・安全保障関連法、成立(2015.9.19)*
・ラグビー・ワールドカップで、日本、強豪南アフリカを34-32で破り歴史的勝利(2015.9.20)
・ギリシャの総選挙で、連立与党が過半数を制し、チプラス首相信任、EU=欧州連合が求める緊縮 策を継続(2015.9.21)
・日ロ外相会談で、平和条約締結交渉再開で合意(2015.9.22)
・沖縄県の翁長知事、国連人権理事会で、米軍基地の県内移設非難(2015.9.22)
・フォルクスワーゲン(VW)のウィンターコルンCEO辞任表明、アメリカで発覚した排気ガス規制 をめぐる不正問題で責任(2015.9.23)、新CEOにポルシェ社長のミュラー氏(2015.9.25)
・新国立競技場建設問題で第三者委員会が検証報告書公表、組織体制の不備を明記し、文科相らの 責任も指摘(2015.9.24)
・安倍首相、自民党総裁再選正式決定で記者会見、これまでの「金融緩和」「財政出動」「成長戦 略」の「3本の矢」に代わり、「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につ ながる社会保障」の「新3本の矢」提唱(2015.9.24)*
・8月の消費者物価、前年比0.1%と2年4か月ぶりに下落(2015.9.25)
・オバマ、習近平の米中首脳会談、サイバー攻撃問題で、両政府は実行、支援しないことで合意、 南シナ海問題では進展なし(2015.9.25)
・スペインのカタルーニャ州議会選挙で、独立派過半数(2015.9.27)
・地球と月の距離が最も近くなり、今年最大の満月「スーパームーン」(2015.9.28)
・2020年東京五輪の大会組織委員会、追加競技・種目に野球・ソフトボール、空手、ローラース  ポーツ(スケートボード)、スポーツクライミング、サーフィンの5競技18種目をIOCに提案へ  (2015.9.28)
・米ロ首脳会談、シリア問題で対立(2015.9.28)
・中国で日本人2人、「スパイ行為」容疑で5月から拘束(2015.9.29)
・安倍首相、国連総会で演説、シリア難民などの支援に970億円(2015.9.29)
・ロシア軍、シリア領内の過激派組織「イスラム国」の拠点を空爆(2015.9.30)
・米海軍の原子力空母ロナルド・レーガン、横須賀入港(2015.10.1)
・防衛装備庁、スポーツ庁発足(2015.10.1)
・米がアフガニスタンで「国境なき医師団」運営の病院を誤爆、22人死亡(2015.10.3・7)、オバマ 大統領謝罪(2015.10.7)
・バングラデシュで、過激派組織「イスラム国」(IS)を名乗る声明、日本人男性殺害と発表(2015.10.3)
・マイナンバー(社会保障・税番号)法施行(2015.10.5)
・米アトランタで開かれていたTPP=環太平洋経済連携協定交渉の閣僚会合で、大筋合意(2015.10.5)*
・ノーベル医学生理学賞、大村智・北里大学特別栄誉教授ら3人に(2015.10.5)*
・ノーベル物理学賞、東京大学宇宙線研究所長の梶田隆章教授ら2人に(2015.10.6)*
・第3次安倍改造内閣発足、主要9閣僚留任(2015.10.7)*
・ヤクルト、セ・リーグで優勝(2015.10.7)
・2014年度に児童相談所が対応した児童虐待、約8万9000件で24年連続で過去最多(2015.10.8)
・FIFA=国際サッカー連盟の幹部が絡む汚職疑惑で、ブラッター会長らに暫定的に90日間の資格停止
 (2015.10.8)
・フォルクスワーゲン米法人トップ、米公聴会で、組織ぐるみの不正否定(2015.10.8)*



(a)日本の政治・外交・防衛

・第3次安倍改造内閣発足(2015.10.7)・安倍首相、自民党総裁に再選正式決定(2015.9.24)

第3次安倍改造内閣が、7日、発足し、9人の主要閣僚が留任しました。
留任したのは、麻生太郎副首相兼財務相、菅義偉(すが・よしひで)官房長官、甘利明経済再生相、岸田文雄外相、中谷元(なかたに・げん)防衛相などです。
このほか、新設した一億総活躍担当相には、官房副長官の加藤勝信氏、環境相には、参議院厚生労働委員長で元アナウンサーの丸川珠代さん、国土交通相には、公明党の政務調査会長の石井啓一氏がそれぞれ就任しました。

安倍首相は、第3次安倍改造内閣の発足を受けて記者会見し、これからも経済最優先で取り組むとし、経済政策を一層強化していくと述べるとともに、「誰もがもう一歩踏み出すことができる社会を創る新しい挑戦を始める」と述べ、一億総活躍社会の実現に向けて、年内に緊急に実施すべき対策を取りまとめる方針を示しました。

第3次安倍改造内閣は、初閣議を開き、東日本大震災からの復興の加速化や一億総活躍社会の実現に向けて、戦後最大のGDP=国内総生産600兆円、希望出生率1.8、介護離職ゼロの実現をめざすことを決めました。また、地球儀をふかんする外交を一層強力に推進し、強固な日米同盟を基軸に安全保障体制を盤石なものにするとともに、沖縄の基地負担の軽減を実現するため政府を挙げて取り組む方針を決めました。

・ニュースの用語解説

・アベノミックスと3本の矢ーアベノミックスというのは、安倍首相の苗字「Abe」と経済学の「economics」を組み合わせて作った造語で、2012年12月に発足した安倍政権の経済政策のことです。それは、長引くデフレ不況からの脱却、持続的な経済成長、経済再生が目的です。デフレ不況というのは、物価が下がり続けるため、企業の売り上げも減り続ける。業績が悪化した企業は、社員を減らし、給与を下げる。職を失ったり、収入が減ったりした消費者は、仕方なくお金をできるだけ使わないようにする。そうなると、安いものしか売れなくなるから、物価はさらに下がる。まるでらせん階段を下り続けるようなこうした悪循環をデフレ・スパイラルといっています。

こうしたデフレ不況から脱却するため、安倍政権は、この的を射抜くため3本の矢を設定しました。
(3本の矢というのは、戦国武将の毛利元就が、3人の子供たちに授けた教えといわれる逸話で、1本の矢では簡単に折れますが3本まとめてではなかなか折れないところから、一族の結束を説いたといわれています)
1本目の矢は、大胆な金融緩和政策で、日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁が「異次元」と呼んだほど大胆な金融の量的・質的緩和を断行し、世の中に出回るお金の量を増やしたのです。そして、円安、株高を招き、インフレ状況を作り出そうとしました。
2本目の矢は、機動的な財政政策で、政府自身が、公共事業を増やすなどして、景気を支え、刺激するための積極的な予算を組んでいきました。
3本目の矢は、投資を喚起する成長戦略で、法人税の減税や大胆な規制緩和などを実施し、民間企業が持てる力を最大限発揮できるようにするのが狙いです。これは、雇用や医療・介護、農業などの分野における規制緩和中心の政策で、反対論も多く、かなり難しい問題を抱えています。

・新第3の矢ー安倍首相は、9月24日自民党総裁に再選された後の記者会見で、「アベノミックスは第2ステージに移る」と宣言し、経済成長の推進力として新3本の矢を発表しました。これまでの3本の矢のうち、市場や企業が最も期待した成長戦略が、なお道半ばと評される中で発表されたものです。
安倍首相は、新3本の矢は、2020年に向けた経済成長のエンジンと位置づけ、①希望を生み出す強い経済ーGDP=国内総生産600兆円、②夢を紡ぐ子育て支援ー出生率1.8、③安心につながる社会保障ー介護離職ゼロをあげています。
安倍首相は、この記者会見で、1億総活躍プランを年内に作成、50年後も人口1億人を維持、デフレ脱却は目前、2017年4月の消費増税(10%)は予定通り行うなどと述べました。

・安全保障関連法成立(2015.9.19)

国会の最大の焦点であった安全保障関連法が、19日未明の参議院本会議で、与党の自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立しました。
この法律は、歴代政権が禁じてきた集団的自衛権の行使を可能にするもので、自衛隊の海外での活動を拡大し、戦後の安全保障政策を大きく転換するものです。
この法案は、17日の参議院特別委員会で、民主党など野党が抗議する中、自民、公明両党などが強行採決し、賛成多数で可決し、これを受けて、19日未明に本会議で審議が行われました。
この中で、自民党の代表は、「集団的自衛権の限定的な行使容認によって、日米同盟をより強固にして戦争を未然に防ぎ、わが国の安全を、より確実なものにできる。安全保障をめぐる情勢は、いつ急変するかわからず、今すぐ準備を整えておくために必要な法案で、速やかな成立が不可欠だ」と述べました。
これに対し、民主党の代表は、「日本では、少なくとも40年以上、総理大臣や閣僚が、集団的自衛権の行使はできないとしてきた。歴史の歩みを軽んじ、法的安定性を壊すことに、なぜこんなに鈍感なのか。法案は、立憲主義、平和主義、民主主義を守ってきた戦後70年の歩みに背くもので、違憲であり、反対だ」と述べました。
続いて法案の採決が行われ、自民、公明両党などの賛成多数で可決され、成立しました。

一方、安全保障関連法案に反対する市民たちが、連日国会議事堂前や周辺で抗議行動を行っており、18日も主催者の発表で4万人以上が法案に反対、憲法を守れと訴え続けていました。

・ニュースの用語解説

今回成立した安全保障関連法というのは、昨年7月閣議決定した集団的自衛権の行使を可能にする法律で、自衛隊の活動範囲を海外にまで拡大するものです。それは、新しく制定された国際平和支援法と既存の10の法律を改正した改正武力攻撃事態法、重要影響事態法(←周辺事態法)、改正PKO(=国連平和維持活動)協力法、改正自衛隊法、改正船舶検査法、米軍等行動円滑法(←米軍行動円滑法、改正海上輸送規正法、改正捕虜取り扱い法、改正公共施設利用法、改正国家安全保障会議(=NSC)設置法です。
安全保障関連法案は、7月15日衆議院の特別委員会で、野党議員が抗議する中、採決が強行され、与党の自民・公明両党の賛成多数で可決され、翌16日、衆議院本会議で可決され参議院に送られました。国会の会期は、95日延長され、9月27日までとし、与党は、会期中に法案を可決・成立させたいとしました。参議院では、7月27日から審議が始まり、9月17日自民・公明両党などが強行採決に踏み切り可決し、19日未明参議院本会議で可決・成立しました。
国会の論議を通じて、政府・与党は、日本を取り巻く安全保障の環境が変わったことを強調し、日米同盟関係を強固なものにするために、安全保障関連法案は必要だと説明しました。
これに対して、民主・共産両党など野党は、この法案が、憲法に違反しているので、廃案にすべきだと主張しました。
国会周辺や日本各地で、法案に反対し廃案をもとめる集会やデモが繰り返され、市民団体、学者、弁護士などの多くの団体が法案反対の声明を出しています。

(b)日本の経済・貿易

・TPP=環太平洋経済連携協定交渉、閣僚会合で大筋合意(2015.10.5)

TPP=環太平洋経済連携協定交渉のアメリカ、日本など参加12か国は、5日アメリカのジョージア州アトランタで開かれていた閣僚会合で大筋合意に達したと発表しました。
これによって、GDP=国内総生産で世界の4割を占める巨大な経済圏がアジア太平洋地域で生まれる道筋がついたことになります。
TPP交渉は、モノやサービスの貿易だけでなく、投資、知的財産、環境保護、労働など幅広い分野での自由貿易のルール作りめざしていた交渉で、2010年3月に始まり、日本は2013年7月から参加し、5年半に及ぶ交渉の末にようやく大筋合意に至ったものです。
TPP協定は、各国の議会の承認を経て発効することになります。

5日の閣僚会合の後の共同記者会見で、議長国アメリカのフロマン代表は、交渉が大筋合意に達したことを発表し、この合意は、「アジア太平洋地域で、雇用を創出し、持続的な成長を生み出し、技術革新を促進することになろう」と述べました。
日本の甘利経済再生相は、「われわれ12か国のルールは、21世紀の世界のルールになっていく。われわれのルールが世界に広がるにしたがって、世界がより豊かで相互依存関係が強くなる」と述べ、TPP協定の意義を強調しました。

・ニュースの用語解説

TPP=Trans-Pacific Partnership (Agreement)は、環太平洋経済連携協定または環太平洋パートナーシップ協定のことです。シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4か国で2006年に発効した貿易協定で、2010年アメリカ、オーストラリア、ペルー、ベトナムを加え、8か国で交渉開始、
マレーシアの交渉参加で9か国に、2012年メキシコ、カナダの交渉参加で11か国、2013年日本の交渉参加で、合わせて12か国になりました。
交渉は、モノやサービスのやりとりを自由化することを原則に、貿易だけでなく、特許など知的財産権の保護や投資などについての共通のルール作りをめざしていました。
中でも、経済規模の大きなアメリカと日本の2国間交渉が注目され、牛肉、豚肉、コメ等の農産物、自動車などの問題をめぐって対立が伝えられていました。

アメリカとしては、来年は大統領選挙など各種の選挙をひかえているため、今回のアトランタの閣僚会合で決着をつけたい考えで、当初9月30日と10月1日の2日間の予定だった日程を何度も延長し、5日に決着にこぎつけたものです。これは、特にバイオ医薬品のデータ保護期間について、アメリカは、医薬業界やそれに関連する議員などからの強い圧力を受け、当初12年を主張し、一方オーストラリアなどは5年を主張し、きびしく対立していましたが、結局、5年に安全性を確認するための審査期間の3年を上乗せし、実質8年で決着しました。
日本は、TPP協定によって、10年以内に95%の輸入関税を撤廃することになります。これまで長年にわたって、日本の農産物は、高い関税で保護されてきましたが、これからは、安く輸入できる外国の農産物が大量に流入し、日本国内の農家が打撃を受けることが予想されています。
今回の会合で、日本は、コメについては、関税を維持しつつ、アメリカとオーストラリア産のコメ当初5.6万トン、13年目以降7万8400トンを無関税で輸入する枠を設ける、牛肉については、関税を現在の38.5%から16年目以降に9%にする、豚肉については、高価格帯の関税(4.3%)を撤廃し、10年目以降に、低・中価格帯の大半の関税(1キロ最大482円)も50円にする、乳製品については、TPP参加国向けに脱脂粉乳とバターで低関税輸入枠を設ける、アメリカの乗用車の関税(2.5%)を段階的に削減し、25年目に撤廃する、アメリカ・カナダの自動車具品の関税の大半を即時撤廃するなどで合意しました。

(c)日本の社会

・2人の日本の科学者、ノーベル医学生理学賞と物理賞受賞(2015.10.5~6)

2人の日本の科学者が、今年のノーベル医学生理学賞と物理学賞をそれぞれ受賞することになりました。
スウェーデンのカロリンスカ研究所は、5日、今年のノーベル医学生理学賞を、日本の北里大学の大村智(おおむら・さとし)特別栄誉教授、アイルランド出身でアメリカのドリュー大学の名誉リサーチ・フェローのウィリアム・キャンベル氏、中国の中医科学院の屠ユーユー氏の3人に贈ると発表しました。
受賞の理由は、アフリカなどで寄生虫が引き起こす熱帯感染症に大きな治療効果をあげた特効薬を開発した業績です。
一方、スウェーデンの王立科学アカデミーは、6日、今年のノーベル物理学賞を、日本の東京大学宇宙線研究所長の梶田隆章(かじた・たかあき)教授とカナダのクイーンズ大学名誉教授のアーサー・マクドナルド氏の2人に贈ると発表しました。
受賞の理由は、重さがないと考えられていた素粒子「ニュートリノ」に質量があることを証明し、宇宙の成り立ちや物質の起源を解明するのに大きな影響を与えたことです。
日本のノーベル賞受賞者は、大村氏が23人目、梶田氏が24人目です。
授賞式は、12月10日にスウェーデンの首都ストックホルムで行われることになっています。

・ニュースの用語解説

ノーベル賞(Nobel Prize)は、ダイナマイトの発明者として知られるスウェーデンのアルフレッド・ノーベル(Alfred Bernhard Nobel)の遺言によって1901年から始まった世界的な賞のことです。物理学、化学、医学生理学、文学、平和、経済学の6分野で顕著な功績を残した人物に贈られます。
授賞者の選考は、物理学、化学賞、経済学賞の3部門はスウェーデン王立科学アカデミーが、医学生理学賞はカロリンスカ研究所が、平和賞はノルウェー・ノーベル委員会が、文学賞はスウェーデン・アカデミーがそれぞれ行っています。

(d)国際情勢

・フォルクスワーゲン米法人トップ、米公聴会で、組織ぐるみの不正否定(2015.10.8)

ドイツ自動車大手フォルクスワーゲンの排ガス不正問題で、8日、アメリカ議会下院で公聴会が開かれ、アメリカ法人のミヒャエル・ホーン社長兼最高経営責任者が、「数人のソフトウェア技術者が関与した」と述べ、組織ぐるみの不正を否定しました。
ホーン氏は、「データの報告を受けたのは、昨年5月だが、当時は技術的な問題と考え、適切に対応中だと聞いていた。原因がソフトウェアだと知ったのは、先月3日だった」と述べ、不正は、組織ぐるみではないことを強調しました。

・ニュースの用語解説

フォルクスワーゲン(Volkswagen AG)が、ディーゼル車に排ガス規制を逃れるため不正なソフトウェアを搭載した問題は、さる9月18日、アメリカ環境保護局がアメリカで販売されたディーゼル車およそ50万台に不正なソフトウェアが搭載されていたと発表して明らかになりました。
不正の端緒をつかんだのは、アメリカ南部のウェストバージニア大学で、ワシントンにある環境関連のNPOの委託を受けて複数のディーゼル車を実際に走らせて排出される有害物質を測定した結果、フォルクスワーゲンの車だけから、基準を大幅に上回る窒素酸化物が検出されました。
その後、アメリカ環境保護局などが、さまざまな調査を行い、フォルクスワーゲンのソフトウェアは、タイヤの位置や速度などから試験中であることを検知し、その時だけ排ガスを減らす浄化機能をフルに作動させていたことがわかりました。しかし、会社側は、なかなか認めませんでしたが、1年以上協議を行った結果、当局が、原因が究明されない限り新型ディーゼル車を認証しないと伝えたところ、先月になってようやく不正を認めました。

以上
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9.過去1か月の重要なニュースのまとめ(2015.9.12) [9.重要なニュース(2015.9.12)]

*2015.9.12の講座のテキスト*(この講座は、原則として「やさしいニュース英語サロン」で取り上げたニュースは、略しますので、同名のブログをご覧ください)

*注意*2015.10.10の講座は、休講になります。ただし、このブログは、入稿しますので、それをご覧ください。

過去1か月の重要なニュース(2015.8.8~2015.9.11)

・水泳の世界選手権の女子200メートル平泳ぎ決勝で、18歳の渡部香生子選手が優勝(2015.8.8)
・長崎原爆の日、長崎市の田上富久市長が、平和宣言で安全保障関連法案の慎重な審議を要求(2015.8.9)
・水泳の世界選手権の男子400メートル個人メドレーで、瀬戸大也選手が日本選手初の2連覇を達成(2015.8.9)
・経常収支、今年上半期は2年ぶりの黒字、円安の進行、外国人旅行者の増加、原油安が重なった ため(2015.8.10)
・鹿児島県の川内原発再稼働、東日本大震災後の新規制基準下で初めて、ほぼ2年ぶりに「原発ゼ  ロ」が終了(2015.8.11)
・中国、人民元実質切り下げ、中国人民銀行が基準値の算出方法を変更、3日間で4年ぶりの水準に急 落(2015.8.11)
・日航ジャンボ機事故から30年、群馬県・御巣鷹山に過去最多の遺族406人が慰霊登山(2015.8.12)
・沖縄沖で米軍ヘリが事故、特殊部隊の訓練で輸送艦への着艦に失敗、陸自隊員2人を含む7人がけが(2015.8.12)
・中国・天津で爆発事故、死者・行方不明者多数(2015.8.15)
・安倍首相、戦後70年で談話発表、「侵略」「おわび」などに言及、間接的表現目立つ(2015.8.14)
・戦後70年の終戦の日、政府主催の全国戦没者追悼式で天皇、「大戦に深い反省」(2015.8.15)
・今年4~6月期のGDP=国内総生産、実質成長率1.6%減、消費・輸出低迷(2015.8.17)
・タイの首都バンコクで爆発事件、20人死亡、126人けが、JR東日本の社員重傷(2015.8.17)
・100年を迎えた全国高校野球選手権大会の決勝で、東海大相模(神奈川)が仙台育英(宮城)を  10-6で破り、45年ぶり2度目の優勝を果たした(2015.8.20)
・韓国、北朝鮮、軍事境界線をはさんで相互に砲弾発射、北、拡声機の撤去要求(2015.8.20)
・北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記、「準戦時状態」宣言(2015.8.21)
・ロシアのメドベージェフ首相、択捉島訪問、日本政府、抗議(2015.8.22)
・相模原市で米軍施設で爆発火災(2015.8.24)
・世界株安、円急騰、ダウ工業株平均一時1000ドル超下落、円1ドル=116円台に、中国の景気を懸 念(2015.8.24)
・国際宇宙ステーション(ISS)の油井亀美也宇宙飛行士、日本の無人補給船「こうのとり」をキャッ チ(2015.8.24)
・板門店の韓国と北朝鮮の高官会談、緊張緩和で合意、北朝鮮、地雷爆発事件で遺憾の意表明、韓  国、宣伝放送中断(2015.8.25)
・東証株価乱高下、1万8000円割れ、その後、中国、追加緩和策発表、欧米市場、上昇に(2015.8.25)
・日本生命、三井生命を買収へ、国内生保の再編で、日生、再び業界首位に(2015.8.25)
・全国学力調査の結果公表、小学6年と中学3年が対象、理科は、下位層の正答率改善(2015.8.25)
・政府、新国立競技場の整備計画決定、建設費の上限1550億円に、2020年4月までの完成めざす  (2015.8.28)
・維新の党分裂、「大阪維新の会」が地域政党から国政政党へ、橋下徹大阪市長、松井一郎大阪府  知事、維新の党を離党(2015.8.28)
・安全保障関連法案反対で大規模集会、国会周辺で、各地でも抗議集会(2015.8.30)
・IAEA=国際原子力機関、東京電力第一原発事故で最終報告書、「原発安全と思いこみ」(2015.8.31)
・佐野研二郎氏制作の2020年東京五輪のエンブレム使用中止(2015.9.1)
・暴力団山口組分裂で警察庁が緊急対策会議(2015.9.2)
・中国、抗日戦争勝利40周年で大規模な軍事パレード(2015.9.3)
・東京電力福島第1原発事故から4年半続いていた福島県楢葉町の避難指示解除、しかし、町に戻った のはごく一部の住民(2015.9.5)
・トルコのアンカラで開かれていたG20=主要20か国・地域の財務相・中央銀行総裁会議閉幕(2015.9.5)*
・タイのNRC=国家改革評議会、軍事政権から民政復帰に向けて起草された新憲法案を否決、軍事政 権長期化へ(2015.9.6)
・東芝、不正会計2248億円、2015年3月期決算で378億円の赤字(2015.9.7)
・政府と沖縄県の辺野古移設問題をめぐる協議、決裂(2015.9.7)
・自民党総裁選で安倍首相、無投票で再選(2015.9.8)*
・最高裁、在外被爆者にも医療費全額支給すべきと初の判決(2015.9.8)*
・EU=欧州連合、シリアなどからの難民受け入れ割り当て案発表(2015.9.9)*
・女子レスリングの吉田沙保里選手、米ラスベガスの世界選手権女子53キロ級で優勝、世界選手権、 五輪で16連勝、個人戦200連勝(2015.9.9)
・関東、東北に記録的豪雨、茨城、栃木、宮城の3県に大雨特別警報発表、茨城県常総市で鬼怒川の 堤防が決壊、約1万1000棟浸水15人行方不明(2015.9.12)*

(a)日本の政治・外交・防衛

・自民党総裁選で安倍首相、無投票で再選(2015.9.8)

自民党の総裁選挙が、8日告示され、安倍晋三首相以外に立候補の届け出ががなく、安倍首相が無投票で再選されることが決まりました。
立候補を模索していた野田聖子前総務会長は、必要な国会議員20人の推薦人を集められず、出馬を断念しました。
現職総裁の無投票再選は、2001年の小泉純一郎氏以来14年ぶりのことで、安倍首相の新たな総裁任期は、2018年9月末までの3年間になります。
安倍首相は、27日までの今国会で安全保障関連法案の成立に全力を挙げるとともに、10月には、党役員人事と内閣改造に踏み切る方針です。

安倍首相が自民党総裁に再選されたことを受けて、与党の自民党と公明党は、参議院特別委員会で審議中の安全保障関連法案について、15日に中央公聴会、16日に横浜市で地方公聴会を開き、17日までに特別委員会で採決し、さらに本会議でも採決し成立させたい方針です。これに対して、民主党、共産党など野党は、激しく反発し、内閣不信任決議案などを提出して抵抗する構えで、27日の国会会期末に向け、与野党の攻防は大詰めを迎えています。

・ニュースの用語解説

安倍晋三氏ー1954年9月21日東京都生まれ。成蹊大卒。父晋太郎元外相の秘書官を経て、1993年衆議院議員初当選。小泉政権で自民党幹事長、官房長官を歴任し、2006年9月の党総裁選挙で勝利、第90代首相に就任。改正教育基本法、憲法改正手続きを定めた国民投票法を成立させましたが、2007年7月の参議院選挙で惨敗。9月に健康問題を理由に突然辞任。2012年9月の総裁選挙で再選を果たし、12月の衆議院選挙で圧勝、第96代首相に就任。再登板は、吉田茂元首相以来。安倍首相自身の経済政策「アベノミクス」による脱デフレ政策を推進。2013年7月の参議院選挙の勝利で、衆参両院の「ねじれ」を解消させました。2014年7月に集団的自衛権の行使容認を閣議決定。11月に消費税率10%への引き上げを2017年4月に延期する是非を問うため衆議院を解散。12月の衆議院選挙で与党が325議席を獲得し、第3次安倍内閣が発足しました。衆議院山口4区、当選8回、山口県出身。祖父は、故岸信介元首相。夫人は昭恵さん。

(b)日本の経済・貿易

(c)日本の社会

・関東、東北に記録的豪雨、茨城、栃木、宮城の3県に大雨特別警報発表、茨城県常総市で鬼怒川の 堤防が決壊、約1万1000棟浸水15人行方不明(2015.9.12)

10日、関東や東北に降った記録的な豪雨で、気象庁は、茨城、栃木、宮城の3県に大雨特別警報を発表しましたが、茨城県常総市では鬼怒川の堤防が決壊して濁流が住宅などに流れ込み、およそ1万1000棟が浸水し、12日正午までに15人が行方不明になっています。自衛隊、消防、警察は、ヘリコプターやボートなどを使って懸命に救出作業を行っていますが、11日夜現在でまだ百数十人が救助を待っているということです。
国土交通省によりますと、常総市で浸水した面積は、市の面積の5分の1にあたる25平方キロに及んでおり、ポンプ車20台余りを投入し、排水作業を行っています。また、堤防の決壊部分にコンクリートブロックを並べて仮堤防の建設作業を行っています。
この豪雨で、栃木、宮城の両県でも、3人が死亡しました。

・ニュースの用語解説

特別警報ー大雨、暴風、高潮、大雪、津波、噴火、地震などで数十年に一度しかなかったり、危険度が非常に高かったりするような災害の発生が予想され、「ただちに命を守る行動が必要」と気象庁が判断したときに出します。特別警報を受けた都道府県は、市町村へ通知し、市町村は住民に知らせることが気象業務法で義務付けられています。このシステムは、2013年8月に始まりました。気象庁によりますと、大雨や台風の特別警報は、これまで5回発表されているということです。

・最高裁、在外被爆者にも医療費全額支給すべきと初の判決(2015.9.8)

最高裁判所が、広島や長崎で被爆した後、日本を離れて海外に住んでいる人にも国内の被爆者と同じように、医療費を全額支給すべきだとする初の判断を示しました。
医療費の全額支給を定める被爆者援護法が、海外に住む被爆者に適用されるかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁判所第3法廷は、8日、被爆者援護法を適用して全額支給すべきだとする初めての判断を示しました。判決は、「在外被爆者が医療を受けるため来日するのは困難で、医療費が全額支給されないのは、法の趣旨に反する」と指摘し、国の指示を受けて支給を認めなかった大阪府の上告を棄却し、原告勝訴が確定しました。
現在、在外被爆者は、韓国やアメリカなどに4200人余りが暮らしていますが、国は、医療費の全額を支給していませんので、国内の被爆者と同じ対応をとるよう求められることになります。

・ニュースの用語解説

被爆者援護法ー1995年7月施行。広島・長崎両市か都道府県へ申請し、被爆者として認められると、健康手帳が交付され、健康管理手当などの手当てや自己負担分の医療費が支給されます。厚生労働省によりますと、国内被爆者は、約22万7000人、在外被爆者は、約4200人(韓国が約3000人、アメリカが約950人など)。
在外被爆者については、現在医療費支給を認めていませんが、2004年度からは上限付き(現在は年間30万円)の助成で対応し、これを超えた額も必要書類があれば一定割合で助成しています。
今回最高裁判所の判決が出たことによって、厚生労働省は、在外被爆者も、国内被爆者と同様に扱っていく方針です。

(d)国際情勢

・EU=欧州連合、シリアなどからの難民受け入れ割り当て案発表(2015.9.9)

紛争地シリアやイラクなどからの難民が、ドイツなどヨーロッパに続々と入ってきており、ヨーロッパ各国は、その対応に追われています。
EU=欧州連合のユンケル欧州委員長は、9日、フランスのストラスブールの欧州議会で演説し、紛争地シリアやイラクなどからの難民受け入れ数を16万人に引き上げ、今後2年間で加盟国に割り当てる案を発表しました。EUは、すでに5月イタリアとギリシャに到着したシリアなどからの難民4万人を受け入れる方針を示していましたが、これに最近ハンガリーに到着した難民も加え、難民受け入れ数を16万人に引き上げる案を示したものです。
そして、ユンケル委員長は、これらの難民を加盟国で経済規模や人口などに応じて分担して受け入れることを義務付けたいとして、14日開く臨時理事会で協議する方針を示しました。
しかし、東ヨーロッパの国々は、経済的社会的負担が大きいなどとして強く反発していて、各国から合意を取り付けられるかどうか不透明な情勢です。

一方、国連のバン・キムン(潘基文)事務総長は、8日声明を発表し、シリアやイラクなどからヨーロッパに殺到する難民の問題に関するハイレベル会合を30日にニューヨークで開くことを明らかにしました。
声明は、また「難民の多くは、戦争や暴力から逃れ、差別されることなく保護を求める権利がある」とし、「ヨーロッパの指導者は、人道的かつ責任をもって行動すべきだ」と呼びかけました。

・ニュースの用語解説

難民ー人種、宗教、国籍、政治的意見などを理由に、国籍国において迫害され、または、そのおそれがあるため外国に逃れている者、あるいはそうした理由で国籍国による保護を望まない者のことをいいます。難民と認められた場合、避難国または安全な第三国での定住が図られます。最近では、内乱や圧政、自然災害などにより国内で避難を続ける国内避難民(IDP=Internally Displaced Persons)の保護も課題になっています。
難民に関する国際的取決めには、難民条約(難民の地位に関する条約 Convention relating to the Status of Refugees)や難民の地位に関する議定書(Protocol relating to the Status of Refugees)があります。
国連難民高等弁務官事務所ーUNHCR=Office of the United Nations High Commissioner for Refugees)
難民の国際的保護、救済および難民問題の恒久的解決を目指して1950年に設立された国連の機関。
1951年の難民条約と1967年の難民の地位に関する議定書に基づいて活動を続けています。
国際移住機関ーIOM=International Organization for Migrationは、世界的な人の移動(移住)の問題を扱う国際機関。移民個人への直接支援から関係国への技術支援、移住問題に関する地域協力の促進などを行っています。1951年に設立されたヨーロッパ移住政府間委員会ICEMが2度の改称を経て1989年現在の名称になりました。
IOMによりますと、今年1月以降中東やアフリカからヨーロッパに流入した難民や移民の数は、9月7日現在で37万8000人余りで、昨年1年間の21万9000人を大幅に上回っています。このうち、ギリシャからヨーロッパに入った人の数は、25万6000人余りと最も多くなっていて、特に内戦が続くシリアを逃れ、トルコを経由して流入するケースが多くなっています。また、イタリアから入った人の数は、11万9000人余りで、エリトリアやナイジェリアなどアフリカからリビアを経由して流入ケースが目立っています。
その一方で、難民や移民が地中海を船で渡ろうとして遭難したり、悪質な密航業者のあっせんですし詰め状態で船倉に押し込められ、窒息死したりするケースは後を絶たず、IOMによりますと、今年はこれまでに死者が2760人となって、昨年を上回るペースで増え続けています。

EUの難民受け入れ割り当てについては、追加12万人の内訳は、ドイツに約3万1000人(以前の合意と合わせて約4万2000人)、フランスに約2万4000人(同3万1000人)、スペインが約1万6000人で、受け入れの義務化に反対している東ヨーロッパの国々も、ポーランドが約9300人、チェコが約3000人、スロバキアも1500人の受け入れを求められています。なお、イギリス、アイルランド、デンマークの3か国は、EUの難民政策を定める規定から免除されているため、分担の義務を求められていません。

・トルコのアンカラで開かれていたG20=主要20か国・地域の財務相・中央銀行総裁会議閉幕(2015.9.5)

トルコのアンカラで開かれていたG20=主要20か国・地域の財務相・中央銀行総裁会議は、5日閉幕しましたが、各国から中国経済の減速やアメリカが検討している利上げが世界経済の与える影響について懸念が表明されました。
日本、中国、アメリカなど主要20か国によるG20は、4日からトルコのアンカラで開かれ、2日間の議論を終え、閉幕し、共同声明を発表しました。
共同声明は、まず、世界経済の現状について、「世界の経済の成長は、われわれの期待する水準に届いていない」と述べ、中国経済の減速やそれに伴う世界同時株安などの金融市場の動揺で、世界経済に不透明感が強まっていることへの警戒感を表しました。
また、「競争的な通貨切り下げを避け、保護主義に対抗する」と述べ、自国の輸出に有利になるよう意図的に通貨を切り下げる「通貨安競争」をしないことを明記し、先月通貨・人民元の基準値を相次いで引き下げた中国を暗に牽制する形になっています。
共同声明は、「経済見通しの改善に沿って、いくつかの先進国で金融政策を引き締める可能性が高まっていることに留意する」と述べ、新興国で強まっている資金流出に伴う通貨安などへの懸念を踏まえ、名指しはしないものの事実上、アメリカに対し、ゼロ金利政策の解除による利上げについて慎重に判断するよう求めています。

・ニュースの用語解説

財務相・中央銀行総裁会議(The Meeting of Finance Ministers and Central Bank Governors)は、国際金融問題を議題として定期的に開かれており、G7とG20の会議が代表的なものです。
G7(Group of Seven)は、日本、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアの先進7か国。
G20(Group of Twenty)は、先進7か国と新興国のアルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、インド、インドネシア、韓国、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコの19か国と欧州連合(EU=European Union)です。ほかに、IMF(=International Monetary Fund 国際通貨基金)、世界銀行(World Bank)も参加。



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8.過去1か月の重要なニュースのまとめ(2015.8.8) [8.重要なニュース(2015.8.8)]

*2015.8.8の講座のテキスト*(この講座は、原則として「やさしいニュース英語サロン」で取り上げたニュースは、略しますので、同名のブログをご覧ください。

過去1か月の重要なニュース(2015.7.12~2015.8.7)

・EU=欧州連合、ギリシャ支援で合意、ギリシャ議会の財政改革の法制化承認(2015.7.11)を受け たもの(2015.7.13)
・沖縄県で土砂規制条例成立、普天間飛行場の辺野古移設に対抗(2015.7.13)
・イラン核協議、最終合意(2015.7.14)
・無人探査機、冥王星に最接近(2015.7.14)
・四国電力伊方原発、3例目の許可(2015.7.15)
・安全保障関連法案、衆議院特別委で強行採決(2015.7.15)
・安全保障関連法案、衆議院本会で可決、参議院へ送付(2015.7.16)
・沖縄県の翁長知事、辺野古埋め立て承認の取り消し検討(2015.7.16)
・安倍首相、新国立競技場の計画白紙にと表明(2015.7.17)
・東芝決算調査の第三者委員会、報告書を提出、1518億円の利益水増しは経営判断と認定     (2015.7.20)、田中久雄社長ら歴代3社長が辞任(2015.7.21)
・米キューバ国交回復(2015.7.20)
・防衛白書発表、中国の海洋進出に警戒感、同時に対話の重要性指摘(2015.7.21)
・政府、東シナ海の中国ガス田施設新たに12基の写真公開(2015.7.22)
・今年上半期(1~6月)の訪日外国人旅行者、前年同期比46%増の914万人(2015.7.22)
・宇宙飛行士の油井亀美也さんら搭乗のロシアのソユーズ宇宙船、打ち上げ成功、国際宇宙ステー ションに入る(2015.7.23)
・日本経済新聞社、英経済紙フィナンシャル・タイムズを発行するFTグループを約1600億円で買  収、国内メディアによる海外企業の買収では過去最大規模(2015.7.23)
・評論家で哲学者の鶴見俊輔さん死去(2015.7.23)
・今年上半期(1~6月)の貿易収支、1兆7251億円と9半期連続の赤字だが縮小(2015.7.23)
・WTO=世界貿易機関のITA=情報技術協定交渉会合で日米欧など約50か国、デジタル製品201品目の 関税撤廃で合意(2015.7.24)
・東京・調布飛行場離陸直後の小型機、民家に墜落3人死亡、5人けが、10棟燃ける(2015.7.26)
・大相撲名古屋場所で、白鴎、35度目の優勝、自己最多記録更新(2015.7.26)
・安全保障関連法案、参議院本会議で審議入り(2015.7.27)*
・改正公職選挙法成立、参院選、「合区」導入などで「10増10減」、「1票の格差」4.77倍から2.97 倍に(2015.7.28)
・厚木基地騒音訴訟、高裁も自衛隊機の夜間飛行差し止め(2015.7.30)
・出光興産と昭和シェル石油、統合へ(2015.7.30)
・日本人女性の平均寿命86.83歳、3年連続で世界一、男性は80.50歳で、世界第3位ー厚生労働省発 表(2015.7.30)
・東電元会長ら3人、強制起訴へ、福島第1原発事故で検察審査会が2度目の議決を公表(2015.7.31)
・2022年の冬季五輪は北京、2008年夏季大会に続き、史上初めて夏冬両方の五輪開催都市に    (2015.7.31)
・ハワイのTPP=環太平洋経済連携協定交渉の閣僚会合閉幕、大筋合意できず(2015.8.1)*  
・磯崎陽輔首相補佐官、参院特別委で、「法的安定性」発言撤回、陳謝、辞任は否定(2015.8.3)*
・政府、沖縄県側と辺野古移設問題で協議、移設工事1か月中断(2015.8.4)*
・安倍首相、バイデン米副大統領と電話会談、盗聴問題で調査・報告要請(2015.8.5)*
・広島被爆70年(2015.8.6)*
・ASEAN(東南アジア諸国連合)、一連の関係国との外相会議終える(2015.8.6)*

(a)日本の政治・外交・防衛

・安全保障関連法案、参議院で審議入り(2015.7.27)

今の国会の最大の焦点である安全保障関連法案をめぐる審議が、7月27日から参議院で始まりました。
これらの法案は、さる7月16日衆議院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決され、参議院に送られたもので、27日は本会議で、28日は特別委員会で論戦が展開されました。
安倍首相は、国際情勢の変化を強調し、法案成立の必要性を訴えました。首相は、中国が海洋進出を活発化させていることを踏まえ、法案成立によって日米同盟がゆるぎないものであることを内外に示していく必要性を強調しました。
これに対して、野党側は、集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案は憲法に違反していると主張し、廃案または修正を迫りました。
一方、国会周辺など各地で、安全保障関連法案に反対し、廃案を呼びかけるデモや集会が行われたほか、さまざまな市民団体が抗議声明、反対声明を出しています。

・ニュースの用語解説

安全保障関連法案は、7月15日衆議院の特別委員会で、野党議員が抗議する中、採決が強行され、与党の自民・公明両党の賛成多数で可決され、翌16日衆議院の本会議で自民・公明両党などの賛成多数で可決され、参議院に送られました。
一方、国会周辺では、法案の強行採決に抗議するデモや集会が行われ、およそ2万5000人が参加しました。また、日本弁護士連合会などさまざまな団体が、抗議の声明を発表しました。

安全保障法制(安全保障関連法案)というのは、
・新法案(1)ー国際平和支援法案
・改正法案(10)ー武力攻撃事態法改正案、周辺事態法→重要影響事態法案、PKO(=国連平和維持活動)協力法改正案、自衛隊法改正案、船舶検査法改正案、米軍行動円滑化法→米軍等行動円滑化法案、海上輸送規制法改正案、捕虜取り扱い法改正案、特定公共施設利用法改正案、国家安全保障会議(NSC)設置法改正案
です。

今の国会の会期は、95日間延長され、9月27日までとなっています。「60日ルール」というのがあって、日本国憲法59条4項に「参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて60日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる」というものです。さらに、日本国憲法第59条2項に「衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で出席議員の3分の2の多数で再び可決したときは、法律となる」という規定があります。与党は、この「60日ルール」を適用することも考えているといわれます。

・磯崎陽輔首相補佐官、参院特別委で、「法的安定性は関係ない」の発言撤回、陳謝、辞任は否定(2015.8.3)

安全保障関連法案をめぐって「法的安定性は関係ない」と発言した磯崎陽輔首相補佐官は、3日の参院特別委員会で、発言を撤回し、陳謝しましたが、辞任は拒否しました。
法的安定性というのは、憲法や法律の内容や解釈を簡単に変えてはいけないという原則のことで、野党側は、これまで歴代政権が集団的自衛権の行使は認められないという憲法解釈を堅持してきたのに、安倍政権は、それを容認すると変えたのは、憲法違反だと主張してきています。
民主党や共産党など野党は、磯崎氏の辞任と安倍首相の任命責任を追及しましたが、4日の参院特別委員会で、安倍首相は、「法的安定性は、我々も説明している通り極めて重要で、磯崎補佐官も十分認識している。今後とも職務を遂行してもらいたい」と述べ、更迭を否定しました。

・ニュースの用語解説

法的安定性というのは、憲法や法律の内容や解釈を簡単に変えてはいけないという原則のことです。言い換えますと、法秩序が明確で安定して適用され、どのような行為にどのような法的効果が結びつくか予見可能な状態を法的安定性(legal certainty)といいます。それには、法律が朝令暮改でないこと、法の解釈適用が一義的で、裁判官や役所の窓口によってさまざまな解釈が行われることのないことなどが条件としてあげられます。
仮に法的安定性が失われているとして裁判になったら、最後は、最高裁判所が判決できめます。また、内閣が法案を国会に出す前には、内閣法制局が、憲法やその他の法律、これまでの法の解釈との整合性などをチェックしています。
法的安定性が現在国会で問題となっているのは、昨年7月安倍内閣が臨時閣議で、これまで使えないとされてきた集団的自衛権を使えるように憲法解釈を変えたことからきています。それを野党や憲法学者は、憲法違反だと批判しています。これに対し、安倍内閣は、過去の最高裁判所の判決や内閣が示した見解に照らして、法的安定性は保たれていると説明しています。
法的安定性が内閣が安全保障関連法案の正統性を主張する根拠なのに、安倍首相に近い磯崎陽輔首相補佐官が「法的安全性は関係ない」とこれを否定するような発言をしたことから問題になったのです。

・政府、沖縄県側と辺野古移設問題で協議、工事1か月中断(2015.8.4)

菅官房長官は、4日の記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市(ぎのわんし))の同県名護市辺野古(なごし・へのこ)への移設問題で、8月10日から9月9日までの1か月間、移設に関わる工事をすべて中断し、沖縄県側と集中的に協議を行うと発表しました。
沖縄県の翁長(おなが)知事が、移設反対の立場から、前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消す方針を固めたことなどを踏まえ、改めて沖縄県側と協議する必要があると判断し、提案したものです。
これを受けて、翁長知事も、協議に応じることになり、工事中断中は、県として新たな法的・行政的手続きは行わないことを表明しました。
辺野古移設問題では、政府は、普天間飛行場撤去の唯一の方法だとして方針は変わらず、一方沖縄県側は、この方針に強く反対し、県外移設を求めており、対立は解けそうもありません。

・ニュースの用語解説

普天間基地は、沖縄本島南部の宜野湾市中心部の人口密集地域にある2700mの滑走路を持つ飛行場で、アメリカ海兵隊が駐屯しています。沖縄のアメリカ軍の拠点の一つです。
1996年日米両国政府は、5~7年の間に普天間基地を日本に返還することで合意しました。ただし、返還は代替施設が運用可能になった後とされ、1997年名護市の辺野古を移転先に決定しました。
2012年日米両国政府は、共同文書を発表し、それに基づいて、現在在日アメリカ軍の再編計画を進めています。計画では、アメリカ海兵隊およそ9000人を国外に移転させる、嘉手納以南5か所にある施設・区域の返還を段階的に進める、これら計画は、普天間基地の返還とは切り離して行うなどとしています。
しかし、2014年11月に行われた沖縄県知事選挙で、最大の争点だったアメリカ軍の普天間基地の名護市辺野古への移設問題で、計画に反対していた前の那覇市長の翁長氏が、自民党などが推薦していた現職の知事の仲井真氏を破って当選しました。
1996年の日米の合意以降、沖縄県知事選挙で辺野古移設反対を掲げる候補が勝利したのは、初めてです。

今回安倍政権が、辺野古の工事を一時中断し、沖縄県側と協議を申し出た背景には、沖縄との対話姿勢をアピールすることによって、安全保障関連法案への「違憲」批判や首相周辺の失言問題で、内閣支持率が低下傾向にあるのをなんとか食い止め、9月の自民党総裁選挙で首相が再選をめざしていることがあげられます。

・安倍首相、アメリカのバイデン副大統領と電話会談、盗聴問題で調査、報告要請(2015.8.5)

安倍首相は、アメリカのバイデン副大統領と電話で会談し、内部告発サイト「ウィキリークス」が、アメリカのNSA=国家安全保障局が日本政府などを盗聴していたと公表したことについて、「事実であれば同盟国の信頼関係を揺るがしかねず、深刻な懸念を表明せざるを得ない」と述べ、事実関係の調査と説明を求めました。
内部告発サイト「ウィキリークス」は、7月31日、アメリカの情報機関のNSA=国家安全保障局が、2006年の第1次安倍政権のころから日本政府や日本企業を対象に盗聴を行っていたと発表しました。
これについて、安倍首相とバイデン副大統領との電話会談は、アメリカ側の要請で、5日およそ30分間行われ、会談内容は、菅官房長官とホワイトハウスから発表されました。
菅官房長官によれば、バイデン副大統領は、「今回の件が日本で大きな議論を呼んでおり、安倍首相と日本政府に迷惑をかけていることは、オバマ大統領ともども大変申し訳なく思っている」と述べ、陳謝したということです。その上で、バイデン副大統領は、「2014年オバマ大統領が出した大統領令を踏まえ、現在アメリカ政府は、日米関係を損なう活動は行っていない。現在直面するさまざまな脅威に鑑み、すでに堅固な日米の協力関係を一層強化していきたい」と述べたということです。
菅官房長官は、記者団からの質問で、バイデン副大統領が2014年より前のアメリカ政府による日本側への盗聴を認めたかどうかについては、「詳細については、事柄の性格から答えることは差し控えたい」と述べるにとどめました。
一方、ホワイトハウスは、バイデン副大統領がアメリカの情報収集活動について、2014年オバマ大統領が発表した方針を安倍首相に説明したとしています。
オバマ大統領は、アメリカ政府によるドイツのメルケル首相ら同盟国や友好国の首脳を標的とした盗聴疑惑が発覚した後、内外からの強い反発を受け、2014年1月アメリカのNSA=国家安全保障局の情報収集活動を見直し、安全保障上、やむをえない場合を除いて、同盟国の首脳の通信は傍受しない方針を明らかにしています。

・ニュースの用語解説

ウィキリークス(Wikileaks)は、内部告発者から入手した各国の政府や企業の不正、機密情報を公開し告発することを標榜する独立系ウェブサイトです。2010年イラク戦争に関するアメリカ軍の機密文書およそ40万点を公開して話題になりました。
匿名を保証した情報提供窓口を持ち、世界に1200人以上いるとされるボランティアが情報を分析し、公表しています。これまでに120万以上の文書を保有しているとされています。

ウィキリークスは、7月31日、アメリカの情報機関であるNSA=国家安全保障局が、少なくとも2007年以降、日本政府や日本企業などを対象に電話を盗聴していたことを公表しました。この中には、内閣府の交換台や官房長官の秘書官、財務省、経済産業省、日本銀行のほか、三菱商事や三井物産のエネルギー部門などが含まれていたということです。
ウィクリークスは、また、盗聴した情報などに基づいてNSAが作成したとする日本の温暖化防止政策や通商交渉に関する機密文書も公表しました。

アメリカ国家安全保障局(NSA=National Security Agency)は、アメリカ国防総省の情報機関として1952年創設され、通信情報の収集や分析を行っています。2013年CIA=アメリカ中央情報局のスノーデン元職員の告発で、インターネット上の個人情報も極秘に集めていたことが明らかになりました。ドイツのメルケル首相らの携帯電話を盗聴していた疑惑も発覚し、大きな外交問題にまで発展し、オバマ政権は、NSAの情報収集活動の見直しを行いました。

(b)日本の経済・貿易

(c)日本の社会

・広島被爆70年(2015.8.6)

広島は、6日、人類史上初めて原爆が投下されてから70年の「原爆の日」を迎え、爆心地近くの平和記念公園で平和記念式典が行われ、過去最多の100か国の代表を含むおよそ5万5000人が参列しました。
広島市の松井一実(かずみ)市長が平和宣言を読み上げ、核兵器の廃絶をめざし、武力に依存しない幅広い安全保障の仕組みを創り出していこうと世界に呼びかけました。
このあと、安倍首相が挨拶し、核兵器のない世界の実現に向け、一層の努力を積み重ねていく決意を表明し、今年秋の国連総会で新たな核兵器廃絶決議案を提出することを明らかにしました。
しかし、安倍首相は、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませないという日本の非核3原則については触れませんでした。首相の式典出席が定例化した1994年以降で3原則に触れなかったのは初めてです。
この式典には、国内の被爆者と遺族のほか、アメリカからはキャロライン・ケネディ駐日大使や核軍縮・不拡散政策担当のローズ・ゴットメラー国務次官、イギリス、フランス、ロシアの駐日大使も参列しました。なお、中国の駐日大使は欠席しました。

・ニュースの用語解説

この式典では、この1年間に亡くなった人や新たに死亡が確認された人、5359人の名前が書き加えられた29万7684人の原爆死没者名簿が原爆慰霊碑に納められました。
また、厚生労働省によりますと、被爆者健康手帳を持っている人は、2015年3月末で18万3519人で、平均年齢は初めて80歳を超え、80.13歳になりました。

(d)国際情勢

・TPP=環太平洋経済連携協定交渉の閣僚会合、大筋合意ならず(2015.7.31)

ハワイで開かれていたTPP=環太平洋経済連携協定交渉の日米など12か国による閣僚会合は、7月31日医薬品や乳製品をめぐる問題で対立したまま、大筋合意には至らず閉幕しました。
TPPの閣僚会合は、7月28日から4日間の予定で、ハワイ州マウイ島が開かれましたが、バイオ医薬品の開発データの保護期間や乳製品の関税の取り扱いなどをめぐって対立し、各国の利害が調整できず、大筋合意に達しませんでした。
12か国の閣僚は、会合後の共同記者会見で、「残る数少ない課題について努力を続け、交渉妥結への道筋をつけたい」との声明を発表し、協議を続ける姿勢を示しましたが、次回の閣僚会合の日程については、まだ決まっていないということです。

・ニュースの用語解説

TPP=Trans-Pacific Partnership (Agreement)は、環太平洋経済連携協定または環太平洋パートナーシップ協定のことです。シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4か国で2006年に発効した貿易協定で、2010年アメリカ、オーストラリア、ペルー、ベトナムを加え、8か国で交渉開始、
マレーシアの交渉参加で9か国に、2012年メキシコ、カナダの交渉参加で11か国、2013年日本の交渉参加で、合わせて12か国になりました。
交渉は、モノやサービスのやりとりを自由化することを原則に、貿易だけでなく、特許など知的財産権の保護や投資などについての共通のルール作りをめざしています。
中でも、経済規模の大きなアメリカと日本の2国間交渉が注目されており、互いの市場開放について歩みよれば、参加国全体の大筋合意に弾みがつくとされていました。しかし、牛肉、豚肉、コメ等の農産物、自動車などの問題をめぐって対立が伝えられていました。
アメリカとしては、来年は大統領選挙など各種の選挙をひかえているため、今回のハワイの閣僚会合で決着をつけたい考えでしたが、アメリカの国内事情で医薬品などで譲歩するのは難しかったこと、ニュージーランドが日米などへ乳製品できびしい要求をつきつけたこと、カナダの総選挙が10月に迫っていて譲歩が難しかったことなどで大筋合意に達することができませんでした。

・ASEAN(東南アジア諸国連合)、一連の関係国との外相会議終える(2015.8.6)

ASEAN(東南アジア諸国連合)10か国は、マレーシアの首都クアラルンプールで、4日10か国の外相会議を開き、5日と6日の2日間にわたって、アメリカ、中国、日本などの関係国と外相会議を行いました。会議の焦点は、南シナ海における中国による大規模な浅瀬埋め立てなど海洋進出をめぐる問題でした。
アメリカは、南シナ海情勢について、「埋め立て」「大規模な建設」「軍事拠点化」の3つすべてを停止すべきだと述べて、中国を強く牽制しました。これに対して、中国は、激しく反論し、中国の行動は、すべて中国の領土境界線の中で行われていると主張しました。
この問題の対応について、ASEAN内部で意見がまとまりませんでした。フィリピン、ベトナムなどは中国を非難し、カンボジアなどは、中国寄りの意見を述べました。4日のASEAN外相会議の共同声明は、6日になって発表され、南シナ海の現状に「深刻な懸念」を表明したものの、中国を名指しせず、「埋め立て」と明示して、「複数の外相から深刻な懸念が示された」とだけ述べています。








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7.過去1か月の重要なニュースのまとめ(2015.7.11) [7.重要なニュース(2015.7.11)]

*2015.7.11の講座のテキスト*(この講座は、原則として「やさしいニュース英語サロン」で取り上げたニュースは、略しますので、同名のブログをご覧ください。

過去1か月の重要なニュース(2015.6.14~2015.7.11)

・改正公職選挙法成立、選挙権年齢を20歳以上から18歳以上に引き下げる、来年夏の参議院選挙か ら適用(2015.6.17)
・トヨタ・アメリカ国籍女性役員、麻薬密輸容疑で逮捕(2015.6.18)
・UNHCR=国連難民高等弁務官事務所、難民に関する報告書発表、世界の難民約6000万人、昨年1 年間だけで830万人増加、過去最多(2015.6.18)
・アメリカ国務省、2014年のテロ年次報告書を発表、過激派組織「IS=イスラム国」の台頭などでテ ロによる死者数が、前年比8割増の3万2727人、人質の数が、前年比3倍以上の9428人に上る(2015.6.19)
・日韓外相会談、東京で開催、世界遺産登録問題で協力で一致(2015.6.21)
・日韓国交正常化50周年、両国で式典、安倍首相は東京で、パク・クネ大統領はソウルで挨拶(2015.6.22)
・国会の会期、戦後最長の95日延長し9月27日まで、安保関連法の成立目指す(2015.6.22)
・戦後70年、沖縄で「慰霊の日」、沖縄県知事、普天間の辺野古への移設計画中止要求(2015.6.23)
・株価、ITバブル超え、東京市場で日経平均株価の終値が2万0868円03銭と18年半ぶりの高値(2015.6.24)
・五輪担当相に自民党の遠藤利明氏(2015.6.25)
・フランス、チュニジア、クウェートでテロ、イスラム過激派の犯行か(2015.6.26)
・米連邦最高裁、同性婚、憲法で保障の判決(2015.6.26)
・報道機関批判問題で自民党青年局長更迭(2015.6.27)
・アジアインフラ投資銀行(AIIB)設立協定署名式、北京で、50か国署名(2015.6.29)
・新幹線で焼身自殺(2015.6.30)
・ギリシャ、IMF=国際通貨基金融資の返済期限切れ、EU=欧州連合の金融支援も失効(2015.6.30)
・米・キューバ国交回復、54年ぶり(2015.7.2)
・安倍首相、岸田外相、北朝鮮が拉致被害者など日本人行方不明者の再調査の報告延期を通告と発 表(2015.7.3)
・ユネスコの世界遺産委員会、「明治日本の産業革命遺産」を世界文化遺産に登録(2015.7.5)*
・ギリシャで国民投票、EU=欧州連合の財政緊縮策に反対、シプラス首相勝利宣言(2015.7.5)
・2020年東京オリンピックの新国立競技場の工費2520億円決定(2015.7.7)*
・京都、「世界の魅力的な都市」ランキング2年連続世界1位(2015.7.7)*
・米・ベトナム首脳会談、ワシントンで(2015.7.7)
・中ロ首脳会談、ロシア中部のウファで(2015.7.8)*
・BRICS(=Brazil, Russia, India, China & South Africa)首脳会議、ロシア中部のウファで
 (2015.7.9)*
・中国の株式市場急落で政府異例の介入(2015.7.9)
・ギリシャ、財政改革案をEU=欧州連合に提出(2015.7.9)*
・TPP交渉の日米事務レベル協議、東京で終わる(2015.7.10)*
・「上海協力機構」首脳会議、ロシア中部のウファで(2015.7.10)*
・中国、9月3日の抗日戦争勝利記念行事に安倍首相を正式招待(2015.7.10)*
・東芝不適切会計問題で、田中久雄社長引責辞任へ(2015.7.11)

(a)日本の政治・外交・防衛)

(b)日本の経済・貿易

・TPP=環太平洋経済連携協定交渉の日米事務レベル協議、東京で終わる(2015.7.10)

TPP=環太平洋経済連携協定交渉の日米事務レベル協議は、10日東京で2日間の日程を終えました。アメリカ産の主食用コメの輸入拡大とアメリカが日本製の自動車と自動車部品にかけている関税の撤廃を中心とした懸案について、一定の進展があり、着地点が見えてきたと伝えられています。日米両政府としては、今月28日からハワイで開かれる交渉参加12か国による閣僚会合の直前まで調整を続け、最終合意にこぎつけたい考えだといわれます。

・ニュース用語の解説

TPP=Trans-Pacific Partnership (Agreement)は、環太平洋経済連携協定または環太平洋パートナーシップ協定のことです。シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4か国で2006年に発効した貿易協定で、2010年アメリカ、オーストラリア、ペルー、ベトナムを加え、8か国で交渉開始、
マレーシアの交渉参加で9か国に、2012年メキシコ、カナダの交渉参加で11か国、2013年日本の交渉参加で、合わせて12か国になりました。
交渉は、モノやサービスのやりとりを自由化することを原則に、貿易だけでなく、特許など知的財産権の保護や投資などについての共通のルール作りをめざしています。
中でも、経済規模の大きなアメリカと日本の2国間交渉が注目されており、互いの市場開放について歩みよれば、参加国全体の大筋合意に弾みがつくとされています。しかし、牛肉、豚肉、コメ等の農産物、自動車などの問題をめぐって対立が伝えられています。
全体の交渉が妥結すれば、GDP=国内総生産の合計は、世界の4割近くになります。

(c)日本の社会

・2020年東京オリンピックの新国立競技場の工費2520億円に決定(2015.7.7)

2020年東京オリンピック・パラリンピックの主な会場になる新国立競技場(東京都新宿区)について、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)は、7日、着工費2520億円の建設計画で工事をすすめることを決めました。これは、東京都内で開いた有識者会議で計画を報告し了承されたためです。
JSCとしては、大手ゼネコンと契約を結び、今年10月に着工、2019年5月に完成を予定しています。
東京都の舛添要一知事は、工費の東京都の分担について、下村博文・文部科学相やJSCへの批判を繰り返してきましたが、態度を一変させ、計画を容認しました。

・ニュース用語の解説

新国立競技場の計画については、2012年11月国際コンペで公募46点の中からイラク出身の建築家ザハ・ハディド氏(64)の案が選ばれました。2013年9月のIOC=国際オリンピック委員会の総会で、このアーチ2本で建物を支える特殊なデザインの競技場を造ることで東京オリンピックをアピールしました。その後総工費が3000億円を超えるという試算が出て規模を見直しました。その結果、開閉式屋根の設置は、オリンピック後に先送りする、可動席を仮設にし、空調設備も一部見直しをおこなったため、今回了承された実施設計段階では、目標工事費が2520億円になりました。
しかし、財源をどうするかが問題で、現在確定しているのが、国費392億円、スポーツ振興基金125億など620億円程度で、まだ未定の部分が極めて多額にのぼっており、大きな課題になっています。

・京都、「世界の魅力的な都市」ランキング2年連続で世界第1位(2015.7.7)

世界的な影響力があるとされるアメリカの大手旅行雑誌が選ぶ「世界の魅力的な都市」の今年のランキングで、京都が、昨年に引き続き2年連続で1位に選ばれました。
大手旅行雑誌「Travel+Leisure(トラベル・アンド・レジャー)」は、発行部数およそ100万部の月刊誌で、毎年この時期に、読者からの投票で選ばれた「世界の魅力的な都市」を10位までランキングで発表しています。
7日に発表された今年のランキングでは、昨年に引き続き、京都が2年連続で1位に選ばれました。
2位には、アメリカのサウスカロライナ州で最古の都市チャールストン、3位に世界遺産のアンコールワット遺跡のあるカンボジアのシェムリアップ、4位にはイタリアのフィレンツェ、5位はローマとなっています。
今年のランキングは、「文化・芸術」「レストラン・食べ物」など、6つの項目の総合評価で選ばれました。

・ニュースの用語解説

「Travel+Leisure」の「World's Best Awards」は、以下の通り、
①京都(日本)91.22点、②チャールストン(アメリカ)89.84点、3位シェムリアップ(カンボジア)89.57点、④フィレンツェ(イタリア)89.43点、⑤ローマ(イタリア)88.99点、⑥バンコク(タイ)88.91点、⑦クラクフ(ポーランド)88.69点、⑧バルセロナ(スペイン)88.59点、⑨ケープタウン(南アフリカ)88.27点、⑩エルサレム(イスラエル)88.18点

(d)国際情勢

・中ロ首脳会談、ロシア中部ウファで(2015.7.8)、BRICS首脳会議、ロシア中部ウファで(2015.7.9)、「上海協力機構」首脳会議、ロシア中部ウファで(2015.7.10)、中国、9月3日の抗日戦争勝利記念行事に安倍首相を正式招待(2015.7.10)

ロシアのプーチン大統領は、中国の習近平国家主席とともに、BRICSや「上海協力機構」の首脳会議をロシア中部のウファで開き、欧米抜きの陣営の結束強化を誇示しました。
まず、プーチン大統領と習国家主席は、一連の首脳会議に先立って、8日、中ロ首脳会談を開きました。会談では、中国が推進する「2つのシルクロード経済圏」構想とロシアが主導する「ユーラシア経済連合」の統合について協議したと伝えられています。

9日には、ロシア、中国、インド、ブラジル、南アフリカの新興5か国で作るBRICS首脳会議を開き、BRICS開発銀行の発足を歓迎しウクライナ危機に関する停戦合意の完全履行を求める「ウファ宣言」を採択しました。

10日には、「上海協力機構」の首脳会議を開き、現在の中国、ロシア、カザフスタン、タジキスタン、キルギス、ウズベキスタンの6か国の加盟国に加えて、オブザーバーのインドとパキスタンの加盟手続きを開始することを盛り込んだ「ウファ宣言」を採択しました。来年にも正式加盟する見通しです。

ロシアは、クリミア半島併合でG8=主要国首脳会議から追放され、ウクライナ問題で経済制裁を受けていることから、今回の首脳会議を通じて、欧米抜きの陣営の結束を図ったものとみられます。

これら一連の会議が開かれていたロシア中部のウファで、中国の程国平外務次官は、10日、9月3日北京で開く抗日戦争勝利記念行事に、安倍首相を正式に招待したことを明らかにしました。


・ギリシャ、財政改革案をEU=欧州連合に提出(2015.7.9)

ギリシャは、9日、EU=欧州連合による金融支援再開の前提となる財政改革案をEU側に提出しました。
今回の改革案は、付加価値税(日本の消費税に相当)を13%から23%に引き上げる、年金について早期退職の縮小や受給開始年齢の引き上げを行う、軍事費の削減額をこれまでの案の2億ユーロから3億ユーロに上積みするなどの内容で、EUがギリシャに求めた財政改革案に近いものになっています。
ギリシャは、こうした財政改革案を実施する見返りとして、2018年6月末までの3年間で535億ユーロ、日本円にして約7.2兆円の支援を求めています。
ギリシャの財政改革案については、ユーロ圏の財務相会議を経て12日に開かれるEUの首脳会議で協議される予定ですが、最大の支援国ドイツを中心にギリシャに厳しい改革を求める声が強く、EU各国が改革案を受け入れるかどうか注目されます。

・ニュース用語の解説

ギリシャでは、2009年財政赤字の粉飾が発覚し、債務(借金)危機に陥り、南欧にも波及しました。EU=欧州連合やIMF=国際通貨基金は、厳しい緊縮策と引き換えに、2010年5月からギリシャへの金融支援を実施しました。現行の金融支援プログラムは、6月30日で期限切れになりました。ギリシャは、この支援がなくなったため、30日に返済期限を迎えるIMFからの融資15億ユーロ、日本円にして約2000億円を返せなくなったほか、7月にはECB=欧州中央銀行が持つ巨額の国債の償還も滞ってしまい、債務危機は一層深刻化する恐れが高まっています。
ギリシャとEUの間の債務問題をめぐる交渉は、難航しています。ギリシャの緊縮政策のための年金改革、日本の消費税にあたる付加価値税、防衛費など財政構造改革などをめぐって対立しています。1日明らかになったところによると、ギリシャのチプラス首相は、30日EUやIMFのトップに書簡を送り、EU側が求める財政改革案をほぼ受け入れるが年金カットや付加価値税の見直しの緩和など一部で条件をつけたといわれています。しかし、EU側は、チプラス政権に対する不信感が強く、「遅すぎる」として、拒否を決定、5日の国民投票が終わるまでギリシャとの話し合いは行わないことになりました。
5日行われた国民投票は、EUなどが金融支援の条件としている財政緊縮策を受け入れるかどうかを問うものでしたが、反対が61.31%、賛成が38.69%で、反対が賛成を大きく上回りました。
これを受けて、ギリシャは、EUからの金融支援再開をめざして、その前提となる新しい財政改革案を9日EU側に提出しました。

・ユネスコの世界遺産委員会、「明治日本の産業革命遺産」を世界文化遺産に登録(2015.7.5)

国連のユネスコの世界遺産委員会は、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」を世界文化遺産に登録することを決めました。
これは、ユネスコ=国連教育科学文化機関の世界遺産委員会が5日ドイツのボンで開かれていた会議で決めたもので、登録が決まったのは、福岡県の八幡製鉄所や長崎県の三菱長崎造船所など九州の5つの県と山口、岩手、静岡の各県にある合わせて23の資産で、西洋で起きた産業化が非西洋国家の日本に伝わり、初めて成功した例として歴史的な価値が認められました。
この登録をめぐっては、韓国側が一部施設で朝鮮半島出身者が強制労働させられたと主張し、初めは反対していましたが、日本と韓国の政府間で協議を続けた結果、日本側が強制性を認め、決着したものです。
今回の決定で日本にある世界遺産は、文化遺産が15、自然遺産が4の合わせて19件になります。

・ニュース用語の解説

世界遺産は、人類共通の有形の財産として後世に伝えるため、世界遺産条約に基づいて、ユネスコ=国連教育科学文化機関が登録するもので、文化遺産、自然遺産、複合遺産の3種類があります。人類全体に共通した重要な価値があることに加え、保護される環境が十分整っていることが登録の条件です。
「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に正式に登録されましたので、日本の世界文化遺産登録は、おととしの「富士山」、昨年の「富岡製糸場と絹産業遺産群」に続いて3年連続になります。


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6.過去1か月の重要なニュースのまとめ(2015.6.13) [6.重要なニュース(2015.6.13)]

*2015.6.13の講座のテキスト*(この講座には、原則として「やさしい英語サロン」で取り上げたニュースは、略しますので、同名のブログをご覧ください)

過去1か月の重要なニュース(2015.5.10~2015.6.12)

・米国防総省、新型輸送機CV22オスプレイ10機を2017年~2021年に横田基地に配備と発表(2015.5.11)
・朝鮮総連議長の次男ら、北朝鮮からのマツタケ不正輸入事件で逮捕、容疑を否認(2015.5.12)
・韓国情報機関、北朝鮮の人民武力相を処刑と国会で報告(2015.5.13)
・政府、安全保障法制の関連法案を閣議決定、安倍首相記者会見(2015.5.14)国会提出(2015.5.15)*
・米中外相会談、北京で、南シナ海問題で平行線(2015.5.16)
・米、シリアに特殊部隊投入、過激派組織「イスラム国」(IS)幹部殺害、妻拘束(2015.5.16)
・過激派組織「イスラム国」(IS)、イラクの主要都市ラマディ制圧(2015.5.17)
・米海兵隊のオスプレイ、ハワイで着陸失敗炎上、1人死亡、21人けが(2015.5.17)
・「大阪都構想」、住民投票で否決、橋下市長、政界引退を表明(2015.5.17)
・辺野古移設反対の沖縄県民大会、3万5000人参加して那覇で開催(2015.5.17)
・浅田真央選手、現役続行発表(2015.5.18)
・自動車部品大手のタカタ、エアバッグの欠陥認め、全米で約3400万台リコール(回収・無償修  理)ー米運輸省発表ー、米国市場最大のリコール(2015.5.19)
・原子力規制委、四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)「新規制基準」に適合と発表、3例目(2015.5.20)
・1~3月期のGDP=国内総生産速報値、年率で2.4%増、2期連続プラス(2015.5.20)
・日本動物園水族館協会、追い込み漁で捕獲のイルカ入手禁止(2015.5.20)
・過激派組織「イスラム国」(IS)による邦人人質事件で、政府の検証委員会、政府の対応誤りな  いと報告書発表(2015.5.21)
・OECD=経済協力開発機構、所得格差で報告書発表、平均9.6倍、日本は10.7倍(2015.5.21)
・NPT=核拡散防止条約の再検討会議、決裂(2015.5.22)
・安倍首相、太平洋・島サミットで、550億円の支援表明(2015.5.23)
・中国の習近平国家主席、日本の訪中団と会見、「歴史の歪曲許さず」、日中の友好推進強調(2015.5.23)
・中国政府、国防白書発表、南シナ海などで権益防護を強調(2015.5.26)
・安全保障法制関連法案、衆議院で審議入り(2015.5.26)*
・大相撲夏場所で初優勝の照ノ富士(23)モンゴル出身、大関昇進(2015.5.27)
・原子力規制委、九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)の審査終了、1号機7月、
 2号機9月に再稼働へ(2015.5.27)
・米司法省、FIFA=国際サッカー連盟の副会長2人を含む14人を組織的不正などで起訴(2015.5.27)
・鹿児島県屋久島町口永良部島(くちのえらぶじま)の新岳(しんだけ)噴火、噴火警戒レベル5で
 全島民137人島外に避難(2015.5.29)
・FIFA=国際サッカー連盟のゼップ・ブラッター会長(79)5選、任期は、2019年までの4年間(2015.5.29)辞意表明(2015.6.2)
・米政府、対キューバ「テロ支援国家」指定を33年ぶりに解除(2015.5.29)
・中国、韓国両政府、FTA=自由貿易協定に調印(2015.6.1)
・日本年金機構、125万件の個人情報流出と発表(2015.6.1)
・中国の長江で456人を乗せた客船転覆、生存者14人(2015.6.1)
・那覇空港で自衛隊のヘリコプターの誤認で民間機2機が絡む事故寸前のトラブル(2015.6.3)
・憲法審査会で3人の参考人の憲法学者全員が、安全保障法制は違憲と発言(2015.6.4)
・韓国でMERS=中東呼吸器症候群コロナウィルスの感染で感染者41人、うち死者4人、隔離1600人 に(2015.6.5)
・厚生労働省、2014年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数)1.42で前年を0.01ポ イント下回る、9年ぶりの低下と発表 (2015.6.5)
・安倍首相、2016年の日本での主要国首脳会議(サミット)を三重県志摩市で開催、伊勢志摩サ  ミットと発表(2015.6.5)
・文部科学省、2019年度から全国の中学3年生に英語の新テストを導入と発表(2015.6.5)
・トルコの総選挙で与党過半数割れ、強い大統領制にノー、クルド系政党躍進(2015.6.7)
・G7サミット=先進7か国首脳会議閉幕、安倍首相記者会見(2015.6.8)*
・1~3月実質GDP=国内総生産改定値、年率3.9%増に上方修正(2015.6.8)*
・政府、安保法制違憲指摘に反論見解(2015.6.9)
・東京海上、米保険会社HCCを買収、9400億円で国内の保険会社の海外事業買収としては過去最大(2015.6.10)*
・米、イラク前戦へ増派(2015.6.10)*
・韓国のMERS=中東呼吸器症候群コロナウイルスの感染者138人、死者14人、隔離3400人(2015.6.13)*
・中国の前の最高幹部の周永康氏、収賄罪などで無期懲役の判決(2015.6.11)
・米下院、TPA=貿易促進権限法案、来週再投票へ(2015.6.12)*

(a)日本の政治・外交・防衛

・安保法制、衆議院で論戦(2015.5.15~)

政府は、5月15日、安全保障法制の関連法案を国会に提出しました。政府は、すでに14日閣議決定しており、この問題の焦点は、後半国会の論戦に移りました。
これらの法案は、集団的自衛権の行使などを盛り込んだ安全保障法制の関連法案で、これによって、戦後日本の安全保障政策は、大きな転換点を迎え、自衛隊の活動範囲は海外に拡大することになります。
関連法案は、自衛隊法など既存の法律10本の改正案をひとくくりにした「平和安全法制整備法案」と多国籍軍への後方支援を随時可能にする新たな恒久法の「国際平和支援法」の2本立てです。
関連法案は、焦点の集団的自衛権の行使については、「わが国と密接な関係にある他国への武力攻撃により、わが国の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」を「存立危機事態」と位置づけ、他に適当な手段がない場合に限り、自衛隊が武力行使できるようにすると定めています。
また、日本の平和と安全に影響を与える事態を「重要影響事態」と位置づけ、周辺事態法を改正して「重要影響事態法」とし、その際に行うアメリカ軍などの外国軍隊への後方支援には地理的な制約がないことを明確にするとしています。
一方、国際社会の平和と安全を脅かす事態に対処する外国軍隊への後方支援は、これまでのようにそのつど特別措置法を制定しなくても対応できるように「国際平和支援法」という新法を恒久法として定めています。
そして、新法に基づいて自衛隊を派遣する際には、例外なく国会での事前承認を義務づけ、首相が国会に承認を求めてから衆参両院はそれぞれ7日以内に議決するようつとめなければならないとしています。
政府は、また、武力攻撃に至らない、いわゆる「グレーゾーン事態」に迅速に対応するため、自衛隊出動の承認を電話での閣議で可能にすることにしました。この対象となるのは、武装集団による離島上陸、日本領海で国際法に抵触する外国軍艦の航行、公海上での日本籍の民間船舶に対する侵害行為の3つのケースです。
政府・与党としては、安全保障法制の関連法案については、6月24日までの国会の会期を大幅に延長しても今の国会での成立を目指す方針で、後半国会の最大の焦点になるものとみられています。

安倍首相は、閣議後の記者会見で、安全保障の法整備によって、日米同盟の抑止力はさらに高まり、日本が攻撃を受ける可能性は一層なくなっていくと強調するとともに、アメリカの戦争に巻き込まれることは絶対にありえないと述べ、法整備に理解を求めました。

一方、戦後日本の安全保障政策の大きな転換となる安全法制の関連法案に反対する人たちが、東京の首相官邸前で抗議集会を開きました。
この抗議集会には、主催者の発表でおよそ500人が参加し、「戦争ができる法律はいらない」とか「憲法9条を守れ」などと訴えていました。

・ニュースの用語解説

・集団的自衛権の行使容認

政府は、2014年7月1日臨時閣議を開き、自分の国が攻撃されていなくても密接な関係にある国への攻撃を阻止する集団的自衛権の行使を認めるため、憲法解釈の変更を決定しました。これは、1954年の自衛隊発足以来、専守防衛を基本方針としてきた日本の安全保障政策を大きく変えるものです。
国連憲章第51条は、個別的自衛権と集団的自衛権の両方を認めています。個別的自衛権というのは、ある国家がほかの国家から武力による攻撃を受けた場合に自らを防衛する権利のことです。集団的自衛権というのは、ある国家が武力による攻撃を受けた場合、その国と同盟国が共同で防衛にあたる権利のことです。
これまで、日本政府は、日本の場合は、個別的自衛権の行使は認められているが、集団的自衛権については、法律上では、認められているが、その行使は、国の交戦権は認めないという憲法第9条の下では、認められないという見解をとってきました。この見解は、1981年の政府答弁書に記されて以来、30年以上にわたって堅持されてきました。
しかし、2014年7月の閣議決定で、政府は、日本を取り巻く安全保障の環境が変化し続けている状況を踏まえれば、今後、ほかの国に対する武力攻撃であっても、その目的や規模、態様などによっては、日本の存立を脅かすことも現実に起こり得るとして、武力行使が必要だとしました。
そのうえで、政府は、武力行使の新たな3要件に基づき、「日本と密接な関係にあるほかの国に対する武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に、必要最小限度の実力を行使するのは、自衛の措置として憲法上許容されると判断するに至った」として、これまでの憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認するとしました。

・安全保障法制の関連法案

 1. 国際平和支援法案(新法)
 2. 平和安全法制整備法案(現行10法を改正する一括法)
 ①自衛隊法改正案ー在外邦人の救出や米艦防護可能に
 ②国連平和維持活動(PKO)協力法改正案ーPKO以外にも自衛隊による海外での復興支援活動を可  能に
 ③周辺事態法→重要影響事態法案ー日本のために活動する米軍や他国軍を地球規模で支援
 ④船舶検査法改正案ー重要影響事態で日本周辺以外での船舶検査可能に
 ⑤武力攻撃事態法改正案→武力攻撃・存立危機事態法ー集団的自衛権の行使要件を明記
 ⑥米軍行動円滑化法→米軍等行動円滑化法案ー存立危機事態での米軍や他国軍への役務提供を追  加
 ⑦特定公共施設利用法改正案ー武力攻撃事態で米軍以外の他国軍も港湾や飛行場などを利用可能  に
 ⑧海上輸送規制法改正案ー存立危機事態での外国軍用品の海上輸送規制を追加
 ⑨捕虜取り扱い法改正案ー存立危機事態での捕虜の取り扱いを追加
 ⑩国家安全保障会議(NSC)設置法改正案ーNSCの審議事項に存立危機事態などへの対処を追加


(b)日本の経済・貿易

・1~3月実質GDP=国内総生産改定値、3.9%増に上方修正(2015.6.8)

今年1月から3月までのGDP=国内総生産の改定値は、物価変動の影響を除いた実質で、年率に換算してプラス3.9%となり、速報値のプラス2.4%より大幅に上方修正されました。
プラス成長は、2四半期連続のことです。
内閣府が8日発表したところによりますと、今年1月から3月までのGDP=国内総生産の改定値は、物価変動の影響を除いた実質の伸び率で、前の3か月に比べてプラス1.0%となりました。これを年率に換算しますと、プラス3.9%となり、先月発表された速報値のプラス2.4%から大幅に上方修正されました。
これは、企業の設備投資が卸売業、小売業、サービス業などで拡大し、速報値のプラス0.4%からプラス2.7%に上方修正されたことなどによるものです。
内閣府では、「設備投資が増えてきたのは、景気にとって良い流れだ」とみています。

・ニュースの用語解説

GDP(=Gross Domestic Product)は、国内総生産のことで、その国の経済力を示す指標になっています。GDPは、一定期間に国内で作りだされたモノやサービスの付加価値の合計額のことで、その増減率が経済成長率と呼ばれています。
GDP改定値というのは、GDPの速報値発表からおよそ1か月後に、法人企業統計などの結果を反映して数値を修正した統計で、設備投資や公共投資などが見直され、GDP全体が大きく修正されたり、過去にさかのぼって数値が変わったりする場合があります。

・東京海上、米保険会社HCCを買収(2015.6.10)

東京海上ホールディングスは、10日、アメリカの保険会社HCCインシュアランス・ホールディングスを買収すると発表しました。
買収額は、約75億ドル(約9400億円)に上り、国内の保険会社による海外事業の買収としては過去最大だということです。
東京海上は、HCC社の全株式を取得し、年内に買収を完了する予定です。
HCC社は、アメリカのテキサス州ヒュ-ストンに本拠を置き、売上高にあたる収入保険料は、2014年約30億ドル(約3750億円)で、アメリカやイギリス、スペインなどで事業を展開し、会社役員賠償責任保険や航空保険、農業保険など「スペシャルティー保険」と呼ばれる専門性の高い保険を100種類以上販売しています。東京海上が扱っている商品と重複が少ないことから、買収による相乗効果が高いと判断したためとみられています。
東京海上は、今回の買収で、全体の利益に占める海外事業の割合は、38%から46%に増える見込みだということです。

・ニュースの用語解説

東京海上は、各社に先駆けて、海外保険会社の大型買収を手掛けてきました。2008年アメリカのフィラデルフィアを4987億円で買収、2011年アメリカのデルファイを2050億円で買収、そして今回のアメリカのHCCを9400億円で買収するなどです。
この背景には、ここ数年雪害や風水害などの被害に伴う保険金の支払い、若者の車離れと高齢者の事故増で自動車保険の収支悪化などで国内市場の縮小し、海外展開が加速している現象があります。

(c)日本の社会

・ニュースの用語解説

(d)国際情勢

・G7サミット=先進7か国首脳会議閉幕、安倍首相記者会見(2015.6.8)

ドイツ南部のエルマウで開かれていたG7サミット=先進7か国首脳会議は、8日、2日間の討議を終え、中国やロシアを念頭に、力による領土の現状変更の試みを批判する首脳宣言を採択して閉幕しました。
サミットには、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、それに日本の首脳が出席して開かれていたもので、最終日に発表された首脳宣言は、中国を名指しすることは避けながらも、東シナ海や南シナ海での緊張に懸念を表明し、「大規模な埋め立てを含む、現状の変更を試みるいかなる一方的な行動にも強く反対する」と述べています。
また、ウクライナ情勢については、首脳宣言は、「ロシアによるクリミヤ半島の違法な併合への非難、ウクライナ東部における紛争の外交的解決を見出す努力への完全な支持を改めて表明する」としたうえで、「すべての当事者に停戦および重火器の撤去の完全な尊重と履行を改めて呼びかける」としています。
そして、ロシアに対する制裁について、ウクライナ危機をめぐる停戦合意の完全履行がない限り、制裁は継続する方針を示しました。
首脳宣言は、地球温暖化対策について、世界全体の温室効果ガスを2050年までに2010年に比べて40%から70%削減するという努力目標を掲げています。

安倍首相は、サミット終了後記者会見し、来年三重県で開かれるサミットについて、「議長国として、サミット参加国が世界の課題に対応していくうえで結束が必要であることを主張し、議論をリードしていきたい」と述べました。
来年のサミットにロシアの参加を求めるかどうかについて、「ウクライナ情勢の現状に鑑みると、現時点ではロシアを含めたG8で意味のある議論を行えるとは考え難い。しかし同時にシリアの問題、イランの核開発の問題、北朝鮮の問題などについて、ロシアの建設的な関与も必要だという認識は、今回のサミットでも多くの首脳が共有していた」と述べました。
安倍首相は、「私は、プーチン大統領との対話を続けていく考えだ」と述べ、「北方領土問題を前進させるため、プーチン大統領の日本訪問を年内の適切な時期に実現したいという考えを示しました。

・ニュースの用語解説

主要国首脳会議(サミット)は、G7(Group of Seven)またはG8(Group of Eight)のことで、G7は、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、日本が参加国、G8は、G7+ロシアが参加国。
第1回は、1975年、石油危機後の不況やインフレに対応するため、フランスのジスカール・デスタン大統領の呼びかけで、パリ郊外のランブイエ城で、開かれました。この時の参加国は、フランス、アメリカ、イギリス、西ドイツ(現ドイツ)、イタリア、日本の6か国。翌1976年の第2回からカナダが参加。EU=欧州連合(旧EC=欧州共同体)が、1977年の第3回オブザーバー参加、翌1978年の第4回から正式参加。ロシアは、1994年の第20回から政治参加、1997年第23回から経済協議を除く議論に参加、2003年の第29回から全ての日程に参加。
2014年開催予定地はロシア南部のソチでしたが、ロシアがウクライナ南部のクリミアを編入したため、ロシアへの制裁として先進7か国(G7)が3月オランダのハーグで緊急首脳会議を開き、ソチの首脳会議をボイコットし、ロシアの8か国首脳会議(G8)への参加停止を決めました。今回のドイツでの首脳会議も、ロシアの参加は停止されたままで、先進7か国(G7)だけで開かれました。

・米下院、TPA=貿易促進権限法案、来週再投票へ(2015.6.12)

TPP=環太平洋経済連携協定の交渉妥結に不可欠とされる、アメリカ政府に強力な交渉権限を与えるTPA=貿易促進権限法案の採決が、12日アメリカ議会の下院本会議で行われ、法案は賛成多数で可決されましたが、併せて可決する必要のあった関連法案が否決され、来週再投票が行われることになりました。
TPA法案は、先月上院で可決されていて、下院も12日賛成219票、反対211票で可決されました。しかし、併せて審議されていた,TPPなど自由貿易の影響で失業した人たちなどを支援する関連法案が、賛成126票、反対302票で否決されました。与党の民主党の多くの議員が審議が不十分だとして反対したため否決されたものです。
2つの法案は、セットで併せて可決する必要があったため、来週改めて再投票を行うことになりました。
これらの法案をめぐっては、下院では、与党の民主党の多くの議員は、TPPで国内の雇用が失われかねないとして反対し、多数を握りTPPに積極的な野党の共和党も、一部議員がオバマ大統領に強大な権限を与えることに反発していました。
オバマ大統領は、今後も与党の議員らに協力を呼びかけることにしており、アメリカだけでなくTPPの他の参加国も、TPP交渉の今後の行方に影響を与えるアメリカ議会の動向に注目しています。

・ニュースの用語解説

TPP=Trans-Pacific Partnership (Agreement)は、環太平洋経済連携協定または環太平洋パートナーシップ協定のことです。シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4か国で2006年に発効した貿易協定で、2010年アメリカ、オーストラリア、ペルー、ベトナムを加え、8か国で交渉開始、
マレーシアが交渉参加で9か国に、2012年メキシコ、カナダが交渉参加で11か国、2013年日本が交渉参加で、合わせて12か国になりました。
交渉は、モノやサービスのやりとりを自由化することを原則に、貿易だけでなく、特許など知的財産権の保護や投資などについての共通のルール作りをめざしています。
中でも、経済規模の大きなアメリカと日本の2国間交渉が注目されており、互いの市場開放について歩みよれば、参加国全体の大筋合意に弾みがつくとされています。しかし、牛肉、豚肉、コメ等の農産物、自動車などの問題をめぐって対立が伝えられています。
全体の交渉が妥結すれば、GDP=国内総生産の合計は、世界の4割近くになります。

・TPA=Trade Promotion Authorityは、貿易促進権限というのは、アメリカ議会が政府に与える強力な交渉権限のことで、アメリカでは、外国とTPPなどの通商交渉を進める権限は、議会が握っていますが、大統領に大幅な権限を与えることで、迅速な交渉を可能にするのがねらいです。
権限があたえられると、アメリカ政府と外国政府の間で合意した協定の具体的な内容を議会があとから覆して、変更を迫ることが制限されます。
今回のTPP交渉で、参加各国は、アメリカ政府がこの権限をもたないうちは妥結を目指した思い切った協議に臨むことができないとして、アメリカに速やかな法案可決を求めてきました。

・韓国でMERS=中東呼吸器症候群コロナウイルスの感染拡大(2015.6.13)

韓国でMERS=中東呼吸器症候群コロナウイルスの感染者が130人を越え、これに対応するため、パク・クネ大統領は予定していたアメリカ訪問を延期しました。
韓国の保健福祉省が13日発表したところによりますと、重い肺炎などを引き起こすMERSコロナウイルスの感染が最初に確認されてから3週間あまりで、感染者は、これまでで138人になり、このうち14人が死亡しています。
そして、感染者に接触した人など、これまで合わせておよそ3400人が自宅や医療機関に隔離されているということです。
韓国大統領府は、10日、パク・クネ大統領は、感染拡大への対応のため、14日から18日まで予定していたアメリカ訪問を延期したと発表しました。

・ニュースの用語解説

中東呼吸器症候群=MERS(=the Middle East Respiratory Syndrome)コロナウイルスによる感染症は、2012年に初めて確認され、サウジアラビアなど中東で広がった感染症です。せきやくしゃみなどを通じて感染し、感染すると2~14日程度で、発熱やせきなどの症状が出ます。重い肺炎など重症化しやすいといわれ、特に糖尿病などの持病がある人は重症化する傾向があるといわれています。ワクチンや治療薬はありません。ヒトコブラクダが感染源とみられています。
今回韓国では、先月サウジアラビアなどに滞在して帰国した男性が感染したことが確認され、この男性と接触した人の間で広がりました。感染した場所は医療機関内部だといわれています。

・米、イラク前戦へ増派(2015.6.10)

イラクで、過激派組織「IS=イスラム国」が先月制圧した中西部の主要都市ラマディを奪還するため、アメリカは、イラク政府の治安部隊の訓練を強化する目的で、アメリカ軍450人を追加派遣することになりました。
これは、ホワイトハウスが10日発表したもので、戦闘には従事しないということです。
ラマディは、イラクのアンバル州の州都で、首都バグダッドの西およそ100キロのところにあり、アメリカ軍が追加派遣されるのは、タカダム基地で、ラマディからおよそ35キロのところに位置しています。タカダム基地は、アメリカ軍の拠点で、この追加派遣によって、イラクのアメリカ軍は、3550人になります。
アメリカ軍とイラク政府軍は、これまで「IS=イスラム国」が1年前に制圧した北部の大都市モスルを当面の奪還目標にしていましたが、これによって、目標をモスルからラマディに変え、戦略の修正を余儀なくされた形になりました。

・ニュースの用語解説

ラマディは、イラクのアンバル州の州都で、首都バグダッドの西方およそ100キロにあり、国のほぼ中央に位置する戦略上の要所。アンバル州は、イラク最大の州で、中西部の砂漠地帯に広がり、シリア、ヨルダン、サウジアラビアと国境を接しています。アンバル州は、過激派組織「IS=イスラム国」の勢力が強い地域で、「IS=イスラム国」は、5月17日インターネットを通じて声明を発表し、ラマディ全域の制圧を宣言しました。

アメリカ国防総省は、今回のイラクへの増派について、アメリカ軍は、これまでの任務を変更するものではないと述べて、空爆作戦とイラク治安部隊への訓練に限ってきた従来の方針は堅持すると強調しています。アメリカ軍は、これまでイラク国内の4か所の訓練施設で合わせて9000人のイラクの治安部隊を訓練してきているということです。




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5.過去1か月の重要なニュースのまとめ(2015.5.9) [5.重要なニュース(2015.5.9)]

*2015.5.9の講座のテキスト*(この講座では、原則として「やさしいニュース英語サロン」で取り上げたニュースは、略しますので、同名のブログをご覧ください)

過去1か月の重要なニュース(2015.4.11~2015.5.9)

・米・キューバの首脳、59年ぶりの歴史的会談(2015.4.11)
・統一地方選挙前半戦、10知事選で現職全勝、道府県議選で自民善戦(2015.4.12)
・ヒラリー・クリントン、民主党の大統領候補として立候補表明(2015.4.13)
・オバマ大統領、キューバのテロ支援国家指定の解除を承認、議会に通告(2015.4.14)
・福井地裁、高浜原発の再稼働を認めず、初の仮処分決定(2015.4.14)
・ソウル発広島行きアシアナ航空機(乗客・乗員計81人)広島空港で事故、25人けが(2015.4.14)
・中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創始メンバー国、57か国に確定(2015.4.15)
・中国のGDP=国内総生産原則、1~3月期7.0%増で6年ぶりの低水準(2015.4.15)
・愛川欽也さん死去(2015.4.15)
・安倍首相と翁長沖縄県知事、初の会談、辺野古移設問題で平行線(2015.4.17)
・ワシトンのG20=主要国財務相・中央銀行総裁会議閉幕(2015.4.17)
・国連難民高等弁務官、2014年約21万人の難民や移民がアフリカから地中海を渡り、そのうち3500 人以上が死亡と発表(2015.4.19)
・TPP=環太平洋経済連携協定に関する日米閣僚級協議、東京で開催、コメ、自動車部品でなお溝(2015.4.19~21)
・元ビートルズのポール・マッカートニーさん、来日公演(2015.4.20~28)
・町村衆議院議長、体調不良で辞任、後任に大島衆議院予算委員長(自民党)(2015.4.20)
・JAXA=宇宙航空研究開発機構、無人の月面着陸探査機2018年度に打ち上げ計画発表(2015.4.20)
・アジア最大級の自動車見本市「上海国際モーターショー」開幕(2015.4.20)
・小学6年と中学3年の全国学力調査実施(2015.4.21)
・アジア・アフリカ会議(バンドン会議)60周年首脳会議、ジャカルタで開幕、安倍首相演説、
 安倍首相、中国の習近平国家主席と日中首脳会談(2015.4.22)南南協力強化の宣言発表、閉幕   (2015.4.23)
・鹿児島地裁、川内(せんだい)原発再稼働差し止め却下(2015.4.22)
・3月の貿易収支、2年9か月ぶりに黒字(2015.4.22)
・首相官邸屋上にドローン=小型無人機落下(2015.4.22)40歳の男、出頭、逮捕(2015.4.24)
・ネパールで大地震、1400人死亡(2015.4.25)7,800人以上死亡(2015.5.7)*
・新ガイドライン=日米防衛協力のための指針決定、発表(2015.4.27)*
・安倍首相、オバマ大統領と日米首脳会談、日米同盟強化を確認(2015.4.28)*
・安倍首相、米議会で演説(2015.4.29)*
・上海の日中韓3か国環境相会合、PM2.5など大気汚染対策5か年行動計画採択(2015.4.29~30)
・ウィリアム王子夫妻に第2子の女の子誕生(2015.5.2)シャーロット・エリザベス・ダイアナと
 命名(2015.5.4)*
・プロボクシング世界ウエルター級王座統一戦で、アメリカのメイウェザー選手、フィリピンの  パッキャオ選手に判定勝ち(2015.5.2)
・ユネスコの世界文化遺産、「明治日本の産業革命遺産」へ(2015.5.4)*
・気象庁、箱根山(神奈川県箱根町)の大涌谷の噴火警戒レベルを2に引き上げ(2015.5.4)
・米の日本研究者ら187人、歴史問題で「偏見なき清算」をと声明(2015.5.5)*
・米政府、オスプレイ17機日本売却決定(2015.5)*
・国会、安全保障法制整備の関連法案で論戦へ(2015.5.6)*
・旅行・観光競争力で日本9位(2015.5.6)
・衆議院憲法審査会、初の本格的討論開始、自民党の改憲提案(2015.5.7)*
・「国の借金」3月末で1053兆円、国民1人当たり830万円(2015.5.8)*
・英下院選挙で保守党、第1党に単独で過半数制す(2015.5.8)*
・トヨタ、3月期決算で最高益2.1兆円、日本企業初の大台(2015.5.8)*

・(a)日本の政治・外交・防衛

・国会、安全保障法制整備の関連法案で論戦へ(2015.5.6)

政府は、集団的自衛権の行使容認と新ガイドライン=日米防衛協力のための指針を踏まえた安全保障法制の整備のための関連法案について、14日の閣議で正式決定し、国会に提出し、今の国会で成立を目指すことにしています。これに対して、野党は反発を強めており、国会での激しい論戦が予想されています。
国会に提出される関連法案は、多国籍軍などへの後方支援を定める恒久法案や自衛権の限定行使を可能にする武力攻撃事態法改正案など現行法の改正案をまとめた一括法案です。
政府・与党としては、21日にも、衆議院本会議で、安倍首相が出席して趣旨説明と質疑を行い、25日には、衆議院に設ける特別委員会で実質審議に入りたい意向だといわれています。そして、今の国会の会期末の6月24日前後には、衆議院を通過させ、会期を延長したうえで、参議院での審議を行い、7月末か8月初めまでには成立させたい意向だといわれています。
これに対して、野党の民主党などは、安倍首相がアメリカ議会の演説で、安全保障法制の関連法案を今年の夏までに成立させる考えを明言したことに対し、「国会を軽視している」と批判しているほか、自由民主党と公明党の与党だけで法案を取りまとめ、野党を無視しているなどと反発を強めており、激しい論戦が予想されています。

・ニュースの用語解説

集団的自衛権の行使容認を閣議決定(2014.7.1)

日本政府は、2014年7月1日臨時閣議を開き、自分の国が攻撃されていなくても密接な関係にある国への攻撃を阻止する集団的自衛権の行使を認めるため、憲法解釈の変更を決定しました。これは、1954年の自衛隊発足以来、専守防衛を基本方針としてきた日本の安全保障政策を大きく転換するものです。
歴代政府は、憲法の下で許される武力行使は、自分の国が攻撃された場合に反撃する個別的自衛権に限られ、自分の国が攻撃されていなくても、同盟国などに対する攻撃を武力を使って阻止する集団的自衛権の行使は許されないという立場をとってきました。
しかし、今回の閣議決定で、政府は、日本を取り巻く安全保障の環境が変化し続けている状況を踏まえれば、今後、ほかの国に対する武力攻撃であっても、その目的や規模、態様などによっては、日本の存立を脅かすことも現実に起こり得るとして、武力行使が必要だとしました。
そのうえで、政府は、武力行使の新たな3要件に基づき、「日本と密接な関係にあるほかの国に対する武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に、必要最小限度の実力を行使するのは、自衛の措置として憲法上許容されると判断するに至った」として、これまでの憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認するとしました。

今回の閣議決定による武力行使の新3要件というのは、①わが国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、わが国と密接な関係にあるほかの国に対する武力攻撃が発生し、これによってわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に、②これを排除し、わが国の存立を全うし、国民を守るためにほかに適当な手段がないときに、③必要最小限度の実力を行使することです。

新ガイドライン=日米防衛協力のための指針決定(2015.4.27)

日米両政府は、2015年4月27日、日米防衛協力のための指針=ガイドラインを18年ぶりに改定し、新ガイドラインに合意し発表しました。これは、軍備増強を進め海洋進出を活発化させている中国を念頭に、尖閣諸島を含む離島防衛での防衛協力のほか、アジア太平洋地域とこれを超えた地域においても連携し、平時から有事まで切れ目なく協力していくという内容です。
新ガイドラインは、日本から岸田文雄外相と中谷元防衛相、アメリカからケリー国務長官とカーター国防長官が出席してニューヨークで開かれた外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2で合意し発表されたものです。
新ガイドラインは、複雑さを増す安全保障環境の下で、平時から緊急事態まで、いかなる段階でも切れ目ない形で日本の平和や安全を確保するための措置をとるとしています。そして、東シナ海や南シナ海で海洋進出を活発化させている中国を念頭に、平時からの協力措置として、共同で情報収集や警戒監視、それに偵察活動などを行うとしているほか、日本に対する武力攻撃への対処行動として、島しょ防衛での協力を明記し、自衛隊が奪回するための作戦を実施した際には、アメリカ軍は支援するなどとしています。
また、安全保障体制の整備内容が反映され、「日本以外の国に対する武力攻撃への対処行動」として、集団的自衛権を行使する際に想定される協力項目を盛り込み、具体的には、弾道ミサイルを迎撃する際の対処や海上交通の安全確保を目的とする機雷の掃海活動などをあげています。
さらに、宇宙空間での日米両政府の連携を強化するとしているほか、日本の安全に影響を与える深刻なサイバー事案が発生した場合には、緊密に協議し、適切な協力行動をとるなど、新たな脅威への対処も盛り込まれています。
新ガイドラインは、これまで自衛隊の行動を「日本周辺」の「後方支援」に限定してきた日米協力を地球規模に拡大し、日米の共同対処や国際貢献を可能にする協力体制に大きく転換することになりました。

安倍首相、オバマ大統領と会談(2015.4.28)、アメリカ連邦議会で演説(2015.4.29)

安倍首相は、2015年4月26日から1週間にわたって、アメリカを公式訪問し、オバマ大統領と会談し、アメリカ議会でも演説し、日米同盟の強化を強調しました。
安倍首相は、28日、オバマ大統領とホワイトハウスでおよそ2時間にわたって会談し、両首脳は、会談後共同記者会見に臨みました。
両首脳は、新たな日米防衛協力の指針・ガイドラインによって、日米同盟の抑止力、対処力が一層強化されると評価したうえで、アジア太平洋地域のみならず、世界の平和と安定に貢献するため、日米同盟を強化していくことを確認しました。
安倍首相が、日本の安全保障体制の整備に精力的に取り組む考えを示したのに対し、オバマ大統領は、日本の取り組みを支持する考えを表明しました。

翌29日、安倍首相は、日本の首相としては初めてアメリカ連邦議会の上下両院合同会議で英語で演説しました。
安倍首相は、「戦後の日本は、先の大戦に対する痛烈な反省を胸に歩みを刻んだ」と強調し、そのうえで「自らの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない。これらの点についての思いは、歴代首相と全く変わるものではない」と述べました。
安倍首相は、今の国会で成立をめざす一連の安全保障法制について、「自衛隊とアメリカ軍の協力関係は強化され、日米同盟はより一層堅固なものになる。戦後初めての大改革だ。この夏までに成就させる」と述べ、集団的自衛権の行使を含む安全保障法制の関連法案をこの夏までに成立させる考えを明言しました。

・衆議院憲法審査会、初の本格的討論開始(2015.5.7)

衆議院憲法審査会は、7日初の本格的討論を開始し、自由民主党が、憲法改正で新しい提案をしました。
自民党は、憲法改正の最初の発議に向けて、多くの党が賛成しやすい大災害に備える緊急事態条項、環境権、財政規律条項の3つを優先的に議論してはどうかと提案しました。
衆議院の憲法審査会は、昨年11月以来、自由討議で、これら3項目は、多くの党が議論の必要性を認めており、憲法改正の項目の絞り込みを目指す自民党は、各党が合意しやすい項目と判断したためとみられます。
自民党としては、衆議院と同様、来年の参議院選挙でも、みずからを含む勢力の憲法改正発議に必要な3分2以上の議席を確保し、これら3項目で最初の憲法改正をめざし、2回目以降で、戦争放棄などを定めた第9条の改正などを実現させる「2段階戦略」で臨む方針だとみられています。
しかし、公明党や民主党などは、憲法改正に慎重な姿勢を示しており、自民党の思惑通りに議論が進むかどうかは、見通せない情勢です。

・ニュースの用語解説

憲法審査会というのは、2007年5月に成立した国民投票法に基づいて、憲法に関する総合的な調査や憲法改正原案の審査を実施するため同年8月に設置されたものです。衆議院と参議院の両方にあって、衆議院で50人、参議院で40人の与野党議員で構成され、各会派の所属議員の数に応じて配分されています。審査会が改正原案を作った場合と、国会議員が改正原案を作り、衆議院なら100人以上、参議院なら50人以上が賛成した場合、審査会で審議、採決されます。過半数の賛成があれば、衆参の本会議にかけられます。両院の本会議でそれぞれ3分の2以上の賛成が得られれば、憲法改正案として発議され、国民投票にかけられ、過半数が賛成すれば、憲法は改正されます。

(b)日本の経済・貿易

・トヨタ、3月期決算で最高益2.1兆円、日本企業初の大台(2015.5.8)

トヨタ自動車は、8日、2015年3月期連結決算(米国会計基準)を発表しました。最終的なもうけを示す純利益は前期比19.2%増の2兆1733億円と、2年連続でこれまでの最高を更新し、日本企業として初めて2兆円の大台にのせました。
これは、アメリカや中国などで車の販売が順調だったほか、円安が業績を押し上げたものです。

・「国の借金」3月末で1053兆円、国民1人当たり830万円(2015.5.8)

日本の「国の借金」が、3月末で1053兆円に達しました。これは、国民1人当たり830万円の借金を抱えたことになります。
財務省が8日発表したところによりますと、国債と借入金、政府短期証券を合計した「国の借金」が、2015年3月末の時点で1053兆3572億円になりました。
これは、2013年度末から28兆4003億円増えて、過去最大を更新しました。

(c)日本の社会

・ユネスコの世界文化遺産、「明治日本の産業革命遺産」へ(2015.5.4)

ユネスコ=国連教育科学文化機関の世界文化遺産に、「明治日本の産業革命遺産」が登録される見通しになりました。
これは、ユネスコの諮問機関イコモスが、4日、世界文化遺産に登録されることがふさわしいという勧告を行ったためで、6月28日から7月8日にかけてドイツのボンで開かれるユネスコの世界遺産委員会で、正式に決まる見通しです。
「明治日本の産業革命遺産」は、19世紀末から20世紀初めにかけて、製鉄や造船、石炭産業の重工業分野に西洋の技術を移転して、日本が近代産業国家になったことを示すもので、福岡県の官営八幡製鉄所や長崎県の三菱長崎造船所など九州の5つの県と山口、岩手、静岡の各県にある合わせて23の資産で構成されています。
「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に正式に登録されますと、おととしの「富士山」、昨年の「富岡製糸場と絹産業遺産群」に続いて3年連続となり、日本の世界文化遺産は15件目になります。

一方、韓国外交省は、日本側が申請した「明治日本の産業革命遺産」の23資産のうち7資産で朝鮮半島出身者5万7900人が強制労働をさせられたと指摘して、反対する態度を表明しました。
中国外務省も、「明治日本の産業革命遺産」について、「植民時代の歴史を美化すべきではない」として、登録に向けた動きを牽制しました。

・ニュースの用語解説

世界遺産は、人類共通の有形の財産として後世に伝えるため、世界遺産条約に基づいて、ユネスコ=国連教育科学文化機関が登録するもので、文化遺産、自然遺産、複合遺産の3種類があります。人類全体に共通した重要な価値があることに加え、保護される環境が十分整っていることが登録の条件です。日本の世界遺産は、現在、文化遺産に14件、自然遺産に4件の合わせて18件が登録されています。
世界遺産条約は、正式には、世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約(Convention Concerning the Protection of the World Cultural and Natural Heritage)といいます。
イコモスは、ICOMOS=International Council on Monuments and Sites 国際記念遺跡会議のことです。

(d)国際情勢

・英下院選挙で保守党第1党に単独で過半数制す(2015.5.8)

7日投票の行われたイギリスの下院の総選挙で、与党の保守党が第1党になり、単独で過半数を制し、キャメロン首相が続投することになりました。
保守党は、下院の650議席のうち、単独で過半数の331議席を獲得し、1992年の総選挙以来、23年ぶりに単独過半数の326議席を上回り勝利しました。最大野党の労働党は、232議席、保守党と連立を組んでいた自由民主党も8議席といずれも大幅に議席を失いました。スコットランドの独立を目指すスコットランド民族党が56議席を獲得し改選前の6議席から躍進しました。
今回の選挙結果は、2010年に自由民主党との連立で発足したキャメロン首相の政権下の経済成長や財政再建が評価されたものとみられます。
保守党の公約に沿ってEU=欧州連合残留の是非を問う国民投票が2017年末までに行われることが確実になりました。

・ネパールで大地震(2015.4.25)7,800人以上死亡(2015.5.7)

ネパールの大地震で、これまでに7,800人以上の死亡が確認されています。
ネパール中部で4月25日発生したマグニチュード7.8の大地震で、首都のカトマンズなどネパール各地で多くの住宅や歴史的な建造物が倒壊しました。
ネパール内務省が5月7日発表したところによりますと、ネパール国内の死者は、7,675人、けが人は、およそ1万6000人に達しているということです。
地震の被害は、周辺の国々にも広がって、インド、中国のチベット自治区、バングラデシュで合わせておよそ100人が死亡し、さらに、日本人登山家の50代の男性1人が、エベレスト周辺で雪崩に巻き込まれて死亡しています。
ネパール内務省の7日の発表によりますと、大地震の影響で全半壊した建物は、およそ56万戸に上っているということですが、山間部では被害状況の把握が遅れているため、損壊した建物の数はさらに多いものとみられています。
ネパールでは、多くの人たちが、野外での避難生活を続けており、さらに多くのテントや防水シートなど救援物資を必要としているということです。
日本政府は、すでにテント350張りと毛布2500枚をネパール側に引き渡しており、16億円の緊急無償資金協力を実施することも決めています。
日本の国際緊急救援隊の救助チームは、およそ70人規模で救助や捜索活動を続けてきましたが、7日活動を終了しました。一方、医療チームは、さらに活動を続けるということです。

・ニュースの用語解説

ネパールは、中国チベット自治区とインドに接する内陸国で、総面積は、14万7181平方キロで、北海道の1.8倍。100以上の民族が住む多民族国家で、人口は、約2812万人。在留邦人は、1011人。ヒマラヤ山系へのトレッキングなど観光業が重要な外貨獲得資源になっており、日本人観光客も多く訪れています。2013年の1人当たりの国民総所得(GNI)は、730ドルで、アジア最悪レベルの貧困対策が課題の1つになっています。

・米の日本研究者ら187人、歴史問題で「偏見のない清算」をと声明(2015.5.5)

アメリカの日本研究者ら187人が、「戦後70年の今年は、言葉と行動で過去の植民地支配と侵略の問題に立ち向かう絶好の機会だ」とし、アジアの平和と友好のため、「できる限り偏見のない清算」を呼びかける声明を発表しました。
これは、「日本の歴史家を支持する声明」と題され、ハーバード大学のエズラ・ボーゲル名誉教授ヤマサチューセッツ工科大学のジョン・ダワー名誉教授らアメリカ、イギリス、オーストラリアなどの日本研究者や歴史学者187人が署名しています。
5日発表された声明は、戦後日本が守ってきた「民主主義、自衛隊への文民統制、警察権の節度ある運用と政治的寛容さ」などについて「すべてが世界の祝福に値する一方で、いわゆる従軍慰安婦などをめぐる歴史解釈の問題が、その祝福を妨げている」と指摘しています。
そして、「この問題は、日本だけでなく、韓国や中国の民族主義的な暴言によってあまりにもゆがめられてきた」と指摘する一方、「起こったことを否定したり、過小なものとして無視したりすることも受け入れることはできない」と述べています。
声明は、戦後70年の今年を「日本政府が言葉と行動で、過去の植民地支配と戦時の侵略の問題に立ち向かい、指導力をみせる絶好の機会」と位置づけ、戦後70年の談話を出す予定の安倍首相に「大胆な行動」を呼びかけ、「アジアの平和と友好を進めるために、過去の過ちについて、できる限り偏見なき清算をともに残そう」と締めくくっています。

・米政府、オスプレイ17機を日本に売却(2015.5.5)

アメリカ政府は、5日、新型輸送機オスプレイ17機を日本に売却する方針を議会に通知しました。
関連部品などを含めた売却の総額は、30億ドル、日本円でおよそ3600億円と見積もられています。
アメリカ政府は、オスプレイを外国に供与した例はなく、日本は初の輸出先になる見込みです。
アメリカ政府は、「オスプレイは、陸上自衛隊の人道支援活動や災害時の救出能力を強化し、水陸両用作戦を支えるもの担う」として、自衛隊の作戦能力の向上につながると期待しています。また、「負担の分担を進め、アメリカ軍との相互運用性を高めることになる」として、日本がオスプレイを導入すれば、アメリカの負担の軽減にもつながると説明しています。
防衛省は、垂直離着陸でき離島への部隊展開が可能なオスプレイ17機の調達を2018年度までの中期防衛力整備計画に明記し、佐賀空港に配備する方針を明らかにしています。
佐賀空港へのオスプレイ配備について、今年1月の佐賀県知事選挙で、自由民主党推薦の候補を破って初当選した山口祥義(よしのり)知事は、受け入れについて、「白紙」として態度を明確にしていません。

・イギリス王室のウィリアム王子夫妻に第2子の女の子誕生(2015.5.2)シャーロット・エリザベス・ダイアナと命名(2015.5.4)

イギリス王室のウィリアム王子(32歳)の妻、キャサリン妃(33歳)が、2日、ロンドン市内のセント・メアリー病院で、第2子の女の子を出産しました。
2013年7月に誕生した長男のジョージ王子(1歳)の妹で、体重は3710グラムで母子ともに健康。
王位継承順位は、2013年にイギリス議会が可決した改正王位継承法で男女の区別なく順位が決まるため、チャールズ皇太子(66歳)、ウィリアム王子、ジョージ王子に次ぐ4位。エリザベス女王(89歳)にとっては、5人目のひ孫。
イギリス王室は、4日、ウィリアム王子と妻キャサリン妃の間に生まれた王女の名前はシャーロット・エリザベス・ダイアナに決まったと発表しました。プリンセス・オブ・ケンブリッジの称号も与えられ、シャーロット王女と呼ばれることになります。シャーロットという名前は、19世紀前半の2人の国王の母親の名前と同じで、ウィリアム王子の父親のチャールズ皇太子の名前の女性形でもあります。また、キャサリン妃の妹のミドルネームとも同じです。王女のミドルネームのエリザベスは、現在のエリザベス女王と同じ、またダイアナは、1997年に交通事故で亡くなったウィリアム王子の母親のダイアナ元皇太子妃と同じです。

以上
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4..過去1か月の重要なニュースのまとめ(2015.4.11) [4.重要なニュース(2015.4.11)]

*2015.4.11の講座のテキスト*(この講座では、原則として「やさしいニュース英語サロン」で取り上げたニュースは、略しますので、同名のブログをご覧ください)    

過去1か月の重要なニュース(2015.3.15~2015.4.10)

・プーチン、クリミア併合過程で核使用準備指示と言明(2015.3.15)
・中国の全人代閉幕(2015.3.15)
・原発5基廃炉決定(2015.3.17~18)
・イスラエルの総選挙で与党勝利、連立政権樹立へ(2015.3.17)
・ミシェル・オバマ夫人来日(2015.3.18~20)
・春闘でベア回答最高水準相次ぐ(2015.3.18)
・仙台市で開かれていた国連防災世界会議が閉幕(2015.3.18)
・チュニスで過激派による博物館襲撃事件、21人死亡47人けが、日本人は6人死傷(2015.3.19)
・上方落語の桂米朝死去(2015.3.19)
・日中韓外相会談、3年ぶりにソウルで開催(2015.3.21)
・シンガポールのリークアンユー元首相死去(2015.3.23)
・ドイツの旅客機、仏南東部の山岳地帯に墜落、日本人2人を含む150人死亡(2015.3.24)
・大塚家具 久美子社長続投 株主総会で決定(2015.3.27)
・イラク政府軍、過激派組織「イスラム国」から北部ティクリート奪還(2015.3.31)*
・中国主導の「アジアインフラ投資銀行」の創設メンバーに50か国近くが参加(2015.3.31)
・過激派組織「イスラム国」、シリアの首都ダマスカス南部ヤルムークに侵攻(2015.4.1)*
・イラン核問題協議、枠組みで合意(2015.4.2)
・過激派組織、ケニア東部の大学襲撃、150人近く死亡(2015.4.2)
・沖縄の基地問題で、県知事と官房長官の会談、平行線(2015.4.5)*
・メコン川に日本支援の巨大橋(2015.4.6)
・文科省、2016年度から使われる中学校の教科書の検定結果を公表(2015.4.6)
・外交青書公表(2015.4.7)*
・天皇、皇后両陛下、パラオ訪問(2015.4.8~9)*
・カーター米国防長官来日、安倍首相、中谷防衛相と会談(2015.4.8~9)
・今年度予算成立(2015.4.9)*
・日経平均株価、15年ぶりに2万円台回復(2015.4.10)*

(a)日本の政治・外交・防衛

・沖縄の基地問題で、県知事と官房長官の会談、平行線(2015.4.5)

沖縄県宜野湾市(ぎのわんし)にあるアメリカ軍の普天間飛行場の名護市辺野古(なごし・へのこ)への移設計画について、菅義偉(すが・よしひさ)官房長官と沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事との会談は、5日初めて那覇市で行われましたが、平行線のまま終わりました。
会談で、菅官房長官は、「最も重要なのは、市街地の中心部に位置し、周辺を住宅や学校に囲まれている普天間飛行場の危険の除去だ」と述べ、普天間飛行場の移設の必要性を強調し、「日米同盟の抑止力の維持、そして危険除去を考えたときに辺野古への移設は、唯一の解決策だと考えている」と述べ、政府としては、移設工事を引き続き進めていく考えを伝えました。
これに対して、翁長知事は、全国の面積の0.6%に過ぎない沖縄県に、アメリカ軍が持つ専用施設の74%が集中している現状を訴え、「沖縄県が自ら基地を提供したことはない。私たちの思いとは全く別にすべて強制接収された」と指摘し、「辺野古の新基地は絶対に建設することができないと確信を持っている」と述べ、移設計画阻止を目指す姿勢を堅持して、会談は平行線をたどったまま終わりました。
菅官房長官は、翌6日の記者会見で、翁長知事との会談について、「国と県が沖縄問題に取り組まなければならないことがたくさんある。その対話を始める一歩となった」と評価しました。
一方、アメリカ国務省は、6日、「普天間飛行場の移設に向けた作業は、アメリカと日本の長年の取り組みが生んだ意義のある成果であり、沖縄のアメリカ軍再編に関する共通の展望を実現するための重要なステップだ」と述べ、作業は計画どおり進められるべきだという立場を強調しました。

・ニュースの用語解説

普天間飛行場は、沖縄本島南部の宜野湾市中心部の人口密集地域にある2700メートルの滑走路を持つ飛行場で、アメリカ海兵隊が駐屯しています。沖縄のアメリカ軍の拠点の一つです。
1996年日米両国政府は、5~7年の間に普天間飛行場を日本に返還することで合意しました。ただし、返還は、代替施設が運用可能になった後とされ、1997年名護市の辺野古を移転先に決定しました。
2012年日米両国政府は、共同文書を発表し、それに基づいて、現在在日アメリカ軍の再編計画を進めています。計画では、アメリカ海兵隊およそ9000人を国外に移転させる、嘉手納以南5か所にある施設・区域の返還を段階的に進める、これらの計画は、普天間飛行場の返還とは切り離して行うなどとしています。
2012年12月安倍政権が発足して以来初めての日米首脳会談が2013年2月に行われ、辺野古への移設を早期に進める方針で一致しました。これを受けて、沖縄県の仲井真知事は、名護市辺野古のキャンプシュワブ沿岸の埋め立て申請を承認しました。日米の合意では、普天間飛行場の返還は、辺野古移設を条件に、2022年度またはその後に行うとされています。

2014年11月行われた沖縄県知事選挙で、最大の焦点だったアメリカ軍の普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題で移設計画に反対を訴えた前の那覇市長で無所属の翁長雄志氏が、自民党などが推薦していた現職の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)氏を10万票近く差をつけて破り当選しました。
3期目をめざしていた仲井真氏は、前回の知事選では「県外移設」を求める立場をとっていましたが、この知事選では「辺野古移設が現実的だ」と主張したのに対し、翁長氏は、「移設阻止」を掲げ、国外や県外移設を求めていました。
2014年11月の当選以来、翁長氏は、安倍首相や菅官房長官との会談を求めていましたが、2015年4月の今回の会談まで実現していませんでした。

・外交青書公表(2015.4.7)

岸田文雄外相は、7日の閣議で、2015年版外交青書を報告し、外務省は、それを公表しました。
外交青書は、戦後70年間の歩みを振り返る項目を冒頭に設け、「日本は、先の大戦の深い反省を踏まえ、自由や民主主義、基本的人権の尊重などを信奉する社会を構築し、アジアと世界の平和と繁栄に貢献する姿勢を維持してきた」としたうえで、「この平和国家としての歩みは、今後も決して変わることはない。国際協調主義に基づく『積極的平和主義』の立場から、これまで以上に積極的に貢献していく」と強調しています。
これは、安倍政権の『積極的平和主義』を前面に打ち出した形をとっていますが、戦後50年の「村山談話」や戦後60年の「小泉談話」にみられるような「多大の損害と苦痛を与えた」とか「「心からのお詫び」といった文言は盛り込まれていません。
日中関係については、「昨年11月に2年半ぶりに実現した日中首脳会談は、関係改善の第一歩となり、両国間の対話や協力が徐々に再開しており、少しずつ改善に向かっている」と指摘する一方で、尖閣諸島周辺で中国の公船による領海侵入が相次いでおり、抗議していると明記し、「尖閣諸島は、日本固有の領土であり、日本の領土・領海・領空は、断固として守り抜く決意で引き続き対応しいく」と述べています。
日韓関係については、今年が国交正常化から50年になることを踏まえ、「困難な問題も存在するが、大局的な観点から、未来志向で重層的な関係を構築していく」としていますが、昨年の外交青書にあった「基本的な価値と利益を共有する」といった表現はなくなり、「最も重要な隣国」とするにとどめています。竹島については、「日韓間には領有権をめぐる問題があるが、歴史的にも国際法上も明らかに日本固有の領土である」と明記しています。
北朝鮮との関係については、昨年7月日本人拉致被害者らの調査が始まったことを受けて、「『対話と圧力』の方針のもと、関係国とも緊密に連携しつつ、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向けて引き続き取り組んでいく」としています。
テロ対策については、中東の過激派組織「イスラム国」による邦人人質事件を受け、「自らの責任を毅然と果たす」と述べ、「人道支援など軍事貢献でない形で、日本の強みを生かす」と強調し、具体策として、過激主義を生み出さない社会をつくるための失業対策、格差是正への支援などをあげています。

・ニュースの用語解説

外交青書は、外務省が毎年発行している年次報告書で、日本を取り巻く国際情勢と日本の外交活動について記述し、アメリカなど主要国との2か国間関係の現状と課題、安全保障や国際貢献など分野別の取り組みを説明しています。
外務省は、外交青書を1957年から毎年発行していますが、イギリス議会の外交委員会報告書の表紙が青色だったことに習い、「青書」の名称を取り入れたといわれています。

(b)日本の経済・貿易

・今年度予算成立(2015.4.9)

一般会計の総額が96兆3420億円と過去最大となる今年度(2015年度・平成27年度)予算が成立しました。
これは、参議院予算委員会が、9日、安倍首相とすべての閣僚が出席して、今年度予算案について、締めくくりの質疑を行った後採決が行われ、自民・公明両党などの賛成多数で可決され、続いて参議院本会議で可決・成立したものです。
今年度予算案をめぐっては、昨年11月の衆議院解散・12月の総選挙の影響で編成作業が遅れ、国会審議が4月にずれ込んだため、地方交付税交付金や社会保障関係費など必要最低限の経費を計上する暫定予算が2年ぶりに編成され、3月30日に成立しています。

・ニュースの用語解説

今年度(2015年度・平成27年度)予算については、国の予算の基本的な規模を示す一般会計の総額は、過去最大の96兆3420億円です。
歳出では、社会保障費が、高齢化で医療や年金に充てるお金が膨らみ、2年連続で30兆円を突破して前年度比3.3%増の31兆5297億円と過去最大の額になりました。防衛費が、中国の海洋進出などへの対応を含め安全保障体制の強化のため、4兆9801億円で2%増と3年連続で増えました。自治体に配分する地方交付税交付金が、地方税収増で、3.8%減の15兆5357億円になりました。この中には、1兆円の地方創生枠が新設されています。公共事業費が、横ばいで5兆9711億円になりました。借金返済のための国債費が、0.8%増の23兆4507億円となっています。
歳入では、税収が、9%増の54兆5250億円で、景気回復などで1991年以来の高水準になりました。新たな借金となる新規国債の発行額は、税収増のため、前年度比10.6%減で36兆8630億円と6年ぶりに40兆円を下回りましたが、依然として歳入全体の4割近くの38.3%を占めています。

・日経平均株価、15年ぶりに2万円台回復(2015.4.10)

10日の東京株式市場は、円安進行で国内企業の業績が改善し、景気回復への期待感がでたことから、買い注文が出て、日経平均株価は、一時およそ15年ぶりに2万円の大台を回復しました。
株価が2万円台を回復したのは、外国為替市場で円安ドル高傾向が定着し、輸出企業などの業績が拡大することへの期待感が高まったためです。
これによって、バブル崩壊後の長期低迷を経て、日本経済は、再生へ向けて一歩前進したことになります。
今後は、足踏みを続けている個人消費の改善がデフレ脱却の鍵となります。また、地域経済や中小企業にこうした株価上昇の恩恵が及ぶかどうかも注目されています。

・ニュースの用語解説

日経平均株価は、日本を代表する株価指数で、日本経済新聞社が、東京証券取引所第1部に上場する企業約1700社のうち225社の株価を基に算出し、その時の景況感を反映する指標の一つとされています。構成銘柄は、毎年見直されています。東証が1950年に始めた指数の算出を、1970年に日本経済新聞社が引き継ぎました。

(c)日本の社会

・天皇、皇后両陛下、パラオ訪問(2015.4.8~9)

天皇、皇后両陛下は、8日と9日、太平洋戦争の戦没者慰霊のため、パラオ共和国を訪問しました。
今回のご旅行は、戦後70年の節目にあたり、両陛下の強いご希望で実現したもので、戦後60年にあたる2005年にサイパンを訪問して以来2回目の外国の慰霊の旅になります。
両陛下は、約1万人の日本人が亡くなった激戦地ペリリュー島を訪れ、日本政府が建立した慰霊碑に日本から持参した白菊の花束を手向け、平和への祈りをささげました。続いて約1700人が亡くなったアメリカ人の慰霊碑にも拝礼しました。
さらに、両陛下は、パラオ共和国のメングサウ大統領夫妻と会見したほか、同国政府主催の晩さん会にも出席しました。天皇陛下は、この晩さん会で挨拶し、「先の戦争で亡くなった全ての人々を追悼し、遺族の歩んできた苦難の道をしのびたいと思います」と述べました。また、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島の大統領夫妻とも懇談しました。

・ニュースの用語解説

パラオ共和国(Republic of Palau)は、南北約640キロに散在する200あまりの島で形成、面積は459平方キロ、人口は2万1000人、住民は、ミクロネシア系が大半、公用語は、パラオ語と英語、産業は、ココナッツなどの農業、観光業で、日本への輸出品は、マグロが大半を占めています。
歴史は、1886年スペインが領有宣言をしましたが、1899年スペインは、パラオを含むカロリン諸島をドイツに売却しました。第1次世界大戦中、対独宣戦をした日本軍が占領し、1920年から日本による国際連盟委任統治領「南洋諸島」になりました。日本は、コロール島に南洋庁を設置し、多くの日本人が移住し、燐鉱石の採掘事業などに従事しました。第2次世界大戦で日本が敗れたため、1947年アメリカは、ミクロネシアを6地区に分割して、アメリカによる国連信託統治領「太平洋諸島」とし、パラオは、その1地区となりました。1993年住民投票でアメリカとの自由連合協定を承認し、1994年独立をし、パラオ共和国が成立しました。しかし、歳入は、現在もアメリカからの無償援助に依存しています。

(d)国際情勢

・過激派組織「イスラム国」、シリアの首都ダマスカスに迫る、イラク北部のティクリートからは撤退(2015.3.31~4.1)

シリアとイラクにまたがった地域を実効支配している過激派組織「イスラム国」(IS)は、シリアでは、首都のダマスカスに迫る攻勢をかけ、一方イラクでは、北部の都市ティクリートからは撤退、政府軍が奪還しました。
内戦が続くシリアで、過激派組織「イスラム国」(IS)が、1日、首都ダマスカスの南部ヤルムークに侵攻しました。
ヤルムークは、ダマスカス中心部からおよそ5キロのところにあり、シリア最大のパレスチナ難民キャンプがあり、ISの戦闘員は、その大半を制圧したと伝えられています。
このヤルムーク難民キャンプには、およそ1万8000人の難民が暮らしているものとみられていますが、国連の当局者は、6日、ヨルダンからテレビ電話を使って記者会見し、食糧や薬をキャンプに届けるために戦闘をやめるよう訴えました。

一方、イラク政府軍は、31日、昨年6月以降ISが支配していた北部の主要都市ティクリートを奪還したと発表しました。
ティクリートは、首都バグダッドとイラク第2の都市で現在ISの拠点となっているモスルとのちょうど中間に位置する戦略的に重要な拠点です。
アメリカ軍などが、ISを弱体化させるために、3月末までにイラクで1600回以上の空爆を行っていました。
イラク政府当局者によりますと、6日、ティクリートで、ISが処刑したとみられる多数の兵士たちの遺体が埋められた穴が10か所以上確認されたということです。

過激派組織「イスラム国」(IS)は、8日、イラク北部で拉致していた少数派ヤジディ教徒の高齢者、子どもら200人余りを解放したということです。
ISは、今年1月にもヤジディ教徒の高齢者などおよそ200人を解放していますが、今回ともに、解放の理由は明らかにしていません。
ISは、ヤジディ教徒を「悪魔を崇拝している」として、集落をたびたび襲撃し、殺害したり、奴隷にしたりしています。

・ニュースの用語解説

「イスラム国」(IS=Islamic State)というのは、「イスラム国」と自ら名乗っている過激派組織のことで、イラクとシリアにまたがっている地域を実効支配しています。メンバーは、3万人以上とされ、指導者は、預言者ムハンマドの後継者「カリフ」を自称するアブバクル・バグダーディです。
2003年のイラク戦争後に生まれたアルカイダ系反米組織がほかの組織と合流して「イラクのアルカイダ(AQI)」になり、アメリカ軍がイラクから撤退した2011年に内戦中のシリアに勢力を拡大し、「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」と名乗り、2014年6月「イスラム国」として一方的に「国家」樹立宣言をしましたが、国際的には認められていません。


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3.過去1か月の重要なニュースのまとめ(2015.3.14) [3.重要なニュース(2015.3.14)]

*2015.3.14の講座のテキスト*(この講座では、原則として「やさしいニュース英語サロン」で取り上げたニュースは、略しますので、同名のブログをご覧ください)

過去1か月の重要なニュース(2015.2.14~2015.3.14)

・ウクライナ停戦入り(2015.2.15)
・2014年10~12月期のGDP、年率2.2%増、3期ぶりにプラス(2015.2.16)、年率1.5%増に下方修正、2014年はマイナス成長(2015.3.9)*
・川崎で中1殺害(2015.2.20)、少年3人逮捕(2015.2.27)
・東電、汚染水の港湾外の海に流出を公表(2015.2.24)
・西川農水相、政治資金問題で辞任、後任に林元農水相(2015.2.23)
・ウィリアム王子来日(2015.2.26~3.1)
・下村文科相、望月環境相、上川法相、献金問題で国会で追及さる(2015.2.27)
・プーチン批判のロシアの野党指導者ボリス・ネムツォフ氏、モスクワで射殺(2015.2.27)
・米韓合同軍事演習始まる(2015.3.2)
・北朝鮮、短距離ミサイル発射(2015.3.2)
・錦織選手、男子テニスの世界第4位に(3015.3.2)
・安倍首相ら6閣僚や岡田民主党代表らに国の補助金交付企業から献金(2015.3.3)
・群馬大学病院、腹腔鏡による肝臓切除手術で患者8人死亡は過失と発表(2015.3.3)
・イスラエル首相、米議会でオバマ政権のイラン政策批判(2015.3.3)*
・米駐韓大使、刺さる(2015.3.5)
・中国の全国人民代表大会、開幕、李克強首相、政府活動報告(2015.3.5)
・与野党、選挙権年齢を18歳以上に引き下げる公職選挙法改正案を提出(2015.3.5)*
・自民党大会開く(2015.3.8)
・サッカー日本代表にボスニア・ヘルツェゴビナのバビド・ハリルホジッチに正式決定(2015.3.12)
・ドイツのメルケル首相来日(2015.3.9~10)*
・東日本大震災から4年(2015.3.11)*
・国連防災世界会議、仙台市で開幕(2015.3.14)*
・北陸新幹線、開業(2015.3.14)*

(a)日本の政治・外交・防衛

・ドイツのメルケル首相来日(2015.3.9~10)

安倍首相は、9日、首相官邸で、ドイツのメルケル首相と会談した後そろって記者会見に臨み、ウクライナの平和と安定へ両国が積極的役割を果たしていくことで一致したことを明らかにしました。
両首脳は、また、過激派組織「イスラム国」による邦人人質事件などを踏まえたテロ対策や国連安全保障理事会改革での協力も確認しました。
安倍首相は、ロシアのG8サミット=主要国会合への復帰について、「ウクライナ情勢に鑑み、意味のある議論を行える環境にない」として、時期尚早との認識を示しました。
安倍首相は、また、「両国は、戦後、国際協調主義に立脚しつつ、一貫して平和国家として道を歩み、国際社会で平和と繁栄を享受し、自ら力強く貢献してきた」と強調しました。
メルケル首相は、2008年北海道・洞爺湖で開かれたG8サミット=主要国首脳会議に出席するため日本を訪れて以来7年ぶりの来日で、6月ドイツで開かれるG8サミットの参加国回りの一環として日本を訪問しているものです。なお、来年の議長国は、日本の予定です。

・ニュースの用語解説

アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)は、1954年ドイツ北部ハンブルク生まれ、牧師の父親に連れられて生後間もなく東ドイツに移住。ライプチヒ大学で物理学を専攻後、科学アカデミー研究員・物理学博士。東ドイツの民主化運動に加わり、1990年キリスト教民主同盟(CDU)入党、ドイツ統一後初の連邦議会選挙で当選。1991~94年女性青年相、1994~98年環境相。1998年CDU幹事長。2000年CDU初の女性党首。2005年9月総選挙で勝利、11月ドイツ初の女性首相に就任、東ドイツ出身者としても初の首相。2009年9月総選挙を経て10月再選、2013年3選。
メルケル氏は、2011年の東日本大震災の際の東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、原発の稼働延長を決めていたエネルギー政策を転換し、2022年までの原発停止を決めています。
「メルケル氏の訪日は、2008年の北海道・洞爺湖サミット以来、7年ぶりのことです。」と日本のどのメディアも書いていますが、正しくは、メルケル氏が2005年に就任して以来10年経ちますが、2008年サミットに出席するために来日した時を除いて、日本を訪問したのは初めてです。なお、メルケル首相は、就任以来、中国には7回も訪問しています。

・与野党、選挙権年齢を18歳以上に引き上げる公職選挙法改正案を提出(2015.3.5)

自民党や民主党など与野党6党は、5日選挙権年齢を現在の「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる公職選挙法改正案を衆議院に提出しました。
改正案が成立すれば、選挙権年齢の引き下げは、70年ぶりのことで、公布から1年を周知期間とし、その後に行われる国政選挙から適用されます。
改正案は、今国会会期中に成立するのは確実な情勢で、早ければ、来年夏の参議院選挙から実施される見通しです。
最高裁判所裁判官の国民審査のほか、地方自治体の首長の解職や議会の解散の請求(リコール)を受けて行われる住民投票でも、18歳以上が投票できるようになります。
公職選挙法改正案の附則には、民法が20歳とする成人年齢や少年法の適用年齢については、「検討を加え、必要に法制上の措置を講ずる」ことになっています。

・ニュースの用語解説

公職選挙法というのは、1950年に、衆参議員選挙、地方議会議員および自治体首長に関わる法律を一本化したものです。
各国・地域の選挙権年齢は、16歳ーオーストラリア、キューバ、17歳ーインドネシア、18歳ーイギリス、アメリカ、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ、ロシア、スイス、19歳ー韓国、20歳ー台湾、バーレーン、日本(現行法の下で)、21歳ーシンガポール、マレーシア、クウエート などとなっています。

(b)日本の経済・貿易

・GDP10~12月1.5%増に下方修正(2015.3.9)

2014年10月から12月までのGDP=国内総生産の改定値は、物価変動を除いた実質の伸び率で、年率に換算してプラス1.5%となり、速報値の2.2%が下方修正されました。
内閣府が9日発表したところによりますと、2014年10月から12月までのGDP=国内総生産の改定値は、物価の変動を除いた実質の伸び率は、前の3月に比べてプラス0.4%になり、これを年率に換算しますとプラス1.5%となり、2月に発表された速報値のプラス2.2%から下方修正されました。
プラス成長は、3四半期ぶりのことですが、消費税増税後の持ち直しとしては力強さを欠く結果になっています。
企業の設備投資が速報値の前期比0.1%増から0.1%減に下方修正され、3四半期連続のマイナスとなりましたが、個人消費は、0.3%増から0.5%増に上方修正されました。

内閣府が、また、9日発表したところによりますと、2014年通年のGDPの実質成長率は、前年に比べて、0.03%減で、マイナス成長でした。マイナス成長は、東日本大震災が起きた2011年以来、3年ぶりのことです。

・ニュースの用語解説

GDP(=Gross Domestic Product)は、国内総生産のことで、一定期間に国内で作り出されたモノやサービスの付加価値の合計額で、その国の経済力を示す指標として使われます。GDPの増減率を経済成長率といっています。
GDPの改定値は、GDPの速報値が発表されてから約1か月後、法人企業統計や商業販売統計などの結果を反映して数値を修正した統計のことです。改定値では、設備投資や公共投資などが見直され、GDP全体が修正されたりします。

消費税増税については、2012年8月社会保障の安定財源の確保を目的とした消費税増税法が成立し、消費税は、2014年4月17年ぶりに増税され、5%から8%に引き上げられました。そして、2015年10月にさらに10%に引き上げられる予定でしたが、安倍首相は、2014年11月経済状況を考慮して、引き上げを1年半延期して2017年4月に実施すると発表しました。

(c)日本の社会

・東日本大震災から4年(2015.3.11)

11日は、東日本大震災から4年目を迎え、各地で追悼式が行われました。
東日本大震災は、2011年3月11日に発生し、国内観測史上最大規模のマグニチュード9.0の巨大地震と大津波が東北地方から関東地方にかけて襲いました。被災地は、宮城、岩手、福島の3県を中心に、死者1万5891人、行方不明2584人、震災後の体調不良や自殺による震災関連死3194人をだしたほか、東京電力福島第1原子力発電所の事故など各地に大きな被害をもたらしました。
今なお避難生活を送っている人はおよそ23万人にのぼっており、避難先は、福島、宮城、岩手の3県を中心に全国47都道府県に及んでいます。
東日本大震災から4年たった11日、政府主催の追悼式が東京の国立劇場で行われ、岩手、宮城、福島3県の遺族代表のほか、安倍首相や天皇、皇后両陛下らがおよそ1100人が出席しました。
震災が発生した午後2時46分に1分間の黙とうをささげ、犠牲者の冥福を祈りました。
続いて、安倍首相が式辞を述べ、天皇陛下がお言葉を述べられました。そして、被災3県の遺族代表が追悼の言葉を述べました。このあと、追悼式では、各国の代表ら参列者が献花を行い、犠牲者を悼みました。

・ニュースの用語解説

東京電力福島第1原子力発電所の事故は、2011年3月11日の東日本大震災の際起きた事故で、主に隣接した原子炉4基で深刻な事態を引き起こしています。地震発生当時、運転中の1~3号機は地震の揺れで止まりました。4~6号機は定期検査中で止まっていました。しかし、核燃料は、核分裂生成物が放射線を出し、崩壊熱を出しています。4号機の核燃料は、定期検査のため、使用済み燃料プールに一時的に移されていました。プールは、他の号機にもあります。原子炉とプールの両方を冷やし続ける必要がありましたが、地震・津波とそれに伴う電源喪失のため冷却に失敗してしまいます。
1~3号機でメルトダウン、1、3、4号機で水素爆発、2号機で格納容器下部の圧力抑制プール付近での破損が起き、大量の汚染水が生まれ、放射性物質が放出されました。
事故のあった原子炉建屋には、毎日400トンの地下水が流入しています。建屋内には、溶け落ちた核燃料による高濃度の汚染水が残っているため、流入した地下水も汚染されてしまいます。汚染水をそのまま海に流すことはできないので、くみ上げて、放射性物質を取り除き、地上タンクに貯蔵しています。しかし、タンクは日に日に増えるばかりで、目下のところ汚染水対策が急務になっています。
第1原発の原子炉計6基は、すべてが取り壊され、廃炉されます。この作業には、30年から40年かかる予定です。

福島県民のうち約12万人が、自宅を離れ、県内外で避難生活を続けています。このうち、放射能汚染によって居住が制限されている避難指示区域(帰還困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域)からの避難者は計約8万人です。

・国連防災世界会議、仙台市で開幕(2015.3.14)

国際的な防災の枠組みについて話し合う国連防災世界会議は、14日から5日間の日程で仙台市で開かれ、安倍首相は、東日本大震災の経験を生かし、各国の防災対策の充実に貢献していく考えを明らかにしました。
国連防災世界会議には、およそ20か国の首脳やバン・キムン国連事務総長など国連機関の代表らが出席しています。
安倍首相は、会議の冒頭で演説し、東日本大震災で各国から寄せられた支援に感謝の意を表明したうえで、日本の知見と技術を生かし、各国の防災対策の充実に貢献していく考えを表明しました。
安倍首相が明らかにした日本の国際協力の方針は、「防災協力イニシアティブ」といわれるもので、具体的には、洪水や土砂災害などを防ぐためのインフラ整備、被災後の復旧・復興支援、防災対策の強化に向けた法整備、それに各国の防災を担う人材の育成をあげました。
日本としては、災害に強い都市計画や避難計画の作成などのノウハウを提供し、今後5年程度で、1万6000人以上の防災専門家の育成を目指すことにしています。
国連防災世界会議は、18日までの議論で、2030年までの世界的な災害を減らす目標や国際協力についての行動指針を決めることにしています。

・ニュースの用語解説

国連防災世界会議(UN World Conference on Disaster Risk Reduction)は、国際的な防災戦略を議論し、行動に向けた指針を決める国連主催の会議のことです。1989年の「国際防災の10年」の国連総会の決議の基づき日本が招致します。ほぼ10年毎に開かれ、1994年の第1回は横浜市、2005年の第2回は神戸市で開かれ、今回2015年は仙台市で開かれています。特に2011年の東日本大震災のあとだけに、日本政府としては、国際協力および各国の国内政策における「防災の主流化」(各国政府が防災を政策の最優先課題にすること、すべての開発政策に防災の観点を導入すること、防災に関する投資を増大させること)を促進すること、東日本大震災その他の自然災害を通じて得られた日本の防災・復興の知見を広く世界各国に発信・共有する(東日本大震災被災地の復興状況の発信も含む)ことを強調する方針です。

(d)国際情勢

・イスラエル首相、米議会でオバマ政権のイラン政策批判(2015.3.3)

ワシントンを訪れているイスラエルのネタニヤフ首相は、3日アメリカの上下両院合同会議で演説し、イランの核開発問題をめぐるオバマ政権の政策を批判しました。
ネタニヤフ首相は、この中で、「イランは、イスラエルだけでなく世界全体に深刻な脅威をもたらしている」として、イランの核開発をめぐってアメリカなど主要6か国が合意をめざしていることについて、「これは、イランが核爆弾を持つのを防ぐのではなく、核爆弾への道を整えるようなものだ。間違った合意になる」と懸念を示しました。
外国の首脳がアメリカ議会での演説でアメリカの外交政策を批判するのは、極めて異例のことです。
今回のネタニヤフ首相の演説は、上下両院で過半数を制している野党・共和党のベイナー下院議長が招いたもので、与党・民主党の議員およそ60人が反発して演説を欠席しました。
オバマ大統領は、ネタニヤフ首相の演説について「新たな内容はなく、何の代替案も示されていない」と非難しました。
また、オバマ大統領は、今回ワシントンに滞在中のネタニヤフ首相とは会談しない方針で、その理由についてオバマ大統領は、イスラエルで2週間後に議会選挙が行われるため、選挙の直前にはその国の首脳とは会談しないことが原則だと説明しています。
イランの核開発問題をめぐっては、アメリカとイスラエルは厳しく対立しており、今回の事態は、両国の間の確執が深まっていることを示すものとみられています。

・ニュースの用語解説

1948年祖国を持たなかったユダヤ人の国家イスラエルが建国し、アメリカは最も早く国家として承認し、これ以降アメリカの歴代政権は、イスラエルを中東の外交・安全保障政策の重要なパートナーとして重視し、事実上の同盟国として軍事支援も続けてきました。
アメリカ国内では、豊富な資金力を持つユダヤ系の団体がアメリカ政治への強い影響力を行使し、アメリカのイスラエル政策を支えてきました。
しかし、2009年に発足した民主党のオバマ政権では、アメリカとイスラエル両国の溝が目立ち始めました。
最大の要因は、イランの核開発問題をめぐってオバマ大統領は、外交交渉での解決を重視し、2013年にはイランの穏健派の政権との間で直接交渉に始めるなど関係改善に踏み切ったことです。
これに対して、イスラエルのネタニヤフ首相は、イランの核開発問題をイスラエルの安全保障上の最大の脅威と位置づけ、オバマ政権のイラン政策は間違っていると公然と批判してきました。
こうしたことから、今回の事態は、両国関係がこれまでで最も冷え込んでいることを示しているといわれています。

イランの核開発問題をめぐる協議は、イランとアメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、中国、ロシアの6か国の間で行われているもので、6月末の交渉期限までに最終合意にこぎつけるために、問題の解決に向けた大きな方針を定める「枠組み合意」を今月下旬までにまとめることをめざし、双方の交渉を活発化しています。
交渉における双方の対立点は、イランが核開発を制限する期間については、イラン側が8年以内、アメリカなどが10年以上、イランが保持する遠心分離器の数については、イラン側が9000基、アメリカなどが4500基を、イラン中部のフォルドゥの地下ウラン濃縮施設については、イラン側が実験用施設へ転換、アメリカなどが活動停止を、対イラン制裁の緩和については、原油の禁輸、銀行間取引停止の即時解除、アメリカなどが「最終合意」発効後1年をかけ徐々に緩和を主張しています。

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2.過去1か月の重要なニュースのまとめ(2015.2.14)-講座のテキスト [2.重要なニュース(2015.2.14)]

*2015.2.14の講座のテキスト*(この講座では、原則として「やさしいニュース英語サロン」で取り上げたニュースは略しますので、同名のブログをご覧ください)

過去1か月の重要なニュース(2014.1.10~2015.2.13)

・2015年度予算案、閣議決定(2015.1.14)*
・民主党代表に岡田克也氏(2015.1.18)
・安倍首相、中東訪問(エジプト、ヨルダン、イスラエル、パレスチナ)(2015.1.16~2015.1.21)
・「イスラム国」2邦人人質、2億ドル要求、72時間以内の対応求める(2015.1.20)
・オバマ米大統領、一般教書演説(2015.1.20)
・昨年の訪日外国人、過去最高の1300万人超える(2015.1.20)
・欧州中銀、量的金融緩和の導入決定(2015.1.22)
・「イスラム国」湯川さん殺害、女性死刑囚の釈放要求(2015.1.24)
・通常国会開会(2015.1.26)*
・2014年の貿易赤字過去最大(2015.1.26)*
・ギリシャの総選挙で緊縮策反対の野党勝利(2015.1.26)
・「イスラム国」後藤さん殺害発表(2015.2.1)
・「イスラム国」ヨルダン軍パイロット殺害発表(2015.2.3)
・オバマ大統領、国家安全保障戦略を発表(2015.2.6)
・農協制度、60年ぶりに改編(2015.2.9)
・政府、開発協力大綱決定(2015.2.10)*
・2014年の農林水産物の輸出額過去最高(2015.2.10)*
・日本・モンゴルEPAに調印(2015.2.10)*
・G20閉幕(2015.2.10)
・オバマ大統領、「イスラム国」に対する武力行使決議案を議会に提出(2015.2.11)*
・安倍首相、施政方針演説(2015.2.12)*
・ウクライナ停戦合意(2015.2.12)*

(a)日本の政治・外交・防衛

・安倍首相、施政方針演説(2015.2.12)

安倍首相は、12日衆参両院本会議で施政方針演説を行いました。
冒頭、安倍首相は、イスラム過激派組織「イスラム国」による日本人殺害事件について、「日本人がテロの犠牲となったことは痛恨の極みで、非道かつ卑劣極まりないテロ行為を断固非難する」と述べ、「日本がテロに屈することは決してない」と強調しました。そして、水際対策の強化など国内外の日本人の安全確保に万全を期すとともに、食糧や医療といった人道支援を継続するなど、テロと闘う国際社会において日本の責任を果たしていく決意を表明しました。
安倍政権の経済政策であるアベノミックスの第3の矢と位置づける成長戦略については、農協改革を筆頭にあげ、60年ぶりの農協改革を断行し、JA全中・全国農業協同組合中央会を一般社団法人に移行させるなど農協改革に取り組み、農作物のブランド化や輸出拡大を推進する方針を示しました。そして、経済再生、財政再建、社会保障改革の3つを同時に達成する姿勢を示し、成長戦略の実行に向け「この国会に求められていることは「改革の断行」だ」と強調しました。
このほか、安全保障法制を整備する、戦後70年の節目に世界の平和と安定に貢献する意思を世界に発信する、憲法改正に向けた国民的議論を深めるなどの見解を改めて示しました。

・ニュースの用語解説

・ 第189通常国会は、1月26日召集され、開会式のあと、麻生財務相が衆参両院で財政演説を行いました。昨年12月第3次安倍内閣が発足して以来初めての論戦が始まりました。政府・与党は、経済再生や地方創生対策を盛り込んだ平成26年度(2014年度)補正予算案と平成27年度(2015年度)予算案の早期成立を目指しています。後半国会は、集団的自衛権行使を可能とする安全保障関連法案の整備が焦点になります。
会期は、6月24日までの150日間です。

衆参両院の党派別議席数は、以下の通りです。(衆参両院のHPによる、2015.2.14現在、( )は、女性議員)

衆議院ー総定数ー475(45)
自由民主党ー291(25)、民主党ー72(9)、維新の党ー41(2)公明党ー35(3)、日本共産党ー21
(6)など
参議院ー総定数ー242(39)
自由民主党ー114(17)、民主党ー58(9)、公明党ー20(3)、日本維新の会・結いの党ー14(1)、みんなの党ー13(2)、日本共産党ー11(4)など

・政府は、2月12日一般会計の総額が過去最大の96兆3420億円となる2015年度の予算案を国会に提出しました。
2015年度予算案の 歳出では、高齢化で社会保障費が初めて31兆円台に膨らんだため、政策に充てる経費は、72兆8912億円、国債の償還や利払いに充てる国債費は23兆4507億円となっています。
歳入では、税収が2014年度より4兆5000億円以上多く、当初予算としては、7年ぶりの高い水準となる54兆5250億円を見込み、借金に当たる国債の新規発行額は36兆8630億円で、当初予算としては6年ぶりに30兆円台になっています。
政府は、2月3日に成立した2014年度の補正予算に続いて、2015年度予算の3月末までの成立を目指したいとしています。

・政府、開発協力大綱を閣議決定(2015.2.10)

政府は、10日、対外支援の指針となるODA=政府開発援助大綱に代わって、目的に国益への貢献を明記し、非軍事分野での他国軍への支援も含めた新たな開発協力大綱を閣議決定しました。
これは、開発途上国に対するODAを日本の経済成長や安全保障により多く役立てるべきだという意見を踏まえて、ODA大綱を12年ぶりに改定し、新たに開発援助大綱を設けたものです。
この大綱は、開発協力の目的を「我が国の平和と安全の維持、繁栄の実現といった国益の確保に貢献する」と明記し、初めて「国益」という言葉を使いました。
また、軍事目的の支援について、「軍事的用途と国際紛争助長への使用を回避」するという原則を維持したうえで、「民生目的、災害救助など非軍事目的の開発協力」に相手国の軍などが関係する場合には、その実質的意義に着目し、個別具体的に検討するとしています。
さらに、経済成長で所得が上昇しODAから外れた国、いわゆる「ODA卒業国」でも外交上の重要性などに応じて支援できるようにすることやより効率的な支援に向けた民間企業との連携を強化することなどが盛り込まれています。

・ニュースの用語解説

政府開発援助(ODA=Official Development Assistance)というのは、先進国の政府による開発途上国への公的資金を使った経済協力のことで、OECD=経済協力開発機構のDAC=開発委員会で基準を設けており、1人当たりのGNI=国民総所得が約1万2745ドル以下の国が支援対象です。軍が関与していたり、基準以上の所得水準の国や地域が対象の場合は、ODAに含まれません。

日本のODAは、1955年に始まり、合わせて190以上の国や地域を支援してきました。しかし、日本のODA予算は、ピーク時の1997年度の約1兆1700億円から、2014年度は約5500億円(いずれも当初予算)と半減しました。支出額は、1991年から10年連続で世界第1位でしたが、2001年にトップの座を失い、2013年は、アメリカ、イギリス、ドイツに次いで第4位でした。これは、日本の財政悪化という国内事情があるためです。

安倍政権は、2013年の国家安全保障戦略で、安倍首相が提唱している「積極的平和主義」に基づくODAの戦略的活用を明記し、集団的自衛権の行使容認や武器輸出三原則の撤廃とともに、この開発協力大綱を「3本の矢」と位置づけ、ODA大綱の見直しを進め、今回の新開発協力大綱の閣議決定に至ったものです。
今回の新開発協力大綱決定の背景には、日本の財政事情が悪化しているほかに、中国の開発協力分野での世界的な進出があります。中国は、現在多額の資金援助を展開し、その額は日本のODA予算を上回っています。このほかに、先進国から開発途上国にODAの約2.5倍にのぼる民間資金が流入していることがあります。

(b) 日本の経済・貿易

・2014年の貿易赤字、過去最大(2015.1.26)

昨年の日本の貿易赤字が過去最大になりました。
財務省が26日発表した昨年の貿易統計によりますと、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、12兆7813億円の赤字でした。赤字は4年連続で、前の年を11.4%上回って過去最大を更新しました。
昨年の輸出額は、前の年に比べて4.8%増え、73兆1052億円で、アジアやヨーロッパ向けの自動車の輸出が増えたことなどによるものです。
一方、輸入額は、前の年の比べて5.7%増え、過去最大の85兆8865億円で、円安が進んだことで火力発電用の液化天然ガスの輸入額が増えたことなどによるものです。

・ニュースの用語解説

財務省が26日発表した2014年の貿易統計(速報)によりますと、
輸出額では、総額が73.1兆円で2013年比4.8%増、自動車が10.9兆円で4.9%増、半導体等電子部品が3.7兆円で3.9%増、金属加工機械が1.3兆円で17.7%増、通信機(スマートフォンやその部品など)が0.6兆円で16.8%増などでした。
一方、輸入額では、総額が85.9兆円で2013年比5.7%増、原油が13.9兆円で2.6%減、液化天然ガス(LNG)が7.8兆円で11.2%増、食料品が6.7兆円で3.9%増、半導体等電子部品が2.9兆円で17.4%増などでした。

・農水産物輸出額、過去最大(2015.2.10)

昨年の農林水産物・食品の輸出額は、初めて6000億円を超え、過去最高を更新しました。
農林水産省が10日発表したところによりますと、農林水産物・食品の昨年1年間の輸出額は、前年比11%増で、6117億円で、2年連続で、過去最高を記録しました。
これは、円安に加えて、世界的な和食ブームで日本産の食材に対する需要が拡大していること、さらに2011年の東京電力福島第一原子力発電所の事故をきっかけに各国が導入した日本産の農林水産物に対する輸入制限が撤廃・緩和されてきたことなどのためです。
政府は、農林水産物・食品の輸出を成長戦略の柱の1つに掲げ、5年後の2020年までにその輸出額を1兆円に伸ばす目標を立てています。

・ニュースの用語解説

農林水産物・食品の輸出額の内訳は、農産物の輸出額は、前年比13%増の3570億円。そのうちお菓子の輸出が33%増の148億円。牛肉が41%増の82億円。水産物の輸出額は、前年比5%増の2337億円。そのうちホタテが12%増、真珠が30%増、サケ・マスが36%増。
国・地域別では、1位が香港向けで7%増の1343億円。2位がアメリカ向けで932億円、3位が台湾で837億円、4位が中国で622億円。

・日本・モンゴル、EPA=経済連携協定に調印(2015.2.10)

日本とモンゴルが、貿易と投資の自由化を進めるEPA=経済連携協定に署名しました。
これは、安倍首相と日本を訪れていたモンゴルのサイハンビレグ首相がEPAに署名したもので、モンゴルが日本からの輸入車にかけている5%の関税を原則撤廃することやモンゴルが石炭やレアメタルなどの鉱物資源を安定的に日本に供給するための取決めなどが盛り込まれています。
モンゴルにとっては、初めて結ぶEPAになります。日本にとっては、ロシアや中国に隣接するモンゴルとの戦略関係を強化する狙いがあるものとみられています。

・ニュースの用語解説

貿易の自由化などに関する協定には、FTA(=Free Trade Agreement 自由貿易協定)とEPA(=Economic Partnership 経済連携協定)があります。
FTAは、特定の国と地域の間で、物品の関税やサービス貿易の障壁などを削減・撤廃することを目的とする協定のことです。
EPAは、貿易の自由化に加え、投資、人の移動、知的財産の保護や競争政策におけるルール作り、さまざまな分野での要素を含む幅広い経済関係の強化を目的とする協定のことです。
日本政府は、当初からFTAよりもEPAの方が幅広いものとしてEPAを推進し、これまで、シンガポール(2002年発効)、メキシコ(2005年)、マレーシア(2006年)、チリ(2007年)、タイ(2007年)、インドネシア(2008年)、ブルネイ(2008年)、ASEAN(東南アジア諸国連合)(2008年)、フィリピン(2008年)、スイス(2009年)、ベトナム(2009年)、インド(2011年)、ペルー(2012年)、オーストラリア(2014年)の14の国と機構とのEPAが署名済み、発効済みです。そして、今回のモンゴルとのEPAが署名済み、未発効です。

(c) 日本の社会

・昨年の訪日外国人、過去最高の1300万人超える(2015.1.20)

昨年日本を訪れた外国人旅行者が、過去最高の1300万人を越えました。
日本政府観光局が20日発表したところによりますと、昨年日本を訪れた外国人旅行者は、1036万4000人で、初めて1000万人を超えた前年より29.4%増えました。
これは、円安に加え、東南アジア諸国の観光ビザ緩和や免税品目の拡大、政府の海外での観光PR強化などによるものです。
国・地域別では、台湾が1位で前年比28.0%増の282万9000人、韓国が2位で12.2%増の275万5000人、中国が3位で83.3%増の240万人9200人などとなっています。
訪日外国人旅行者が使ったお金の総額も前年比43.3%増の2兆305億円で過去最高でした。
政府としては、東京オリンピックが開かれる2020年までに年間2000万人を達成する目標を掲げ、日本を訪れる外国人旅行者を増やす取り組みを進めていく方針です。

・ニュースの用語解説

日本政府観光局の20日の報道発表によりますと、2014年国・地域別訪日客数、前年比の伸び率は以下の通りです。①台湾 282万9800人、28.0%、②韓国 275万5300人、12.2%、③中国 240万9200人、83.3%、④香港 92万5900人、24.1%、⑤アメリカ 89万1600人、11.6%、⑥タイ
65万7600人、45.0%、⑦オーストラリア 30万2700人、23.8%、⑧マレーシア 24万9500人、41.3%、⑨シンガポール 22万7900人、20.4%、⑩イギリス 22万100人、14.8%

(d) 国際情勢

・ウクライナ停戦合意(2015.2.12)

ウクライナ東部での政府軍と親ロシア派勢力との停戦を目指して、ウクライナ、ロシアと調停役のドイツ、フランスの4首脳が開いていた会談が合意に達し、現地時間の15日午前0時をもって停戦することになりました。
これは、ロシアのプーチン大統領、ウクライナのポロシェンコ大統領、それにドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領は、ベラルーシの首都ミンスクで、11日から12日にかけて16時間近く協議して合意に達し、ウクライナ政府と親ロシア派、それにロシア政府と停戦監視にあたるOSCE=欧州安保協力機構の代表が署名しました。
停戦合意は、ウクライナの首都キエフ時間の15日午前0時(日本時間同日午前7時)から全面停戦を実施する、ウクライナ軍は現時点での親ロシア派とウクライナ軍の境界線から、親ロシア派は昨年9月の停戦合意ラインから、それぞれ重火器を撤去し、緩衡地域を設ける、2015年末までに東部ドネツク、ルガンスク州の住民の配慮した憲法改革を実施するなどとなっています。
しかし、双方がこれまで対立してきた停戦ラインは明確に示されず、ウクライナ東部の2つの州の地位についても「対話を継続する」として先送りされました。
ウクライナの停戦は、昨年9月の合意されましたが、破られており、今回の停戦合意も守られるかどうか予断を許さない情勢です。

・ニュースの用語解説

ウクライナUkraine)は、面積が60万3700km2(日本の1.6倍)、人口が4590万人、住民は、8割近くがウクライナ人、2割近くがロシア人、ほかにベラルーシ人、モルドヴァ人、言語は、公用語がウクライナ語、ロシア語も一般に通用、宗教は、ウクライナ正教会が8割強、ほかにカトリック、イスラム教、ユダヤ教、産業は、小麦、大麦(生産量世界第2位)、トウモロコシ(世界第9位)などの農業と牧畜、石油、天然ガス、石炭、鉄鉱石(世界第6位)、マンガン、チタン、ウランの地下資源も豊富、鉄鋼など工業も発展。
日本との関係ー日本のウクライナへの輸出 9.8億ドル、主要品目は、自動車、機械・装置類、光学機器、日本のウクライナからの輸入 4.5億ドル、主要品目は、穀物、鉄鉱石・スラグ、化学品、
日本の進出企業 40社、日本からの直接投資 1億8890万米ドル、在留邦人 194人、在日ウクライナ人 1479人。

ウクライナでは、1991年ソ連から独立して以来、欧州志向が強い西部と隣国ロシアと経済関係の深い東部との対立が続いていましたが、2014年親ロシア路線のヤヌコビッチ政権が市民の反政府運動で崩壊し、3月これに反発したロシアが、南部のクリミア半島を一方的に併合しました。4月ウクライナ東部で親ロシア派が州政府庁舎などの占拠を開始し、ウウライナ軍との間で戦闘が激化しました。アメリカ、EU=欧州連合、カナダ、日本がロシアへの追加制裁を発表しました。5月ウクライナ大統領選挙で親欧州派のポロシェンコ氏が当選しました。9月ウクライナ政府と親ロシア派が停戦で合意しましたが、停戦は破られ、各地で戦闘が続きました。国連によりますと、昨年の4月以降、東ウクライナの戦闘で、5500人が死亡したものとみられています。

・オバマ大統領、「イスラム国」に対する武力行使決議案を議会に提出(2015.2.11)

アメリカのオバマ大統領は、11日、イスラム過激派組織「イスラム国」に対する武力行使に関する決議案を議会に提出しました。
この内容は、アメリカ軍がアフガニスタンやイラクのように長期に地上での戦闘に関わることは認めないとする一方で、アメリカ国民などの救出や「イスラム国」の指導者に対する特殊部隊による作戦で、限定的な地上作戦を行うことは、容認するとしています。
オバマ大統領は、「イスラム国」と戦うイラク治安部隊やシリア反体制派を訓練や武器供与で側面支援し、西欧・中東諸国と連携してこれまでの空爆中心の作戦を継続する考えを示しました。
そして、武力行使を認める期間を3年間とし、地上での戦闘に継続的にアメリカ軍が関わることは認めないとしています。
アメリカ軍は、「イスラム国」に対する空爆を、イラクでは昨年8月から、シリアでも昨年9月から続けていますが、その根拠について、2001年のアメリカにおける同時多発テロ事件のあとにアメリカ議会が採択した決議をあげてきました。しかし、議会の中からは、「イスラム国」への軍事作戦には議会の正式な承認が必要だという意見もでていました。さらに、昨年11月の中間選挙の結果上下両院で過半数を制している共和党の中から「イスラム国」の壊滅には地上部隊の投入も必要だという意見もでており、オバマ大統領は、こうした状況を考慮して、この決議案を提出したものとみられます。

・ニュースの用語解説

イスラム過激派組織「イスラム国」は、2014年6月イラクとシリアにまたがる地域を実効支配し、「国家」を宣言しました。しかし、いまのところ、これを承認している国はありません。同年8月アメリカは、各国に呼びかけて、「イスラム国」に対抗するため、「有志連合」を作り、この地域に空爆を加えています。
「有志連合」の主要参加国は、以下の通りです。

・空爆など攻撃作戦に参加している国は、アメリカ、イギリス、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、ベルギー、デンマーク、イラク、サウジアラビア、カタール、ヨルダン、UAE=アラブ首長国連邦。
・後方支援にあたっている国は、シンガポール、イタリア、ドイツ、ギリシャ、チェコ、ハンガリー、クロアチア、エストニア、アルバニア。
・現地部隊への軍事訓練にあたっている国は、ニュージーランド、スペイン、ノルウェー。
・基地提供、有志連合の国の部隊の領土通過許可を行っている国は、クウェート、キプロス、トルコ。
・難民への人道援助などを行っている国は、日本、韓国、ルーマニア、スロバキア、フィンランド、オーストラリア、アイルランド、スイス、欧州連合(EU)。



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